いいところあるんだよ
先日、我がルナステラ島の10人の住人を紹介したばかりだが……早くもいろいろと動きが出てきてしまって島民代表の俺、困惑^^;
『どうぶつの森』って、一度フルメンバーになってもしょっちゅう引っ越しイベントが起こるし、『あつ森』はキャンプサイトって施設もあるから、現在のメンバーも“一生安泰!”、“終身雇用!”、“年功序列!!”ってわけにはいかない。見た目はこんなにかわいいのに、なかなかにして世知辛い世相を反映したゲームになっていると思うぜコイツは……。
そんなルナステラ島の住民たちの中で、もっとも“島カラー”に合わないと思われているのが↓この男である。
……そう、“校長先生”、“空気の読めない上司”、“水色の黒船”などなど、どちらかというと重苦しいあだ名で呼ばれることが多い巨クマ、ベアードだ。今回はこの“招かれざる客”の現状をお伝えしたいと思う。
花が好きな巨クマ
ベアードが島に居ついてしまったとき、俺は驚きや困惑よりも先に“怒り”の感情を覚えてしまった。
「もーーーーー……!! なんでオマエが来るんだよ!!>< ぜんぜんお呼びじゃなかったのに!! 何を勘違いして来ちゃったかなぁ!!!(怒)」
まるで……苦手な知り合いが呼んでもいない飲み会に来てしまったときのような、超イケメンが合コンの場に来てしまったときのような!!(泣) そんな絶望感が脳裏をよぎったのだ。
仕方なく、俺はベアードの存在を忘れることにした。我ながらヒデェ対応だと思ったが、俺が相手をしないことでこの島に嫌気を覚え、早々に引っ越ししてくれるのではないか……そんなことを考えたのである。
なので、誤って声を掛けてしまったときに↓こんな反応をされてしまった。
その瞬間、猛烈な勢いでこみ上げてきたのは……ベアードに対する罪悪感と、自分に対する嫌悪感だった。
くっそ……! な、なんでこんな気分にならなきゃいけないんだ。たかがゲームの住人なのに……! えり好みしたっていいやんけ!!><
「ダメだ。話し掛けると情が湧いてしまう。いないものと考えないと……!!」
決意も新たに、俺はベアードと距離を置こうと考えた。
でも、ある日のこと……。
その日は朝から、激しい雨が降っていた。
どうぶつたちも出歩くのを躊躇するんじゃないかと思うくらい、冷たい雨がザーザーと。それでも、島民代表の俺は島の見回りをしないといけないので、雨の中に飛び出したのである。
すると……。
「あ……。ベアードじゃん……」
住民の姿があまり見えない中、ひとりベアードはレインコートをまとって海岸近くを歩いていた。ナゼかその姿から目が離せなくなり、見守っていると……。
ベアードはしきりに、俺が植えた花々を観察していた。どこか、うれしそうに。興味深く……。
「そっか。ベアード、花が好きなんだ。あんな、おっさんみたいな見た目をしているくせにwww」
俺は自然と、ベアードに歩み寄っていた。そして……不思議なことになんの躊躇もなく、水色の黒船と言われた(俺にだけど)巨クマに話し掛けたのである。
うんうん。いいこと言うじゃん。その言い方が、なんともキザで鼻に付くけどさww
俺、ベアードに許しを請う
そして、別の日も……。
あ……。ベアード、花に水をあげてるよ……。
その健気な姿を見て、俺は……いままでの自分の態度を、猛烈に恥じた。
「俺はなんて、ヒドいことをしていたんだ!!><」
と。そして、
「いままでの俺の態度を、ベアードは許してくれないかもしれない。でも……受け入れてくれるまで、話し掛けよう! そして……今度はこっちからお願いして、ルナステラ島でいっしょに暮してもらうんだ!!><」
そう心を入れ替えたのである。
それでも、不安は消えない。これまでの自分を顧みるに、ベアードに許してもらえる要素なんて何ひとつとしてないのだから……。
そんな、翌日のこと。
朝、散歩しているベアードを見かけたので、駆け寄って話し掛けた。
「きっと……冷たい態度を取られるんだろうな……><」
そうドキドキしながら。
そ、そしたら……><
ベアードは……俺なんかよりずっと大人で、広い心で、俺を受け入れてくれた。いや、まだまだ距離はあるだろうからこれから縮めていかないといけないんだけど……がんばって、話し掛けよう!! そして、俺の友だちになってもらうんだ!!><
ということで、紆余曲折ありながらも、ベアードはルナステラ島になくてはならない存在となりました。
おしまい。
大塚角満の『あつ森』おもしろガイドも更新中
大塚角満(おおつか・かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。 |
『あつまれ どうぶつの森』公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/index.html
※ゲーム画面はNintendo Swicthソフト『あつまれ どうぶつの森』のものです。
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