〈オトナゲーム〉『The Last of Us Part II』発売記念!! ローカライズチーム特別インタビュー:ローカライズ編

旅を、見届けてほしい

――以前、谷口さんに、“ローカライズは日本語に対するこだわりこそ重要”とお聞きしましたけど、修正が多いとキツいですね。ぶっちゃけ、頭に来たりとか。
谷口:私は心穏やかな人間なので、怒ったりはしません。でも隣の席で石立が、しょっちゅう私の叫び声を聞いていたと思いますけど。
 
石立:まあ、ぜんぜん怒っていましたけどね(笑)。でもスゴいのは、翌日までは引きずらず、「昨日の部分、こんな風に書いてみたんだけど、どうかな?」なんて、ケロっと作業をしているところ。
 
谷口:あ、そうかもしれない。修正を見た瞬間は「うわあああ!!」とか言ってますけど、それでストレスが発散されているのかもしれないですね。
 
――まさに……“憎しみと愛”じゃないですか!
一同:(爆笑)
 
――でも今回は、人間の内面を穿つような物語が展開しそうですけど、ローカライズをするうえでたいへんだったことは?
谷口:『II』は“憎しみ”がテーマのひとつなんですけど、英語版のそれがあまりにもリアルすぎて、その感情表現にどう向き合うかが最大のポイントだったかもしれません。感情をぶつけてくるような英語の表現を、単純に直訳するだけではチープすぎて、説得力が出ないんです。そこで、「もしもいま、仲間が殺されるのを目の前で見ていたら……自分はどう反応するんだろう」なんてことまで考えて、突き詰めていきました。
 

▲『The Last of Us Part II』より

八巻:しかも主役級の人物だけじゃなく、脇役とか敵に至るまで人間像が描かれているので、谷口も大島も、そして演じた役者さんたちも、ものすごい労力をかけて作り上げていきました。
 
谷口:そうそう、脇役……いわゆるモブと呼ばれるキャラクターもたくさん登場して、彼らにもセリフがあるわけです。でもモブって、バックグラウンドまでは考えられていないので、私と石立、大島の3人で、ひとりひとりに性格や背景を付けていったんですよ。「これに即して、セリフの口調を変えていこう」ということで。
 

▲『The Last of Us Part II』より

――え!! そんなことまでされたんですか!?
谷口:はい、やりました! モブって基本、同じしゃべりかたをしちゃうじゃないですか? それがイヤだったのでイチから設定をつけてあげて、それをもとに役者さんに演じてもらったんです。
 
石立:こういう設定がないと、みんなゴロツキみたいになっちゃうじゃないですか。役者さんも、演じにくいですし。だったら、そのモブが持っている怒り、警戒心、不安などなどの要素を付けて、キャラを立たせようと。結果、一人のモブにつき約6000台詞というボリュームになり、他のゲームだったら主役級のテキスト量を持たせたと思います。
 

▲『The Last of Us Part II』より

――す、スゲぇ……。そんなところにまでこだわりが……。“見えないところも作る”って感じですね。
谷口:はい。せっかくリアルを追及しているゲームですから、私たちも手を抜かず、できる限りのことをやりましょうと。
 
大島:そういう意味で、最後まで妥協せずにやりきれたので、皆さんに遊んでもらうのが本当に楽しみなんです。
 
――それだと……達成感も格別ですね!!
石立:それが……最後のほうで締切が延びたりしたため、「今日で終了!! お疲れ様!!」という瞬間がなかったんです!(笑)
 
谷口:「ん? 終わったのかな??」という、中途半端な感じでしたね(笑)。
 
石立:八巻なんて、『The Last of Us Part II』が完成する前から別の作品も担当していたので……。
 
――八巻さん、別の作品と並行で作業していて、よくごっちゃにならないですね!
 
八巻:それは、まったく平気です! 「たくさん作業できて楽しいな!」って思っています。
 
一同:(笑)
 
――これ、プレイステーション5の時代になったら、もっと物量的にたいへんになるんじゃないですか?
谷口:どうでしょうね? 個人的には、あまり変わらないんじゃないかなと思っていますけど。プレイステーション3からプレイステーション4になったときはグラフィックが劇的に変化したので、ローカライズの作業にも影響が出ましたけど。
 
石立:そういう意味では、プレイステーション5になったら遠くにいるキャラの口パクすら見えるかもしれないので、それも考慮したセリフ作りをしなきゃいけない可能性はありますね。
 
――わかりました!! では最後に、『The Last of Us Part II』をプレイされるユーザーの皆さんにひと言ずついただければ。
石立:僕はこのメンバーの中だと唯一、前作の制作に携わった人間です。そんな自分から見ても、『The Last of Us Part II』は前作に劣る要素はひとつもありません。成熟したプレイステーション4用ソフトの底力を、ぜひ堪能していただければなと。とくに、前作で心をつかまれたファンの皆さん。前作は、遠足で言えば往路です。そしてこの『II』が帰り道となります。最後までプレイして、物語の帰着を確認してあげてください。
 
八巻:『The Last of Us Part II』は、ローカライズを担当した谷口や大島の魂が詰まっていると思います。一切の妥協なく、全力を注ぎこんだ作品となっておりますので、ぜひ、日本語吹き替えでプレイしてみてください!
 
谷口:先ほど“リアリティーに向き合わなければいけなかった”と話しましたけど、じつは台本を書いているとき、感情移入しすぎてしょっちゅう泣いていたんです。それだけ心を動かされるというか、感情が激しくなるというか……。とにかく、“訴えかけてくる”作品になっていると思います。最初から最後まで、ゲームに登場するキャラクターの物語を、しっかりと見届けてあげてください。
 
大島:ノーティードッグとしても過去最大規模の作品ですので、プレイヤーもすべてをやり切るのはたいへんだと思います。でも、見届ける価値はあるはずです。感情を揺さぶる演出や、声優さんたちの決死の演技……。すべての面において全身全霊を傾けましたので、多くの人に楽しんでもらいたいです。
 
――わかりました! これからたっぷりと遊ばせていただきます! 貴重なお話、本当にありがとうございました!!
 

商品概要
『The Last of Us Part II』

■対応機種:PlayStation®4、 PlayStation®4 Pro
■発売予定日:2020年6月19日(金)
■価格
Blu-ray Disc™版:希望小売価格:6,900円+税
ダウンロード版:販売価格 7,590円(税込)
■CERO:Z(18才以上のみ対象)
■商品内容:『The Last of Us Part II』ゲーム本編
 
『The Last of Us Part II スペシャルエディション』

■対応機種:PlayStation®4、 PlayStation®4 Pro
■発売予定日:2020年6月19日(金)
■価格
Blu-ray Disc™版:希望小売価格:8,900円+税
■商品内容
『The Last of Us Part II』ゲーム本編
48ページのミニアートブック(Dark Horse 社制作)
スチールブックケース
PlayStation®4用ダイナミックテーマ
アバター6種類のセット
デジタルサウンドトラック
デジタルミニアートブック(Dark Horse 社制作)
※これらは特典です。スペシャルエディションのプロダクトコードは2023年5月28日までにご使用ください。
 
『The Last of Us Part II コレクターズエディション』

■対応機種:PlayStation®4、 PlayStation®4 Pro
■発売予定日:2020年6月19日(金)
■価格
Blu-ray Disc™版:希望小売価格:17,900円+税
■商品内容
『The Last of Us Part II』ゲーム本編
48ページのミニアートブック(Dark Horse 社制作)
スチールブックケース
12インチ「エリー」スタチュー
リトグラフのアートプリント
エリーのブレスレット(レプリカ)
エナメル製ピンバッジ6種類のセット
ステッカー5種類のセット
PlayStation®4用ダイナミックテーマ
アバター6種類のセット
デジタルサウンドトラック
デジタルミニアートブック(Dark Horse 社制作)
※これらは特典です。コレクターズエディションのプロダクトコードは2023年5月28日までにご使用ください。
 
『The Last of Us Part II デジタルデラックス版』

■対応機種:PlayStation®4、 PlayStation®4 Pro
■発売予定日:2020年6月19日(金)
■価格
ダウンロード版:販売価格:8,690円(税込)
■商品内容
『The Last of Us Part II』ゲーム本編
PlayStation®4用ダイナミックテーマ
アバター6種類のセット
デジタルサウンドトラック
デジタルミニアートブック(Dark Horse 社制作)
 
■Blu-ray Disc™版早期購入特典
初回生産分は早期購入特典として、以下のアイテムのプロダクトコードが入手できます。
「装弾数増加」エリーが持っているピストルの装弾数を増やすアップグレードを解除します
「工作サバイバルガイド」工作サバイバルガイドを解除して、新たな作り方やアップグレードを利用できるようにします
※作り方・技能・アップグレードの解除には「部品」が必要です。
パッケージ内に同梱されるプロダクトコードをPlayStation™Storeで使用して入手します。プロダクトコードは2021年2月20日までにご使用ください。プロダクトコードのご利用にはPlayStation™Networkのアカウントとインターネット接続が必要です。

 
■ダウンロード版予約特典
『The Last of Us Part II』を予約すると、エリーのタトゥーをモデルにしたPSNアバターを入手できます。アバターが入手できるのは『The Last of Us Part II』の事前予約期間のみですのでご注意ください。
アバターは予約購入の決済が完了後、すぐに設定しご使用いただけます。
事前予約すると、アバターに加えて本作の発売時に以下の予約特典を入手できます。
「装弾数増加」エリーが持っているピストルの装弾数を増やすアップグレードを解除します
「工作サバイバルガイド」工作サバイバルガイドを解除して、新たな作り方やアップグレードを利用できるようにします
※作り方・技能・アップグレードの解除には「部品」が必要です。
 
■公式サイト:https://www.playstation.com/ja-jp/games/the-last-of-us-part-ii-ps4/

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