トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!!
【あとばる×なえごら 第1回】
スピナー使いの猛者・なえごら選手が対談に初登場!
世界でも数少ないXパワー3000到達者のひとりである、なえごら選手の考える「スピナーでガチマッチに勝つための極意」とは!?
「今の環境はスピナーに辛い……」と感じている人は、ぜひ参考にしてみてほしい。
あとばる
驚異的なエイム力を持つカリスマプレーヤー。「第2回スプラトゥーン甲子園」では、不利な状況から相手を次々と倒す神がかり的なプレーを連発し、優勝に大きく貢献。H3リールガンの名手としても知られ、彼の影響でH3リールガンを使い始めたプレーヤーも多いとか。おもな実績は「第2回スプラトゥーン甲子園」優勝、「第4回スプラトゥ-ン甲子園オンライン代表決定トーナメント」優勝など。チーム・よしもとゲーミング カラマリ所属。
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OPENREC.tv:https://www.openrec.tv/user/atobaru_ikaなえごら
最高Xパワー3009の記録を持ち、スピナー全種でXパワー2900以上を達成しているスピナーのスペシャリスト。後衛役としての安定感はもちろん、ここぞという場面ではアグレッシブに前に出るプレイスタイルを得意としており、次々と相手を倒すそのプレイは圧巻の一言。極めて正確性の高いエイムと的確な状況判断力、さらに対面での駆け引きの巧みさとすべてがトップレベルで、スピナー使いのひとつの完成形といえる存在だ。
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いまの環境でスピナーが厳しい理由は?
――おふたりは、こうやって個人的に話したりするのは今日が初めてですか?
なえごら:たぶん、初めてですね。
あとばる:そうですね。文面での会話とかもしたことがないですよね。
なえごら:大会でちらほら当たるくらいで、味方とかでやったこともないですかね。
――なえごら選手は、あとばる選手にはどんな印象があります?
なえごら:H3のスペシャリストで、頼れる中衛ブキ使い。自分もたまにH3を遊びで使うんですけど、メインが3発だけしか出せないのもあって全然当たらないんですよ(笑)。
その点、あとばるさんは普通に3発当ててきたり、最低でも2発は当ててくるし、キューバンボムの位置も絶妙で、けっこう面倒臭いところに置いてくるんですよ。なので、敵になるとかなり厄介な相手という印象があります。
――ちなみにスピナー系から見て、H3って相性としてはどうなんですか?
なえごら:正直いうと全然苦じゃないんですよね。もともとスピナーって、シューターメタなんですよ。それで、逆にスクリュースロッシューとか、チャージャーとか、あとシェルターですね。キャンピングシェルターとか特にそうなんですけど、そこら辺のちょっと尖った性能のブキが相手になったら途端にきつくなるという。
――割とオールラウンダーなブキに対しては自分の長射程とキル速の速さが活かしやすいと。逆にあとばる選手はなえごら選手にはどういう印象がありますか?
あとばる:まず、今の環境でバレルスピナーを持っているのがすごいですね。どう考えてもきついと思うんですけど……。
なえごら:きついです(笑)。
あとばる:やっぱり(笑)。それで、昔のスピナーが強かった頃の環境でめちゃめちゃXパワーを上げているとかならわかるんですけど、今の環境になってからだいぶ長い状況でXパワー3000行っているのがマジですごいなと。あと、ガチマッチだとバレルですごいインファイトしてきますよね。
なえごら:そうですね。けっこう前に詰めるタイプではありますね。
あとばる:それがすごく印象に残っていますね。バレルでこんなに前に詰めてくるのか、って。他のバレル使いだと、なかなかそういうプレイをする人は見ないので……。といっても、そもそもバレル使い自体そんなにいないんですけど。
なえごら:みんなジェットスイーパーに魂を売ってしまいましたからね。ちょっと悲しい(笑)。
あとばる:自分も知っているバレル使いはみんなジェットスイーパーを持ったりしていますね(笑)。でも、その中でなえごらさんは、僕のイメージの中にあるバレルっぽくない動きをしてくるので、それが相手をしていてすごい嫌だったりします。
――普通のバレル使いだと思って読んで動こうとすると、「こんなに前に来ている」みたいな?
あとばる:そうです。対バレルってある程度パターンがあって、とりあえず固形ボムを投げてチャージが止まったところに詰めるというのが基本なんですけど、そのタイミングで逆に詰めてきて、H3の距離で戦ってくるみたいなことが全然あるので。やっていて、「えっ、そこで詰めてくるの!?」ってけっこう意表を突かれるんですよ。
――なえごら選手はそのあたりの動きは意図的にやっているんですか?
なえごら:特に意識してやってるわけではないですね。ただ、基本がガチマ廃人で、立ち回りとかずっとガチマを潜り続けて身に着けたんですけど、やっぱりガチマッチで味方を動かすときに一番起点となるのはキルなので、そこを重視したら自然と前に詰める動きになっちゃったというか。
――なるほど。先ほど「今の環境だとバレルはきつい」という話がありましたけど、どういった点が厳しいんですかか?
なえごら:大会が特にわかりやすいんですけど、今の環境で主流のブキって、マルチミサイル持ちか、.52ガロンベッチュー、ボトルガイザー、ジェットスイーパー、たまにチャージャーという感じなんですけど、バレルにとってはこの辺りのブキが全部きつい相手なんですよ。
まず、チャージャーに関しては射程差がある上に、相手は一発当たったら倒せるのに、こっちは何発も当てる必要があるのが厳しいですし、ジェットスイーパーはメインに関してはスピナーの方が有利なんですけど、サブとスペシャルで見たときに、向こうにはマルチミサイルかハイパープレッサーがあって、味方に貢献できる度合いはスピナーより遥かに高い。
なので、試合に関与するんだったらスピナーを持つよりは、ジェットスイーパーを持った方が確実にいいという。
――そういう理由で、みんなジェットスイーパーに持ち替えるんですね。
なえごら:そうですね。あと、ボトルガイザーに関しては、射程がバレルとほぼ差がないんですよ。ボトルって最初に撃った弾だけめちゃくちゃ遠くて攻撃力も高いと思うんですけど、その初弾とバレルの射程がほぼ一緒で。
しかも、ボトルは乱数がないのにバレルには乱数があるのが関係して、ほぼバレルの上位互換みたいなブキになっている。あと52ガロンベッチューは、スプラッシュシールドとナイスダマという生存性能に優れたサブスペを持っていて、こちらが遠くから攻撃しても生き残って時間を稼がれるし、詰めてキルしようとしても相手の方が2確なので、返り討ちにされることも多くて。結果、こちらが後衛の仕事ができなくなるみたいな。
――なるほど。環境的にそういうブキが主流になってきたので、相対的にバレルは厳しいと。
なえごら:そうですね。そこがやっぱりきつくて、みんなにジェットスイーパーに替えたのかなと。
――そんな状況でもやっぱりスピナーを持ち続けているのは、やっぱり楽しいから?
なえごら:そうですね。スピナーはやっぱり自分に一番合ったブキなので。大会だと、さすがに味方とか相手に合わせて持ち替えはちょっとはするんですけど、基本はスピナーを持ちたいという気持ちが大きいですね。
――なるほど。ただ、ガチマッチだと基本的にはスピナーを持っているんですよね。
なえごら:そうですね。最近はずっとスピナー全種でXパワー2900目指すとかいう間抜けな目標を立ててやっています(笑)。(※このインタビュー後、実際にスピナー全種でのXパワー2900を達成)
――環境的に厳しくなった今でも、高いウデマエを維持しているというのはすごいですよね。『スプラトゥーン』のようなTPSやFPSというのは、もともと好きでプレイしてたんですか?
なえごら:いや、『スプラトゥーン』が初めてですね。他のFPSとかもちょっとは遊んだりしてるんですけど、才能がなさすぎて全然ダメで。『スプラトゥーン』でいうC帯とかB帯のレベルなのですぐやめちゃいました(笑)。
――えっ、そうなんですね。ちょっと意外です。ちなみに『スプラトゥーン』は、最初からウデマエもどんどん上がっていく感じだったんですか?
なえごら:そうですね。基本的には右肩上がりでしたね。
――じゃあ、『スプラトゥーン』はかなり相性がよかったというか。でも、上手い人って大体最初から上手いですよね。
あとばる:みんなそう言いますよね。「最初からできちゃいましたね」みたいな。
――なえごら選手はバレルスピナーデコでXパワー3009をマークしていますけど、これは自分の中でなにか気づきがあって行けたんですか?
なえごら:最初はとりあえず2900を目標にやってたんですけど、わりと早めに2900に行くことができて。それで、「これ3000も行けるんじゃね?」と思って続けてたら、行けたみたいな。ただ、すぐに負けて3009で止まっちゃたんですけど。
――なにかプレイスタイルを変えたというよりは、単に勝率を気にする感じでやったら行けたという?
なえごら:そうですね。あと、スピナーってけっこうステージによって得意・不得意があるので、スピナーと相性のいいステージが候補に出たときにプレイするようにはしていました。
――じゃあ、自分の中では割とすんなり行けたという感じ?
なえごら:いや、やっぱり自分の中の未知のパワーに行くときってめちゃくちゃ緊張するので、そこの慣れは必要かなと思います。自分も3000到達する前に7回くらい2900台に行っていて、ようやくそんなに緊張しなくなって3000に行くことができたので。
あとばる:やっぱり、パワーが高くなってくると緊張しますよね。
――そうなると動きも普段と違ってきたり?
あとばる:動きは変わらないですけど、僕は露骨に体が震えてきます(笑)。
なえごら:あ、一緒です。震えでエイムがガタガタになりますよね。体とかもぷるぷるしちゃうし(笑)。
あとばる:歯もガチガチしちゃうみたいな感じ(笑)。思考とかはけっこうまともなので、プレイ自体をそんなにミスるってことはないんですけど、震えのせいでいつも決め切れるところがエイムがダメで決めきれないみたいなことにはなりますね。
なえごら:しかも、そこで取れなかったキルが勝ち筋とか、逆に対面で負けてそれが負け筋になったりとかけっこうある。「あー、やっちまったな」みたいな(笑)。
あとばる:やっぱり、「これ、ワンチャン、最高記録いけるかも!?」って期待感が緊張につながるんですよね。なので、Xパワーを見ずにプレイして、気づいたら「あれ? 3000行ってる!」ってのが理想なんですけど……やっぱりXパワーは見ちゃうので(笑)。
――そういうメンタル的なものを乗り越えて、ようやく3000というのが見えてくるんですね。
あとばる:そうですね。だからさっきなえごらさんが言ったように、慣れというか、場数を踏んでいるってのは前提としてけっこう大事かもしれないですね。
・現環境はスピナー系にとって苦手なブキが多い!
・Xパワー3000を目指すなら、技術だけでなくメンタル面も鍛えることが大事!
次回も引き続きふたりの対談をお届け! ガチマッチにおけるスピナー系の立ち回りについてたっぷり聞いていくぞ。