真冬の怪談
『あつ森』の島を訪問する気まぐれな旅行者(?)のひとり、カモメのジョニーのことを2回にわたって書いたらだね。
意外や、この手の脇役について書くのも悪くないなぁ……と思い始め、
「せっかくだからもうひとり、“アイツ”のことも書いておいたほうがいいだろうな」
と、考えるに至った存在がいる。
それが……↓こいつだ!!!
神出鬼没の浮遊霊、ゆうたろう!!www
じつはこの幽霊に関して、ちょっとした動きがあったのでご報告したいのであります。
消えた幽霊
ゆうたろうが初めて化けて出たのは……なんと俺がルナステラ島に入植した翌日!! 2020年3月22日にさっそく祟ってきたのだ!!
出会いのシーンも、しっかりと記録に残っている。
まるで、防犯カメラに映ってしまった危険な浮遊霊のごとくフワフワとたゆたい、ゆうたろうは取り憑く相手を探していた……。
……そう、生来のオカルト好きである俺には“見えて”しまったのだ。
霊界の暗黒を覗いたのか、白目の無くなった漆黒の瞳……。この世の恨み言を吠えるためか、耳まで裂けた大きな口元……。
「ゆゆゆ、幽霊が……(((( ;゚Д゚)))」
震える俺をあざ笑うかのように浮遊霊は接近し、ついには耳をつんざく大音声を発しながら……俺に取り憑いたのである!!
以後のやり取りは……よく覚えていない。おそらく、俺は憑依した霊によって勝手に身体を動かされ、好きなように弄ばれたのであろう。
ホラ、こういう霊現象って、よく聞くでしょう。
悪霊に取り憑かれてしまった少女の人格がガラリと変わり、ベッドの上で首を180度回転させて、
「げっげっげっげ!!www」
と笑ったり、あるいは背骨が折れそうなほどの急角度ブリッジになって、その体勢のまま「ズダダダダダダダダダッ!!!」と家中を走り回ったり……(どっちも『エクソシスト』じゃねか)。
どうやらこれと同じで、俺は知らぬ間に幽霊の魂集めをさせられ、霊界と契約した証しとしていくばくかの対価をもらってしまったようなのである。
それ以降、浮遊霊・ゆうたろうは頻繁にルナステラ島に化けて出るようになってしまった。
なんと、2回目の出現はわずか2日後の3月24日だったし(苦笑)。
オマエ、どんだけこの島に縛られてんねん。完全に地縛霊じゃねえか。
とはいえ、まだ『あつ森』を始めたばかりで所有アイテムも少なく、家具のレシピも揃っていなかった時代において、何かしらのグッズを残してくれるゆうたろうの存在は、確かにありがたかった。
なので当時は、“来てくれてうれしい来訪者ランキング”において、レックス、ジャスティンにつぐ第3位くらいには付けていたと思う。もらえるアイテムについても、“まだ持っていないもの”を選べば未所有の珍しいブツが手に入ったしな。
しかし……。
出現頻度が月に5回とか6回にもなると目新しさが消え、もらえるアイテムもどこかで見たようなものばかりになってきて、じきに……疎ましくなってくる。
いまから15年ほど前、記事の企画で心霊スポット取材に出向いてまんまと霊を連れてきてしまい、高名な霊能者に除霊してもらったことがある。そのときに、
「霊がはっきり見えてしまうそうですけど……怖くないんですか?」
と尋ねると、霊能者の女性はちょっと笑ってからこんな話を聞かせてくれた。
「もう慣れてしまって、怖いという感情はありません。それより、本当にふつうの人と同じくらいはっきりと見えてしまうので、“ビックリする”がいちばん合っているかも。ですので、クルマの運転はやめました。運転中、いきなり目の前に人が現れたと思ったらじつは幽霊で、ハンドル操作を誤りそうになった……ということが何度かあり、“コレは無理だ”と……」
慣れるに従い、俺はゆうたろうがフワフワと漂っていてもいっさい相手にしなくなった。
最後に魂集めをしてあげたのは2020年7月19日で、
以降は、
我が島が誇るパワースポットであるピラミッド・モアイ地帯で飛んでいるのを見ても、
「ちっ!! また化けて出てるのかあの幽霊め」
と吐き捨てて、話し掛けもしなかったのだ。
そして……。
この日を境に、ゆうたろうの姿はルナステラ島から消失する。
最後の目撃情報は2020年9月7日で、やはり、
「モアイのところで、幽霊が彷徨っているのを見ただ!! いーや、洗濯モンでも看板でもねえ!!! アレは間違いなく幽霊だっただ!!!」
と、パワースポットの周辺を漂っていたらしい。
それから……はや4ヵ月。
幽霊の旬(?)である夏ですら相手にせず、完全なシカトを決め込んでいたので……さすがにあきらめて、別の島に依り代を探しにいってしまったのだろうか??
あまりにも見掛けないので、俺はちょっとだけ心配になった。
「まあ……化けて出ようが出なかろうがどっちでもいいんだけど、これだけ見掛けないのも、ねぇ^^;」
そんなことを考えていた、ある夜……。
ついに沈黙は破られる……!
次回に続く!
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『あつまれ どうぶつの森』公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/index.html
※ゲーム画面はNintendo Swicthソフト『あつまれ どうぶつの森』のものです。
© 2020 Nintendo
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