いよいよ最終決戦(?)へ
「せっかく対戦モードが実装されたのだから、コンピューター相手じゃなく人間と対決したい!!!」
という俺の夢を叶えるべく、俺自身がセカンドデータを育てて(苦笑)同僚に使ってもらう……という、健気というか必死というかなりふり構わないというか……とにかく!! そんな強引な手法を使ってようやく対人戦にこぎ着けた……ということを連日お伝えしている。
前回は、俺が野生のヒラタクワガタ、同僚のたっちー先生は野生のオオクワガタを使うというハンデなしの戦いに突入し、膠着する戦いに一石を投じるために新技“まぜこぜ”を俺が使ったところまで書いたんだったな。
その結果、スクショを撮り忘れたんだけど俺が1本を先取し、
「あとひとつで勝ちや!!」
ってところまで来たんだけど……。
あ!!! ミスって7なんか出しちゃったよ!!!
俺、老眼と五十肩には勝てず(肩関係ないけど)、フルパワーを外してしまう。これを見て、たっちー先生は狂喜乱舞だ。
「うけけけ!! これで追いつけるで!! なぜならわしは、絶対にフルパワーを外さないけんな!!!」
鼻息荒く、高速回転を始めた目押しルーレットに臨んだら……。
「……」と俺。
「………………………」とたっちー先生。
動体視力に大差ナシ……というか、やっぱり回転が速くなった『カブトクワガタ』のルーレットを最大攻撃力でピタリと止めるのは至難の業なのである。このへん、実際に大会とかになったら白熱するだろうなあ!
けっきょく、この先鋒戦は……。
くっそwww マジでフルパワー出せないんだけどwww
俺が連続で7を出してしまったのに……。
「ぐっはあああああ!!! なんやこのルーレット!! 速すぎやろ!!!!」
たっちー先生、痛恨の“3”www これにて、
2本連取した俺の勝利となったのである。
さあ、つぎが決着戦だ。
だからといって、ここで俺だけギラファノコギリクワガタとかブルマイスターツヤクワガタを出すわけにもいかないので、
野生のノコギリクワガタを選択^^; じゃないと、力の差が出すぎておもしろくないからな。
対するたっちー先生は……!
少ない選択肢の中から、ミヤマクワガタを選んだか!!
この、ノコギリクワガタvs.ミヤマクワガタって、小学生のころにも実際にやったんだよなーーー!! 昭和の群馬のド田舎に育った俺にとって、カブトムシなんてセミや蚊と同じくらいたくさんいるポピュラーなムシだったんだけど、ノコギリクワガタとミヤマクワガタはSSRくらいのレア度で(とくにミヤマクワガタな)、もしも見つけられたらクラスでヒーローになれること間違いなしだった。よって、ノコギリクワガタvs.ミヤマクワガタはドリームマッチ以外のナニモノでもなく、ひと夏に1回開催されればいいほうだったのだ。
それが、いま……!! 『カブトクワガタ』の対人戦で実現されるとはな!!
「うおおおおお!!! 夢の対決じゃん!!!!」
興奮する俺を、不思議そうな目で見つめるたっちー先生。とにかく、この日最後の対戦はこうして幕を開けたのであった。
続く。
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『カブトクワガタ』公式ツイッター:
https://twitter.com/kabukuwa_info
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