弱そうなのに
最初に“そのモノ”を見たときの、俺の複雑な心模様を文字化するのはいささか骨が折れる。
「ん……? なんだあの……でっかいクリオネはw あんま強そうじゃねえなww」
そう思いながらも、明らかに急凍樹や爆炎樹とは違う“静かな怖さ”みたいなものを感じて、背筋に冷たいモノが走りやがるのである。
弱そう……だけど、どこか怖ぇぇ……。
これまでテイワットで対峙してきた怪物たちとは違う何かを、確かに純粋精霊から感じたのだと思うわ。
とはいえ、拳を交える前からビビッていても仕方がないので、
「とりあえず、攻撃してみるかな……」
空に浮かぶクリオネのバケモノを眺めながら、俺は小さくつぶやいた。
しかし……。
純粋精霊は、奇妙な生き物だった。
基本、遠くの空でプカプカと浮いているだけなので、弓使いが入っていない現在のパーティーメンバーでは攻撃を当てることができない。唯一、遠距離の移動と攻撃を両立させている刻晴のスキルを使って……と思ったが、それでも若干、距離が足りないのだ。
「え……?w どうすりゃいいのコイツw 戦いにならないんだけどwww」
苦笑いを浮かべながら青い闘技場の上をパタパタと走り回っていたところ……そこで、妙なことが起こった。
純粋精霊自体は空に浮いたままなのだが、その……分身? 下僕? 眷属?? よくわからんが、鶴の形をした水のカタマリのようなモンスターが現れ、我々を攻撃し始めたのである。
「なんだなんだ。ザコなのか?? それともこの鶴が、純粋精霊の本体なのか???」
大量のクエスチョンマークをほとばしらせながら、その鶴を攻撃する。
この鶴自体が水元素のようだし、雨は降っているし、まわりは池になっているので、刻晴を使えばどこでも感電しまくりであるw
よって、この鶴は簡単に撃破。再び俺は、
「なーんだww 純粋精霊って、ヘタすりゃ急凍樹や爆炎樹よりも簡単な相手なんじゃね??w」
油断モードに突入していったのだった。
不死の怪物?
そしてまもなく、さっきの鶴の正体が判明する。
なんと……純粋精霊自身がカミングアウトしてくれましたw
「どんな形にもなれる、それが“水”の力……」
純粋精霊が形を変えて、俺たちに襲い掛かってきていたようだ。その証拠に、長大なヤツのHPが微妙に削られている。鶴を倒したことで、純粋精霊の本体にキチンとダメージが入った証拠であろう。
この後も、純粋精霊はさまざまな水生動物に姿を変えて我々に襲い掛かってきた。
……戦場は忙しくて、キチンと敵の姿をスクショに撮れていないのが悔やまれるけどw
確か、カエルだとかイルカに化けて襲ってきたような??
↓ホラ。
……って、水生動物とは程遠い、リスとかスズメ(?)じゃねえかコレwww 純粋精霊さん、そこはこだわれよ!w 見境ねえな!!
でも基本的には、かわいい水色の動物たちが相手であった。
しかも前述の通り全員が水元素なので、おもしろいように“感電”の元素反応で攻め込むことができる。
よしよし……!! 刻晴との相性が抜群だ!!!w 育ててよかった刻晴ちゃん!!! 引いててよかった雷娘!!!www
「これ、あっさりと終わりそうだなwww うひょwww」
油断度はまさに最高潮に達し、それに比例するように敵のHPも……減って……?
ここでようやく、俺は“あること”に気付く。
いくつもの形態のしもべたちを蹴散らし、純粋精霊の体力を減らしてきたと思ったのに、リスとスズメが現れたとたん、まったく攻撃が入らない……っていうか、敵の体力、回復してる気がするんですけど!!!
「え。な、なにが起こってんの……??」
意味がわからぬまま、刻晴の元素爆発をブチかます。
しかし……。
「や、やっぱり、削りきれない……! こ、これ、どうすりゃいいんだ……!?」
純粋精霊は、不死の怪物なのか……?? それとも……。
次回に続く!
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『原神』公式サイト:
https://genshin.mihoyo.com/ja/
※ゲーム画面はPS4ソフト『原神』のものです。
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