【プロセカ】ボカロPに直撃! “emon(Tes.)”さんが語る“モモジャン”と、オリジナル楽曲『メタモリボン』について!【ボカロPインタビュー企画 #32】

emon(Tes.)さんの曲作りに迫る!

 2020年9月のサービスイン以来、コロコロオンラインがひたすら追い掛け続けているセガ×Colorful PaletteのiOS/Android向けアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』。

 リリース当初からこのコンテンツを追いかけてきたコロコロオンラインプロセカ班は、2023年10月に『プロセカ』3周年を記念した大特集を実施するなど、担当からほとばしる圧倒的な“プロセカ愛”をカタチにし続けてきた。 

『プロセカ』3周年記念特集は下記の画像をクリック!!
 

 そんなコロコロオンラインプロセカ班がとくに情熱を注いで追っているのが、このゲームの根幹でもある楽曲……そして、それを制作されている“ボカロP”と呼ばれる“才能たち”であります!!

 “子どもが将来なりたい職業ランキング”において、ゲームクリエイターやユーチューバーらと並んでボカロPが上位にランクインし、コロコロの読者層との親和性もめちゃくちゃ高いということで、前述のプロセカ1周年特集の際にボカロ界のビッグネームにつぎつぎとインタビューを敢行!! その内容の濃さは業界内外に衝撃を与え、このたび……不定期連で、さらに多くのボカロPの皆様にご登場いただき、ナマの声をお届けできることになったのです!!

 『プロセカ』はゲーム内容はもちろん、楽曲のすばらしさが高く評価されて現在の人気を確立したと言っても過言ではない。それらを生み出したボカロPたちの考えかた、作品への向き合いかたを掘り下げたこのインタビュー連載を読まれることで、ゲームを遊ぶだけでは知りえない情熱や、楽曲に対する想いを知ることができるはずだ。その結果……さらに登場キャラやユニット、『プロセカ』そのもののことが好きになること請け合い!!

 そしてインタビューの後半では、“いかにしてボカロPになったのか?”という、将来この道に進みたいと思っている読者の皆様の道しるべになるような質問もぶつけているので、とにかくあらゆる人たちに読んでいただきたいなと!!

 さて今回ご登場いただくのは、“MORE MORE JUMP!”(モモジャン)にオリジナル楽曲『メタモリボン』を提供された“emon(Tes.)”さんだ。

 アイドルユニットらしく“衣装”にスポットを当てた斬新なイベントストーリー『Cast Spell on You』用に書き下ろされた『メタモリボン』は、オシャレでかわいらしい楽曲。作曲・編曲をemon(Tes.)さんが、作詞はemon(Tes.)さんの実兄である“Tudiken”さんが担当している。まさにモモジャンならではの優しい楽曲は、どのようにして誕生したのだろうか?

※インタビューはオンラインで実施したものです。

雫にもっと前を向いてもらえる歌詞に

--まずはたいへん恐縮なのですが、簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか!

emon(Tes.) わかりました! インターネットで音楽投稿を始めてからかれこれ16年で、ボカロPとしての活動も13年目になります。ボカロのほかにも、アニメやゲームなどに楽曲提供をさせていただいております。

--13年……というと、ボカロの歴史の初期のころから活動されているんですね。

emon(Tes.) そうですね。かなり早い段階で始めたほうだと思います。

--そんなベテランのemon(Tes.)さんですけど、『プロセカ』からオリジナル楽曲の制作依頼がきたときは、率直にどう思われましたか? 代表曲の『どりーみんチュチュ』をモモジャンが歌唱するセカイver.で収録されていて、すでに定着していたかと思いますが。

emon(Tes.) まさに、『どりーみんチュチュ』を収録していただいていたので、「いつかはオリジナルのお話も来るのでは……!」と心の準備はしていたんです(笑)。でも実際に依頼が来ると、うれしいのはもちろんなんですけど、ちょっと緊張して震えたことを覚えています。

▲2014年に投稿されたemon(Tes.)さんの代表曲『どりーみんチュチュ』。プロセカにも収録されており、巡音ルカとMORE MORE JUMP!が歌唱しているぞ!

--そもそも『プロセカ』にはどんな印象を?

emon(Tes.) じつはプレイはしていなかったんですけど、とにかくまわりが『プロセカ』の話をめちゃくちゃしていて。なので、(これはとんでもないコンテンツなんだろうな……!)という印象は、最初から持っていました。

--今回のテーマの『メタモリボン』はモモジャン用に書き下ろされた楽曲ですけど、彼女たちを初めて見たときはどんな風に思われましたか?

emon(Tes.) とてもわかりやすい、『プロセカ』の世界では唯一の正統派アイドルユニット……と、素直にその印象を受け止めました。同時に、なんとなくですけど自分が持つ曲の世界観と合いそうだな……という予感も覚えたんですよね。

--まさにおっしゃる通りで、『どりーみんチュチュ』をモモジャンが歌唱しましたが、見事にハマっていましたよね。曲の世界観であるバレンタインデーと、モモジャンのかわいらしさがシンクロしてきゅんきゅんでした。

emon(Tes.) ありがとうございます(笑)。いやあ、そう言っていただけるとうれしいですね。

--『メタモリボン』が提供されたイベントストーリー『Cast Spell on You』は日野森雫ちゃんがキーキャラクターですけど、彼女についてはいかがですか?

emon(Tes.) 過去の辛い経験を表に出さず、まわりに気を遣わせたりしない、強い心を持った女性というイメージです。たくさんの挫折や葛藤に直面してきたにも関わらずアイドルとして歩む道を選択し、しっかりと前を向いて挑戦しながら変わろうとする姿には、やはりブレない強さを感じます。

▲イベント『Cast Spell on You』の書き下ろし楽曲としてリリースされた。

--そこで、ぜひお聞きしたいのが『メタモリボン』のテーマです。この『Cast Spell on You』というイベントストーリーは一風変わっていて、話題の中心がモモジャンの“衣装”じゃないですか。ですので、方向性をどのように決められたのかが気になります!

emon(Tes.) これは、作詞を担当している僕の兄“Tudiken”と話し合いながら決めていったのですが、最初にふたりで話したのは“雫ちゃんにもっと前を向いてもらえる歌詞にしたい”ということでした。曲を作る前に資料をいただいて読み込んだんですけど、そこに“衣装で雫を生まれ変わらせたい”というイベントストーリーの目指す先が書かれていたのを見て、「ああ、これだ」と。我々も“生まれ変わる”をキーワードにして歌詞を考え始めました。その中で兄が「リボン」というフレーズを持ってきたので、これを中心に据えることはかなり初期のころに決めていたと思います。

--なるほど! リボンという単語を起点に考えられていった、と。

emon(Tes.) そうですね。だとすればその語感から、「アイコンはリボンしかないね」となり「生まれ変わる=Re Born」、「変身=Metamorphose」……からの、『メタモリボン』と曲名も決まっていきました。

--すばらしいなあ……! もう曲名の語感からして雫ちゃんぽいんだよなぁ……!(感動) それも含めて、『メタモリボン』ってすごく優しい雰囲気というか、透明感が際立っていると思うんです。この独特な柔らかさは、最初から意識されて?

emon(Tes.) そうですね。歌詞をもらいながら兄とふたりで、「こういう音作りをしていこうと」と話し合いながら作っていったんです。その結果として、あのような着地点になったんですよね。

--イベントストーリーのふんわりとした雰囲気、『メタモリボン』の優しさ、そして2DMVのとてつもないかわいさが三位一体となってヤバいんですよこの曲!

emon(Tes.) ああ、わかります(笑)。この2DMV、自分が想像していた以上のものが上がってきて、驚いたんですよね。

--数ある『プロセカ』の2DMVの中でもトップクラスのかわいらしさだと思いますもん……! さて、『メタモリボン』の作詞に関しては実兄のTudikenさんがご担当ということですけど、とくにお気に入りの歌詞があったら教えていただきたいのですが!

emon(Tes.) これ、兄とほぼいっしょだったんですけど、ふたつありまして。

--おお!

emon(Tes.) ひとつは序盤……というか最初に出てくるフレーズ、「何してるの?ミラーめっこ?」のところ。

--ミラーめっこ!! いいですよねここ!!

emon(Tes.) ありがとうございます(笑)。兄によると、ここはモモジャンのみんながライブ直前に衣装合わせをしている様子を、どこかおもしろおかしく表現できないかな……と思って考えた言葉だそうです。そしてふたつめが、「リリリボーン」です。これも兄が考えたフレーズなんですが、3つの意味が込められているんだそうです。

--ほう!! これは興味深い……!

emon(Tes.) ひとつは、曲のアイコンであるリボンを、魔法の言葉のようにしたかったそうです。ふたつめは先ほども出た“生まれ変わる”の「Re Born」。そして最後が、英語の「repeat」とフランス語で“良い”を意味する「bon」を掛け合わせて、「何回だって良くなる」という意味を添えたとのことでした。

--おおお……! 深いなーーー!!

emon(Tes.) 僕もこれを兄から聞いて、「なるほど! そうだったんだ!」と、ちょっと感心しました(笑)。


--でも『メタモリボン』は曲全体を通して、心地のいい言葉遊びが随所に散りばめられていると思うんです。サビがキレイに韻を踏んでいたり、“マスターピース”と“ラフアンドピース”が掛かっていたりとか。言葉選びが、非常に巧みだという印象を受けました。

emon(Tes.) ありがとうございます。そのへんも兄と話し合いながら、口の端に載せやすい言葉とか、耳に残り且つちゃんと意味が込められている歌詞を作りたいということで、最後までこだわった部分ですね。

--あの……。emon(Tes.)さんとお兄さんて、すごく仲のいい御兄弟って感じがしますね。

emon(Tes.) あーーー、そうですね! なんというか、お互いで持っているものと持っていないものがキレイに分かれている感じなんです。ですので楽曲作りに限らず、いろいろなところで補い合いながら活動しているんですよねー。

--僕もひとつ上に兄がいるんですが、地元で有名なくらい仲が悪かったので……(苦笑)。

emon(Tes.) あー、そうなんですね(笑)。

--ですので、すごくまぶしいというか、うらやましく思いました。

emon(Tes.) 確かに、あまり兄弟げんかとかもしたことがないかもしれません。

--いいご関係なのが、曲からもわかる気がします(笑)

emon(Tes.) あははは。ありがとうございます。

▲イラストと実写のカットが見事にマッチしているのもこのMVの見どころ!

--気を取り直して、ちょっといまの質問と被ってしまうかもしれませんが、ぜひ『メタモリボン』の聴きどころを教えてください!

emon(Tes.) アイドルということなので、やっぱりライブで盛り上がる風景をイメージしながら曲作りを進めていきました。たとえば、わかりやすいコール&レスポンスがあったり、先ほども言った耳に残りやすいフレーズをサビに持ってきたり……。このへんは、やっぱりこだわりですね。

--おっしゃる通り、すごく耳に気持ちいい曲なんです。リスナーの反応も、「これほどくり返し聴きたくなる曲も珍しい」なんてのもあって、emon(Tes.)さんの狙い通りになっていると思いました。

emon(Tes.) いやあ、よかった。そう言ってもらえて安心しました。

--そんな『メタモリボン』ですが、制作日数がどれくらい掛ったのか気になります。

emon(Tes.) だいたい……1ヵ月から1ヵ月半というところでしょうか。最初に言いましたけど、もともと持っている自分の音楽性とテーマが合っていると思ったので、そこまで頭を抱えて悩むようなこともなかったと思います。ただトラックのアレンジで、制作期間中に新しく取り入れた音源の使いどころとか、音作りの面で、ちょっと引っ掛かったところはありましたけど。けっきょく歌入れが終わってからも、確か納品ギリギリまでアレンジを詰めていた記憶があるので、そういう意味では自分たちを納得させるためにいろいろと戦っていたんだなと思います。

--おひとりでの曲作りって、我々素人も想像しやすいんです。ご自身で完結できますから。でもおふたりで作るとなると、だいぶ勝手が違うのかな、って。たとえば歌詞と曲のどちらを先に作るのかもそうですけど、emon(Tes.)さんたちはどんな感じで曲作りを進められるんですか?

emon(Tes.) ああ、確かに。でもこれ、答えとしては「どっちでもない」ってなっちゃうかもしれません。というのも、歌詞が先にあればそれに曲を付けるし、曲が先にできていたらそれに合わせて歌詞が生まれていくし……。同時進行で作ることもあるので、あまり型にハマってはいないと思いますね。

--『メタモリボン』のときも、同時進行な感じで?

emon(Tes.) そうですね! 兄が持ってきたフレーズに合いそうなメロディーを何パターンか用意して、それを繋ぎ合わせていったイメージでしょうか。

※MV画面はバーチャル・シンガーver.のものです。

--わかりました! そして、完成してゲームに実装されたわけですけど、それを初めてご覧になったときはどのように思われましたか?

emon(Tes.) うれしかったのは間違いないんですけど、それ以上に「ちゃんと受け入れてもらえるだろうか……!」という不安もかなりありましたね。

--プレイもされてみたのですか?

emon(Tes.) 兄が遊んでいるのを横から見させてもらいました。……じつは兄の娘さんが『プロセカ』が大好きで、そこからも情報を吸い上げたりしているんですよ(笑)。このインタビュー記事も、間違いなく読むと思います。

--あ、本当ですか! じゃあこの部分もしっかりと書かないと……!

emon(Tes.) あははは。ありがとうございます!

--ゲームに実装後、さまざまな反響があったと思うのですが、何か印象に残っていることは?

emon(Tes.) SNSでたくさんの反応をもらえたのはもちろんなのですが、自分が出演させていただくボカロのイベントで、『メタモリボン』を流したときの盛り上がりがすばらしくて……! そういうのを見ると、僕らの想像以上にこの曲は浸透してくれたんだな……としみじみと思います。

--リスナーの声で、「『メタモリボン』、エモい」というものがたくさんあるのを見て、「なるほど、エモいってのはこういうことを言うんだ!」って初めて理解できた気がしました(笑)。

emon(Tes.) あー、確かに! じつは“エモい”っていう言葉は、かなり昔からあるんですよね。それこそ20年くらい前から。“エモーショナルパンク”っていうロックのジャンルがあって、僕も学生時代に「エモいエモい!」って使っていたんですけど、当時の自分が使ってた「エモい」といまの若者たちが使う「エモい」って、若干意味が違うよな……って感じていたんです。でもいまのお話を聞いて、やっぱり芯はいっしょなのかな、って思いました(笑)。

--そんな、『メタモリボン』を聴いてエモくなっているファンに向けて、何かひと言お願いできますでしょうか。

emon(Tes.) はい。『メタモリボン』は自分でもすごく気に入っている曲なので、いつも聴いてくれてありがとうございます。うれしいです……といったところでしょうか。

--ありがとうございます! ではここから、将来の夢として「ボカロPになりたい!」と思っている人たちのために用意した質問にお答え願えればなと……! まずは……emon(Tes.)さんが、ボカロPになられたきっかけを教えてください!

emon(Tes.) 『メタモリボン』のバーチャル・シンガーver.の動画を作ってくれたYKSB君というクリエイターがいるんですが、いまから13、14年くらい前に彼の家に遊びに行ったときに、「最近、こういうのが出たんだよ」って教えてくれたのが、ボーカロイドの『初音ミク』でした。

--おお……!

emon(Tes.) そこから、「これはどうやって使うんだろう……?」と調べていくうちに、いまでも大好きなDixie Flatline(ディクシー・フラットライン)さんというボカロPが作られた『Just Be Friends』という曲に出会い、とてつもない衝撃を受けて……! そこから、徐々にのめり込んでいくようになりました。当時はボカロのプラットフォームと言えばニコニコ動画だったので、そこに自分の曲を投稿し始めてボカロPになった……という流れだったと思います。

--『初音ミク』に触って、すぐに使いこなせるようになったのですか?

emon(Tes.) 楽しさが勝っていたので、苦労したという記憶がないんですよね。じつはそれまでにも、他の音楽投稿サイトにインスト曲なんかをアップしてはいたんですけど、当時はボーカリストが見つからない問題に直面することがけっこうあったんです。そんなときに出会ったのが初音ミクというボカロだったので、「これこそ自分の役に立つものだ!」と直感したんです。

--そんなemon(Tes.)さんにぜひお聞きしたいのが、ボカロPになるために必要なスキルです! 何かヒントをいただけますでしょうか……! たとえば楽器とか、楽譜の勉強とかとか。

emon(Tes.) なんでもできるに越したことはないと思うんですが、いまの時代って、“何もできないところから何かができるようになるまでの過程”すら記録して発信すれば、それ自体が作品になったりするじゃないですか。ですので強いて言うなら、録音環境、配信環境はあったほうがいいかなと思います。

--なるほどなるほど!

emon(Tes.) でも極端な話、それもスマホ1台あればぜんぜん問題ないんですけどね。あとはもう、怖がらずにチャレンジする度胸さえあれば、なんとかなると思います!

--これは頼もしいアドバイス……! 音楽の勉強についてはいかがですか?

emon(Tes.) やっておくと、引き出しは増えるとは思います。でもそれにこだわるよりは、“自分が鳴らした音はいったい何なのか?”というところを深掘りしてほしいんですよね。それがけっきょく、音楽理論の勉強になると思うので。

--emon(Tes.)さん自身は、小さいころから音楽に触れてこられたのですか?

emon(Tes.) 僕は、兄が中学に入った記念に買ってもらったギターを弾かせてもらったのが、初めての音楽経験でしたね。そのとき、確か小学校6年か中学1年だったと思います。

--そこからのめり込んで。

emon(Tes.) そうなりますねー。

--もうひとつ、ぜひお聞きしたいのが、ボカロPになってよかったこと。具体的に、何か思いつくことはありますか?

emon(Tes.) それはもう、“いまを楽しめていること”でしょうか。そもそもボカロPになっていなかったら、こうしてインタビューを受けることもなかったわけですしね。交友関係も生活そのものも、まったく違ったものになっていたでしょう。加えて、ボカロをきっかけに“何かをやってみること”の大切さを実感できたのも大きかったと思います。

--交友関係というところでは、ボカロPどうしの横のつながりもけっこうあるんですか?

emon(Tes.) そうですね! 僕が仲がいいのは、“みきとP”(Leo/needに『Peaky Peaky』を書き下ろし)さんと“てにをは”(25時、ナイトコードで。に『ザムザ』を書き下ろし)さん。どちらも『プロセカ』に名曲を書き下ろされていますね。……言われてみると確かに、そういう横のつながりが生まれたことも大きいですね。ボカロPになってよかったと思える瞬間のひとつだと思います。

--では……将来ボカロPになりたいと思っている全国の少年少女に向けて、先達としてエールをお願いいたします。

emon(Tes.) そもそも自分も、「ボカロPになりたい!」と思って始めたわけじゃないので、ちょっとおこがましいんですが(苦笑)。なので言いたいのは、「ボカロだけに囚われる必要はないよ」ということ。音楽を軸に、直感で自分が楽しめそうなことを見つけて、どんどん学んでいけばいいと思います。ちょっと極端な言い方かもしれませんけど、好きなことって、あまりマジメにやっても仕方ないよな……と個人的には思うんです。好きなことは、好きなように向き合うのがイチバンですから。ボカロPなんて、なろうと思えばいつでも、誰でもなれるので、慌てずにゆっくりと、自分の好きなものを探してもらいたいですね。

--この流れでお聞きしたいんですけど、作った作品を世に発表するのが恥ずかしい……という子も多いと思うんですけど、この恥ずかしさを払拭するための方法って、何かありますかね?

emon(Tes.) 確かに、よくよく読むと歌詞の8割から9割は恥ずかしいことですからね(笑)。でも、自分が思っている以上に他の人は、作った方の人となりにまで興味を持たないので、気にせずに作ればいいと思うんです。逆に、ふだんの会話では絶対に言えないようなことも、曲にするからこそ世に出せる……という面もあるじゃないですか。

--ああ、確かに!

emon(Tes.) ね。ですから、大丈夫です。いくらでも恥ずかしいことを、曲に乗せて発信していきましょう

--わかりました! すごくいいヒントをもらえたと思います! そして、これが最後の質問なのですが、ぜひ『プロセカ』にもひと言お願いできますでしょうか。

emon(Tes.) すでに伝説的なコンテンツなので、特別言うこともないんですけどね。でも、その伝説を何重にも上書きしていってほしいです。応援してます!

--ファンとしては、今後もemon(Tes.)さんの書き下ろし楽曲を期待したいです。

emon(Tes.) ぜひぜひ。お声掛けいただければ、いつでも全力でやらせていただきます!!

--期待しております! 本日はお忙しい中、本当にありがとうございました!

 

emon(Tes.)

2010年よりVOCALOIDプロデューサーとして活動開始

「Heart Beats」等の「踊ってみた」やMMD動画にて人気を誇る楽曲の他「Shake it!」 「どりーみんチュチュ」「ラッキー☆オーブ」等Youtubeで1000万再生を超える人気楽曲も持つ。

また作詞家・作編曲家として、少女終末旅行EDテーマ「More One Night」、緋弾のアリアAAEDテーマ「パルス」をはじめ、蒼き鋼のアルペジオ、モンスター娘のいる日常、けものフレンズ、等へのキャラクターソング提供や、A3!、Tokyo 7th シスターズ、CHUNITHM、crossbeats、プロジェクトセカイ等へのゲームBGMの制作や音楽ゲームへの楽曲提供、他、アーティストの楽曲リミックスや編曲、そして自身のDJ等幅広い分野で活躍中

 

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ボカロPインタビュー連載

 

1周年ボカロPインタビュー

 

 

タイトル概要

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

■対応OS:iOS/Android

■App Store URL:https://itunes.apple.com/app/id1489932710

■Google Play URL:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sega.pjsekai

■配信開始日:配信中(2020年9月30日(水)配信)

■価格:基本無料(アイテム課金あり)

■ジャンル:リズム&アドベンチャー

■メーカー:セガ/ Colorful Palette

■公式Twitter:https://twitter.com/pj_sekai