ゲーム用に作られたパソコンやマウス、キーボードなどをまとめて呼ぶ際に使われる”ゲーミング”。最近ではPC関連機器だけではなく、椅子やウェア、はたまたベッドなど広範囲で使われるようになっている。
そんな”ゲーミング〇〇”だが、なぜか”虹色に光るもの”というイメージで世間に認知されている……気がする!
ということで、本記者は「ガレリア(GALLERIA)」というゲーミングPCブランドを展開するサードウェーブの方に、なぜ虹色に光るのか、そもそもなんで光るのかなどを直接聞いてみた!
▲ゲーミングPC「ガレリア(GALLERIA)を開発する株式会社サードウェーブより、製品事業本部、ゲーミングPC「GALLERIA」プロダクトマネージャーの武藤亮太氏。
PC内部から光が漏れ始めた!?
――そもそもPCが光り始めたのはいつ頃、どのメーカーからなんですか?
武藤:今のような形で流行り始めたのは2000年代後半くらいですが、元祖がどこか、というのは明確ではありません。パーツ単位で見ると、もっと前から光るギミックのある商品は存在していて、自作PCにこだわりを持つ方がワンポイント的な意味合いで購入されていました。LEDの付いた排熱ファンなどが人気でしたね。
――あ、見たことあります。ファンが回って光が拡散するやつですね。
武藤:はい。そこから徐々に発光するパーツを使ってPCを全体的にデコレーションすることが流行り始めます。そしてゲーミングPCが一般に拡がり始める2010年辺りで、光がより外に漏れ出すことになります。
――漏れ出す……?
武藤:ゲーミングPCは基本的にハイスペックであるため、当時はかなり熱を発しやすかったんです。そこで排熱をしやすくするために、メッシュを採用したPCケースが増えていったんですね。すると、メッシュの部分からPC内部の光が外に漏れ出していくわけです。これらの流れが相まって”ハイスペックのゲーミングPCは光る”という認識が生まれたんだと思います。
――ちなみに光ることで排熱性が良くなるとか……?
武藤:もちろんないです(笑)。
――逆に温度が上がることは?
武藤:LEDなのでほとんど影響ありません。
――ゲーミングPCが出始めた頃から”虹色”に発光していたんですか?
武藤:いいえ。まずは青や赤でした。それから白かな…。CPUメーカーの双璧のインテルさんが青、AMDさんが赤というイメージカラーを持っていたから青、赤で統一される方が多かったんです。自作されていた方も、使用しているCPUに合わせて色を選んでいる傾向がありましたね。
――アイドルのコンサートのような……。
武藤:たしかに似ているかもしれません(笑)。
“ゲーミング”の名称は誰が使っても良い
――虹色に関する質問に行く前に、そもそも”ゲーミング”という名称は誰が使い始めたんですか?
武藤:それがですね……わからないんですよ。自然発生的に広まった印象です。
――え、不明なんですか!?
武藤:そうなんです。気付いたらそういうカテゴリが出来ていました。最初はゲーム用やゲーム向けと謳っていたと思います。ゲーム用の製品というのは2000年初頭にはありましたしね。弊社のゲーミングPC 、GALLERIAシリーズも2002年スタートです。日本においてはPCメーカー、周辺機器メーカーが同様の商品を”ゲーム用”と謳って販売し始めたのもそのころからかな。
――最初は、ただの”ゲーム用”という名称だったんですね。
武藤:はい。国内ではそのあたりから、色んなメーカーさんがゲーム用パソコンやゲーム用のキーボードやマウスを出し始めて、いつしかまとめて”ゲーミング○○”と呼ばれるようになったんです。
――では”ゲーミング”の定義ってなんですか?
武藤:私個人の見解としては、ゲーマーの方がゲームをプレイするために必要なものは、すべて”ゲーミング○○”と言っていいと思います。
――結構おおらかだった……!
武藤:例えば、すべりが良いマウスパッドだったり、細かな音が360度聞こえるヘッドセット、はたまた配信がそのユーザーにとってゲームの一環であれば配信機器もゲーミングデバイスだと言えます。
――ゲームをプレイするなかで役立つなら、それはもうゲーミングデバイスだと。
武藤:それでいいと思います。ゲーミングドリンクとかゲーミングマスクとかも(笑)。
――ある意味、言い出したもの勝ちですね……。
武藤:そうですね。でも、それが許容されているのは、「そう、それ必要だよね」と理解していただけるユーザーがいるからです。メーカー側だけが一方的に言っても理解やリスペクトがなければ無視されるだけですから。メーカー、ユーザー相互に認知されてこそ、初めてゲーミングデバイスの仲間入りになると思います。
▲今年3月にはゲーム、アニメ、睡眠、食事のすべてが集約した「ゲーミングベッド」(ビーズ株式会社)が話題を呼んだ。
虹色を格好良く見せたメーカーがいた
――ゲーミング=虹色に光るものとして一般認知され始めた理由は?
武藤:大手ゲーミングデバイスメーカーであるRazerさんの功績が大きいと思います。2014年頃に「Chroma(クロ―マ)」というマルチライティング機能、簡単に言うと自由に色を変えられる、虹色表現が可能な機能を持ったデバイスを出し始めたあたり。何よりものが格好良かった!そしてそのあたりから、一気にそのような流れが出てきた感じがあります。
▲Razer製品「RAZER BLACKWIDOW V3 TENKEYLESS」(公式HPより引用)
――虹色は下手するとダサさが出ますもんね。
武藤:そうなんです。みんなが「格好良い!」と思えるところまでデザインを昇華させたのは、本当に凄いことでした。そして他社製品を含めて、虹色に光るデバイスはスタイリッシュで格好良いという部分を世に広めた結果、今日のゲーミング=虹色という認知に繋がったんだと思います。
また、プロゲーマーが実際にゲーミングデバイスを利用している姿を見る機会が増えたのもの要因だと思いますね。
――虹色に光ることの魅力とは?
武藤:見た目が綺麗で、自分がゲームをプレイするときにモチベーションが上がる演出のひとつであることですかね。ロジカルな性能部分とは異なる、エモーショナルな部分。演劇の舞台装置みたいなものです。つまり、虹色はエモい!
――今日はありがとうございました! ちなみに、初めてゲーミングPCを選ぶとしたらどれがオススメですか?
武藤:スマホやゲーム専用機からPCに行くなら、PCならではのメリットが感じられる12~13万クラスのデスクトップパソコンがオススメですね。もちろんプレイするタイトルにもよりますが、それくらいを考えておくと十分だと思います。
弊社が販売している「GALLERIA(ガレリア)」だと、価格と性能のバランスが取れた「X-Series」から選んでみてはいかがでしょうか。公式HPからは、プレイしたいゲームや予算などからも選べますので、ぜひ参考にしてみてください。
【結論】
「ゲーミング○○」が虹色に光るイメージが出来たのは、虹色に発色できる格好良いゲーム専用デバイスが生まれたから!
あと、ユーザー側が受け入れられれば、どんなものにも「ゲーミング」と付けて良い土壌があるから!
――歴史の流れで生まれて、徐々に確立したものだった。そして、虹色はエモい。