デュエル・マスターズ 秘蔵イラストも公開!! イラストレーター制作秘話リレー『風太郎さん』第2回


~『デュエル・マスターズ』イラストレーター風太郎さん直撃インタビュー!~

『デュエル・マスターズ』に携わりイラストレーターとして世界観を確立してきた風太郎さんのインタビューも今週で2回目。「卍デ・スザーク卍」と「卍月 ガ・リュザーク卍」の裏設定など、深~いお話を根掘り葉掘り聞いてきました!

──「卍デ・スザーク卍」と「卍月 ガ・リュザーク卍」には裏設定が存在すると聞きました。どのような設定なのでしょうか?

風太郎:デ・スザークの内部に見える骨なんですが、ちょっとというかかなりおかしいんですよ。骨格も鳥のそれでは無いですし、よく見るといくつかの場所で余ってる骨もみえたりと…。
それがガ・リュザークになると体も出来てきて、ほとんどの個所では骨も見えなくなっています。進化したその姿は鳥?といった感じですが、今後はどうなるのでしょうね?
また、ガ・リュザークのデザインなんですが、デ・スザークの時に制作したボツ案からも引っ張ってきていたりします。下半身なんかはボツ案を再構成したのがわかりやすいんですよ。
ボツ案自体は今見ると弱そうなのでボツになってくれて良かったと思いますが、形を変えてまさに不死鳥のごとく蘇ってきてくれました。


▲デ・スザーク


▲ガ・リュザーク 通常版

より裏設定っぽい事と言えば、これはけっこう色んな方が考察したり連想したりしてくれたのを見かけたのですが、デ・スザークと「暗黒王デス・フェニックス」、ガ・リュザークと「神滅竜騎ガルザーク」の関係性についてちょっとお話を。


▲暗黒王デス・フェニックス

最初に言っておくと、彼らは公式の設定上は無関係…のはずです。少なくとも自分の知っている範囲でとはなりますが。ですが、イラスト的には少し関係があったりします。
デ・スザークの発注を頂いた時にはまだドルスザクといった種族名はなかったのでそれはドラゴンを超える不死鳥(=フェニックス)のような存在とされていました。自分の中で、闇文明かつフェニックスといえば彼しかいない!と真っ先に参考にしたのがかの「暗黒王デス・フェニックス」でした。
なのでデ・スザークの尾羽?やそのポーズはデス・フェニックスから頂いています。今見てもカッコいいですよね、デス・フェニックス…!
次にガ・リュザークとガルザークなんですが、こちらも少しですが関連があったりします。
ガ・リュザークの頭の側面に4本の角があるんですが、あの角はガルザークからモチーフを頂いています。4本の角は闇文明のマークにもあるのでいつか入れたいと思っていました。
ガ・リュザークをデザインする際に胸の黒い太陽にも何か変化を持たせたいという事で、実際にはやりはしなかったものの太陽から突起物を生やそうかと思っていた事もあります。そうなると意識しすぎたものとなるので行いませんでしたが。
よく話にあがる2体との繋がりは直接的なものではありませんがこうなっています。
闇文明は死の概念が特殊なので、幾万年もの間に姿形を変えて何かが受け継がれているのかもしれませんね。以上がイラスト側の裏設定となります!

ちなみに制作中はどちらのマスターも名前は決まっていなかったので、最終的に名前が似た物となったのは自分でも驚きましたね。モチーフに取り入れた事は特には伝えていなかったので、分かる人には分かるのかもしれない…と開発部の方々のセンスに密かに驚いていました。

──今回のイラストでの注目ポイント、また苦労された点はどこですか?

風太郎:やはりデ・スザークの時より凶悪になったその姿に注目していただきたいですね!
実物のカードだとどうしてもテキストなどに隠れたりはみ出したりしてしまっているのですが、派手さはデ・スザークを遥かに超えていると思います。ガ・リュザークのイラストは逆襲のギャラクシーのボックスの中に入っている仕切りのデザインにも使われているので見てくださると嬉しいです。
他にも新たにデザインを行った無月の門・絶も注目ポイントのひとつですね。グロくならないように、でもちょっと気持ち悪目で攻撃的なデザインにしています。イメージとしては黒い太陽をモチーフとした門にしてガ・リュザークの揺り籠となる物…という感じで描かせてもらいました。
また、マスターカードの特徴として豪華な箔の加工がありますが、デ・スザークに引き続きガ・リュザークもイラスト側の箔のデザインをやらせていただいております。シークレット3番の卍・獄・殺の稲妻のような箔が特に気に入っていますね!門の中の箔もよくみるとガ・リュザークの翼の外骨格が描かれているんですよ。


▲ガ・リュザーク シークレット版3番

苦労した点と言うと「まだまだ強くなるけどまだ100%のパワーではない超強いボスクリーチャー」というのを意識していたため、どういうデザインにしていいのか非常に悩みました。最終的に彼がどうなっていくかはまだ分かっていなかった部分もあったので、余計にですね。最初に出した案で方向性は悪くはなかったみたいなんですが、いざ描き始めるとあまり強くなさそうだったりと…。描きながら何度も修正を繰り返していました。
成長した事で体型が変わってきたとはいえ鳥型のクリーチャーでしたので、デザインが横長になりやすくてカードフレームの外に肝心の翼がいってしまったりもしてしまいました。最初はガ・リュザークを横に向けて少しでも入るようにしようとしたら、マスタークリーチャーとしての威厳が薄くなってしまったりしたため、最終的には今の正面を向いたポーズで落ち着きましたね。
顔がある程度しっかり見えるサイズで、マスターとして堂々としたポーズ、ツインパクトのため画面下部は隠れるけど重要な部分は見せたい…など、今回は描いていく上での制約はどうしても多めで難しかったです。

次回は『デュエマ』イラスト制作を続けてきた過去約5年間の思い出、今後描いてみたい作品について聞く最終回。お楽しみに!!

風太郎(ふうたろう)
1993年1月31日生まれ、愛知県出身、O型
フリーのイラストレーター。デュエルマスターズ他、複数のソーシャルゲームなどでモンスター・アイテム等を制作。
デュエル・マスターズでは「卍 デ・スザーク 卍」や「テック団の波壊Go!」等を担当。
好きなカードは「爆竜ストームXX<天地爆裂>(P57/Y9)」

 

次回は8/3(金)更新!!