By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは今週発売したコロコロコミック5月号はもう入手されただろうか?
デュエル・マスターズの原作コミックが読めることはもちろん、6月に発売する十王篇第2弾に関する情報も色々と掲載されている。ぜひとも手に取ってみて欲しい。
さて、デュエル・マスターズに大量の新ギミックを追加した十王篇第1弾「切札×鬼札 キングウォーズ!!!」が発売したことで、過去の様々なギミックが再注目されているわけだが、そんな中でも「ギャラクシールド」と2013年のエピソード3で登場した「シールド・ゴー」との相性の良さに着目した、「ダッカルパラノーマル」というデッキが最近話題になっているのをご存知だろうか。
簡単に説明すると、《ヘブンズ・フォース》から2ターン目に着地した《緑知銀 ダッカル》の登場時能力や《ブレイン・ストーム》を唱えてからの誘発能力などで、《「絶対の楯騎士」》や《凄惨なる牙 パラノーマル》といったカードを直接表向きでシールドに置いてしまおうというコンセプトのデッキである。
だが、それ自体は《緑知銀 ダッカル》という超天篇のカードに十王篇の新カードで新たな役割を与えた素晴らしいアイデアなのは間違いないにしても、私の視点ではこのデッキには少しだけ不満に思う部分があった。
それは、ギャラクシールドの活用がサブコンセプトになっているため、デッキの方向性が防御に寄ってしまっている点と、デッキコンセプトがあまりにも《緑知銀 ダッカル》に依存しすぎている点だ。
現代デュエル・マスターズでは圧倒的な攻めの力を持ったデッキが多く、攻め側が万全の状態で回ったとしたらたとえ《ヘブンズ・ゲート》がシールドに埋まっていたとしても受けきるのは難しい。それゆえに防御的な方向性を持ったデッキはデッキパワーという点において、どうしても1枚落ちると言わざるをえない。
また、デッキに4枚しか入っていないカードに依存しているというのはやはりデッキの安定性を大きく損なってしまっている。
そこで、私は考えた。
攻撃的なコンセプトで《緑知銀 ダッカル》を使うことはできないだろうか?と。
そう、《GOOOSOKU・ザボンバ》との併用だ。
《緑知銀 ダッカル》を使うなら《ヘブンズ・フォース》は欠かせない。だが《緑知銀 ダッカル》は軽いサーチカードなどで探すことができないところ、《GOOOSOKU・ザボンバ》を5~8枚目の《ヘブンズ・フォース》の相棒として採用することで、デッキの安定性を担保することができるのだ。
しかし、そうは言っても《ヘブンズ・フォース》の方も4枚しか積めないのだから結局安定性に欠けるのでは?とも思える。
だが、《ヘブンズ・フォース》の側は《ロジック・サークル》でサーチすることができるのだ。
これにより「《ロジック・サークル》+《ヘブンズ・フォース》」と「《緑知銀 ダッカル》+《GOOOSOKU・ザボンバ》」で8枚ずつの初動パーツを確保することが可能となった。
また、《GOOOSOKU・ザボンバ》を採用して、水文明ではなく火文明を光文明の相方にすることには別のメリットもある。
従来のデッキでは《凄惨なる牙 パラノーマル》は色マナとしての役割を持っていなかったところ、《進軍する巨砲 クロムウェル》を採用することで、《緑知銀 ダッカル》の登場時効果のバリューをそこまで落とすことなく《GOOOSOKU・ザボンバ》の火文明マナをサポートできるのだ。
とはいえ、GRに対するメタカードとしての《凄惨なる牙 パラノーマル》がないと《MEGATOON・ドッカンデイヤー》されてデイヤーと叫びながら爆発四散するだけなのでは?と思われるかもしれない。
しかし、火文明にはこいつがいる。
《U・S・A・BRELLA》。
《MEGATOON・ドッカンデイヤー》を意識するならばこいつの存在は欠かせない。《GOOOSOKU・ザボンバ》のマジボンバーとの噛み合いも良く、採用しない理由はないだろう。
さて、ここまでの経過をデッキリストにすると以下のようになる。
『途中経過』
《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》 | |
《U・S・A・BRELLA》 | |
4 | 《GOOOSOKU・ザボンバ》 |
《緑知銀 ダッカル》 | |
4 | 《進軍する巨砲 クロムウェル》 |
4 | 《「絶対の楯騎士」》 |
4 | 《ロジック・サークル》 |
4 | 《ヘブンズ・フォース》 |
4 | ??? |
4 | ??? |
《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》である必然性はそこまでないが、攻撃的に振舞う以上最低限のS・トリガーケアは欲しいし、《GOOOSOKU・ザボンバ》を出した後に《ロジック・サークル》でトップに積んでマジボンバーするという動きがオシャレなので悪くはないだろう。
問題は《ブレイン・ストーム》を採用していないので、《緑知銀 ダッカル》着地後の上ブレ要素が薄くなってしまっているという点にある。
《ロジック・サークル》で《進軍する巨砲 クロムウェル》や《「絶対の楯騎士」》をトップに積めたら良かったのだが、さすがにそれは贅沢が過ぎるというものだろう。
だとしても、役割的には《ブレイン・ストーム》を押しのけて《ロジック・サークル》が採用されている以上、《緑知銀 ダッカル》着地後に《ブレイン・ストーム》に及ばないまでも近しい出力を《ロジック・サークル》が発揮できる必要がある。
しかし、現状ギャラクシールドを持っている呪文は《三・騎・繚・乱》のみ。
さすがにそんな都合の良いカードが存在するはずが……?
あった。
《裁キノ聖堂 ラ・ファミリエ》だ。
シールドに《進軍する巨砲 クロムウェル》がある状態で、自分のクリーチャーの攻撃時に手札から光のコスト5以下のクリーチャーを出せる (もしくはドローできる) ようになるこのカードをもシールドに設置できれば、クリーチャーを出してはスピードアタッカーでラ・ファミリエの能力を誘発させることで、さらに次なるクリーチャーを展開できる連鎖攻撃が可能となる。
だが、これには一つ問題があった。《裁キノ聖堂 ラ・ファミリエ》は「クリーチャーを出す」か「カードを引く」のどちらかしかできないので、手札を増やす手段がない限り、連鎖攻撃はそうそう決まらないのである。
しかしこのデッキは光と火。手札を増やす手段などそうそうあるはずもない。
ここで私が考えたのは《奇石マクーロ》だった。《GOOOSOKU・ザボンバ》のマジボンバーの受けとなりつつ、《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》や《緑知銀 ダッカル》が拾えるので連鎖攻撃のサポートになれるのではないかと考えたからだ。
しかし外れは少ないとはいえ実際拾って嬉しいのはほとんど《緑知銀 ダッカル》だけなので、さすがに単体のカードパワーに疑問が付く感じは否めない。
やはり連鎖攻撃は夢のまた夢なのか……そう私は諦めかけた。
だが。
私はたどり着いたのだ。《奇石マクーロ》より勝るカードパワーを確保しつつ、連鎖攻撃を可能にする方法に。
《裁キノ聖堂 ラ・ファミリエ》で連鎖攻撃をするのに、必ずしも手札を増やす必要はなかった。
そんなことをしなくても、攻撃回数を増やせばいいのだ。
つまり1体で2体分のクリーチャーを確保することができれば、1体目の攻撃時に引く→2体目の攻撃時に出すという動きが可能になるのである。
そして、1体で2体分のクリーチャーを確保する方法といえば決まっている。
GR召喚だ。
《共鳴音奏 リリックバッハ》。
光の《HAJIKERO・バクチック》とも言うべき横並び性能を持つこのカードを使えば、《裁キノ聖堂 ラ・ファミリエ》の能力も無駄なく使いきることができるに違いない。
というわけで、できあがったのがこちらの「ダッカル・ファミリエ」だ!
『ダッカル・ファミリエ』
《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》 | |
《U・S・A・BRELLA》 | |
4 | 《共鳴音奏 リリックバッハ》 |
《緑知銀 ダッカル》 | |
4 | 《GOOOSOKU・ザボンバ》 |
4 | 《進軍する巨砲 クロムウェル》 |
4 | 《「絶対の楯騎士」》 |
4 | 《ロジック・サークル》 |
4 | 《ヘブンズ・フォース》 |
4 | 《裁キノ聖堂 ラ・ファミリエ》 |
超GRゾーン | |
2 | 《無限合体 ダンダルダBB》 |
2 | 《全能ゼンノー》 |
2 | 《超Ω級 ダルタニックB》 |
2 | 《ポクタマたま》 |
2 | 《マジカルイッサ》 |
2 | 《ジェイ-SHOCKER》 |
《共鳴音奏 リリックバッハ》から出る超GRはジョーカーズ軸にしてみた。《ジェイ-SHOCKER》でGRトリガーケアが可能だし、《無限合体 ダンダルダBB》をうまく使えば《ヘブンズ・フォース》や《裁キノ聖堂 ラ・ファミリエ》を唱えてさらなる打点を追加することができるかもしれない。
既存のデッキのアレンジだが、なかなか楽しそうなデッキに仕上がったのではないだろうか。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。