By まつがん
「最強戦略!ドラリンパック」は殿堂環境に大きな影響を与えた。
しかし、全部が全部環境入りするほどの力を持っていたわけでもなく、中にはいまだ使い道が定まっていないカードもあった。
《アカシック・ファイナル》はそんなカードのうちの1枚だ。
「侵略」という極めてお手軽なタダ出し手段を持っているにもかかわらず、このカードが既存のアーキタイプにすんなりとは収まらなかった原因があるとすれば、やはりその侵略条件にあるだろう。
何せ《アカシック・ファイナル》は「多色ドラゴン」の上にしか侵略できないのだ。
多色のドラゴンなど、それ自体出すのに苦労するに決まっている。その上で侵略するにしても、 《アカシック・ファイナル》はどちらかといえば中継ぎ向けの能力のため、どうにもチグハグな感じが否めなくなってしまうのである。
だが、ここで冷静に思い出して欲しい。簡単にバトルゾーンに出せる多色のドラゴンなら、同じ「最強戦略!ドラリンパック」に収録されていたはずなのだ。
それも、とびっきり強力なやつが。
そう、《轟く革命 レッドギラゾーン》である。
このカードも何を隠そう「多色のドラゴン」なので、実は《アカシック・ファイナル》を侵略させることが可能なのである。問題は《アカシック・ファイナル》より《轟く革命 レッドギラゾーン》の方が能力が5倍くらい強くて侵略させる意味とは???🤔🤔🤔となることだが、細かいことは気にしないことにする。
さて、こうして《アカシック・ファイナル》と《轟く革命 レッドギラゾーン》を同居させたデッキが組めそうな流れになってきたわけだが、ここで改めて両者の侵略と革命チェンジの条件をそれぞれ確認してみると、《アカシック・ファイナル》の侵略条件は「多色ドラゴン」なのに対し、《轟く革命 レッドギラゾーン》の革命チェンジ条件は「水、火または自然のコマンド」となっていることがわかると思う。
そうなると一つ厄介な問題が生じてくる。確かに《轟く革命 レッドギラゾーン》から《アカシック・ファイナル》へと侵略することは可能とはいえ、順番からすると別のクリーチャーAに《アカシック・ファイナル》を侵略→それらを丸ごと《轟く革命 レッドギラゾーン》へと革命チェンジという風にした方がスムーズな動きになるに決まっているのである。
だがこの侵略条件と革命チェンジ条件の違いは、そのようなクリーチャーAの存在を限りなく拒んでいる。あるいは、よしんば存在するとしてもクソ重すぎて実用性に欠けることが明白である。
この事実により、《アカシック・ファイナル》と《轟く革命 レッドギラゾーン》との共存はやはり不可能なのでは……と、そう思われた。
だが、実は存在していたのだ。
実用的な「多色ドラゴン」で、かつ「水、火または自然のコマンド」でもあるクリーチャーが。
そう、《一面 エニク=アーク》だ。
《一面 エニク=アーク》はそれ自体革命チェンジ持ちなので、2ターン目にバトルゾーンに出すことが可能である。ならば3ターン目の《一面 エニク=アーク》攻撃時に《アカシック・ファイナル》侵略→《轟く革命 レッドギラゾーン》革命チェンジと動くことで、宇宙を垣間見ることができるのではないか。
しかし、仮に宇宙を垣間見ることができたとしてもゲームに勝てなければ意味はない。そして現状の動きだけだとやっていることはドラゴンとコマンドがバトルゾーンと手札を高速でピョンピョン出たり入ったりするだけで、残るのはちょっとばかり増えた手札とバトルゾーンの《轟く革命 レッドギラゾーン》のみに過ぎない。これだけでデュエマに勝とうというのはさすがに虫が良すぎるだろう。
だとしても、この高速ピョンピョン虚無に対してゲームに勝てるだけのフィニッシュ力を持たせる手段が、はたして本当にあるのだろうか?
その答えは、《一面 エニク=アーク》《アカシック・ファイナル》《轟く革命 レッドギラゾーン》という3種のピョンピョン材の共通項にあった。
高速ピョンピョンで《禁断 ~封印されしX~》の封印を一瞬で剥がしまくれるのでは???🤔🤔🤔
そう、《一面 エニク=アーク》も《アカシック・ファイナル》も《轟く革命 レッドギラゾーン》も火文明のコマンドなので、《禁断 ~封印されしX~》の封印を剥がせるのである。さらに侵略からの革命チェンジで再利用すれば、6枚の封印などあっという間に剥がしきれることだろう。
しかも《禁断 ~封印されしX~》ならゲーム開始時に設置できるので、手札の要求値がこれ以上上がることもない。
こうしてコンセプトは固まった。あとはこのコンセプトを実現するためのカードを入れていくだけだ。
そもそも《一面 エニク=アーク》を着地させるには、火または自然のクリーチャーで攻撃しなければならない。そこで私が選んだのが《ツクっちょ》と《風の1号 ハムカツマン剣》。前者は侵略や革命チェンジの天敵となるメタクリーチャーを処理できるし、後者は最軽量スピードアタッカーとして手札に戻った後も後詰めの役割が持てる。
だが、ここまで組んだところで「いや待てよ、これくらいなら別に普通のデッキなのでは……?」という謎の芸人根性が頭をもたげてきてしまう。
そしてその結果、さらなる暴挙に出ることにしたのである。
ついでに他の強い侵略持ちも適当に全部入れたらなんか派手で楽しいのでは???🤔🤔🤔
そう、理性の崩壊である。
どうせ高速ピョンピョンするなら、一度にたくさんピョンピョンした方が楽しいに決まっている。そうして繰り返された高速の反復虚無ピョンピョンが、やがて荒廃した大地にピョンの種子を芽吹かせる (?) のだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「超全力侵略革命チェンジ」だ!
『超全力侵略革命チェンジ』
《禁断 ~封印されしX~》 | |
4 | 《ツクっちょ》 |
《トレジャー・マップ》 | |
4 | 《風の1号 ハムカツマン剣》 |
《虹速 ザ・ヴェルデ》 | |
4 | 《勇者の1号 ハムカツマン蒼》 |
4 | 《一面 エニク=アーク》 |
4 | 《SSS級天災 デッドダムド》 |
4 | 《アカシック・ファイナル》 |
4 | 《轟く革命 レッドギラゾーン》 |
1 | 《熱き侵略 レッドゾーンZ》 |
1 | 《禁断の轟速 レッドゾーンX》 |
1 | 《蒼き団長 ドギラゴン剣》 |
???「いつまでドラリンパックで遊んでるんですか!もうクロニクルデッキも発売しましたし、来月には十王篇第3弾ですよ!!」
そ、その声は!?
引き続きソーシャルディスタンス、デッドマン!!(ちなみに「これは何?」と聞いたら「パプリカです」と返ってきた)
デッドマン「そろそろ部屋にカードを置く場所がなくなってきた研究仙人のために、また新しいカードを持ってきましたよ!」
はたしてデッドマンが持ってきてくれたカードとは!?
次回に続く!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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