激闘、ついに決着!! ……の1歩手前!w
ストームヴィル城に棲まう“最初の審判”、忌み鬼・マルギットとの戦いは……すでに30回を越えていただろうか。
序盤に出くわす敵としては、あまりにも速く、強く、多彩な番人に、くり返しくり返し叩きのめされる日々……。
「愚かな野心は忘れることだな」
画面に焼き付くほど見たマルギットの決めセリフを、「ぐむむむむッ!!!」と歯噛みしながら脳に刻み込む俺。その圧倒的な武力を前にしたら、ここで『エルデンリング』の攻略をあきらめてしまう人も出てくるかもしれんな……。
そんなことを考えながらも、一方で俺は自分自身に対して“ある確信”を持っていた。
それはシンプルに、
「こんくらいじゃ、俺の心はいささかも揺るがない。折れる気配すらなないわ」
ってこと。
そのバックボーンにあるのは、以前も書いたけど『DARK SOULS』で遊んでいたときにスモウ&オーンスタインという史上最強レベルのボスにぶち当たり、じつに120回も「YOU DIEDwww」を見せられながらも最終的には撃破して先に進むことができた……という成功体験である。これにより、
「心が折れさえしなければ、越えられない壁はない」
という厳然たる事実を知り、ちょっとやそっとの強敵では揺らがなくなった。多少手こずる相手に出くわしても、
「なんのなんのwww スモウ&オーンスタインみたいに、俺を120回倒してみろよ!!www」
なんて言葉を叩きつける余裕すらあり、それは忌み鬼・マルギットに対してもまったく同じだったのである。
では、話を先に進めよう。
それでも、キチンとオノレを成長させないとマルギットには歯が立たないと確信できたので、コツコツとレベルアップを図り、武器も、
ナケナシの素材を使って少しずつ強めていった。
さらに!!
じつは最終的な決定打となるのはコレだったんだけど、途中から、
ちょっとスクショが見づらいんだけど、それまでまったく使ってこなかった“遺灰”を使用し、ともに戦ってもらう戦術に切り替えたのだ。しかし、
「もっともFPを消費する“はぐれ狼”がいちばんいいんだろうな」
と思って、オオカミを数匹呼び出す遺灰を使って立ち回っていたんだけど、なかなか結果が出ない。そこで、
「とりあえず、ひと通りの遺灰を使用してみるか! もしもそれで、箸にも棒にも掛からぬ結果だったら……もっともっと自分をレベルアップさせればいいわ!!w」
ってんで、当時持っていた4、5種類の遺灰を使ってみたのである。
すると……!
乏しい手持ちの中に、見るからに弱そうな“クラゲ”という名の遺灰があった。確実にハズレ物件だと思い、一度も召喚したことのないブツである。それでも、一応使ってみようと思ったのは、
「遺灰の最短成仏記録が見られるかもしれないぞw」
という、面白半分の動機だったことをいまでもよく覚えている。
と、ところが……!
この……誰よりも弱いと目されていたクラゲ君が(もう呼び捨てになんてできない)、絶望渦巻くマルギット戦でとんでもない活躍をすることになるのである!!!
30回目くらいのマルギット戦の冒頭、
「チリンチリン♪」
戦場に似合わぬかわいい鈴の音とともに、クラゲ君が召喚された。
名前の通り、見事なまでのクラゲである。それ以上でもそれ以下でもない、身体の99%が水分の、“動く水”とも言える頼りない生き物である。
しかし……!!
ぷかぷかぷかwww
ぷかぷかぷかぷかwww
なかなかいいスクショが撮れなかったんだけど、思っていた以上にマルギットはクラゲ君が気になるらしく、俺を無視してそっちばかりを攻撃している……! しかも、どうやらクラゲ君は体力バカのようで、ちょっとやそっとの攻撃ではビクともしないのだ。
さらに……!!
もっとも驚いたのが、クラゲ君が「ぶっしゃああああwww」と吐き出す吐しゃ物は毒物のようで、これが……マルギットにも効果てきめん!!!www あの屈強な筋肉鬼が、
「あ。ちょ、ま……! ゲロゲロ吐くのいますぐやめろ!!>< それ、毒や!!!>< おえええええ!!! 気持ち悪ッ!!!>< もらいゲロしそう><」
なんて悶絶しながら(してないけど)、毒ダメージで目に見えてHPを減らしていくのである!!!
このとき、俺はマルギット戦が始まってから初めて、
「え!!! か、勝てるかも!!?」
という勝利の予感を覚えた。それも、毒ったマルギットから距離を取り、攻撃をかわしているだけで、致命的なダメージを入れられるかも……!!
↓こんな感じでな!!!!
きたぁぁぁああああッ!!!! マルギットの体力、ほんの5ミリほどッ!!! これならどんな攻撃が入っても倒せるし、毒っているから逃げているだけで決着するかもしれん!!!
……まあ、そういう俺の体力は1ミクロンくらいしかないんだけど(苦笑)、これならガチで、ローリングしているだけで俺の勝ちだッ!!!
「がっははは!!!!www 勝った勝った!!!www もう、俺の勝利は揺るがない!!!www ゴロンゴロン!!www そんな攻撃、ローリングで簡単にかわせるんだよ!!!www」
マルギットの体力は、いよいよ残り1ミリに……!!!
つぎの攻撃をローリングで避けたら、その時点で試合終了~~~……!!!!
ぴゅ~~~~~…………www
「あ」と俺。
「あwww」とマルギット。
余裕の体でマルギットの攻撃をローリングで避けたその瞬間、足元から地面が消え、俺の命は勝利といっしょに谷底に…………って!!!!!!!!
またやっちまったよぉぉぉおおおお!!!!>< あああ、あと3秒くらいで勝てたのに!!!!>< マルギットを倒せたのにぃぃぃいいいい!!!!>< また最初からやり直しやぁぁぁああああ!!!!><
次回こそ、決着です^^;
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『ELDEN RING』公式サイト:
https://www.eldenring.jp/
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