発売前夜に
ついに……!
この日がやってきてしまった!!
数年に一度、世界中のゲームファンが迎えるという“約束の日”。そう、今日は、なんと……!!
プレイステーション5の発売前夜だぁぁぁぁあああ!!!
「それ当日のテンションだろ!!www」
って言わないで。
俺がこの立場(ゲーム記者ね)でプレイステーションファミリーの最新機の発売日を迎えるのは……ざっくりと、
・初代プレイステーション
・プレイステーション2
・PSP
・プレイステーション3
・PS Vita
・プレイステーション4
に続いて……7機種目か!! しかも初代プレイステーションは俺がファミ通に入った年と同じ1994年発売なので、この業界においてはいわば、
「花の同期!!」
ということになる。いやあ、長い付き合いになったもんだなあ。
そんなプレイステーションファミリーの末っ子にして最強のマシン、プレイステーション5が、いまから数時間後の2020年11月12日に店頭に並ぶ。……いや、初回販売分は見事に予約で埋まってしまったようなので“店頭に並ぶ”という表現はおかしいのか。でもこんな細かな文言でいままで悩んだことはなかったよな。当日販売分がないって、どれだけ人気やねん。長いゲーム業界の歴史でも、こんなことはまずなかっただろうに……。
ちなみに俺も無惨なまでに抽選でハズレまくり、自宅で遊ぶ“俺用”を確保できなかった。いままでプレイステーション系のハードはほぼすべて発売日に買ってきたのに……ついに連続記録に土がついてしまうことになりそうだ。嗚呼……。なんてこった……。
なので今回のゲームも、他のプレイステーション5用ソフトのレビューや日記もすべて、編集部まで行った上で遊んでいるものということを最初に明記しておきますw
リビッツが躍動する!
さて、いよいよ本題に入るとするかな。
今回、俺が遊ばせてもらったゲームは、プレイステーション5と同時発売になるソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のアクションゲーム『リビッツ!ビッグアドベンチャー』であります!
同日にプレイステーション4版も発売されるが、遊んだのはプレイステーション5版だ。せっかくなので、より美しく、より速いであろうゲーム世界を体感させてもらおうではないですか!!
『リビッツ!ビッグアドベンチャー』は、プレイステーションではおなじみのシリーズ『リトルビッグプラネット』の主人公である“リビッツ”が躍動するアクションゲームだ。「冒険の舞台は、雪まみれの山、鳥が歌うジャングル、海の底の王国や宇宙など全6ステージ。新しく加わったパワーアップアイテムを駆使しながら、クラフトワールドのピンチを救う冒険に出かけましょう」(公式リリースより)ということで、かわいらしくもギミック満載なステージで、チョコマカと躍動するリビッツのアクションを楽しめるゲームになっているようだ。
ではさっそく、ゲームを起動してみよう。
まずは、導入のストーリー。クラフトワールドが“ヴェックス”に支配され、それを取り戻すためにリビッツが立ち上がった……という物語が、超絶美しいグラフィックのもとで展開される。
リビッツの肌の毛糸、リアルすぎかよwww ウチは家のアチコチにネコのおもちゃ用の毛糸玉が転がっているんだけど、現実のそれらよりも毛糸が毛糸だぞ(何言ってんだ)。
そしてすぐに最初のステージに飛ばされるんだけど、ここで“あること”に気付く。
「なんかすんなり来ちゃったけど……ロードがまったくないなコレもw」
プレイステーション5版の『スパイダーマン:マイルズ・モラレス』や『アストロプレイルーム』を遊んだときも思ったけど、
「ハイハイ、ここでロードだよね。わかってんねん」
と、ゲーム好きに刷り込まれている“ロードがあろうはずのタイミング”で、それが……まったくない。いや、厳密にはデータのロードを行っているんだろうけど(たぶん)、高速SSDによる超スピードな読み込みでプレイヤーにソレを感じさせず、すべてがシームレスに進行しているように見えるくらい“継ぎ目がなく”遊び続けることができるのだ。しかも、
「『リビッツ』はこれくらいにして、『アストロプレイルーム』にするかな」
とアプリケーションの切り替えを行っても、やはり待ち時間はほとんどなく別のゲームに飛べるのだ。この調子ですべてのゲームが“ロード時間”の呪縛から解放されたら……もうそれだけで、
「プレイステーション5、エラすぎ!!」
と手を叩きたくなると思うね。
純粋無垢なゲーム
そしてゲーム自体も……やっぱりよくできてるんだよコレがw
起伏に富んだ立体的なステージはギミックが満載で、リビッツのくり出す超多彩なアクションとのシンクロ具合がじつに気持ちいい。
「ここでは……この操作だよな!」
とくり出したアクションがハマって難所を突破したときのカタルシスは、かわいらしい見た目のゲームとは思えないほど“ガチ”なものがあり、つい「先へ! つぎのステージへ!」というモチベーションを生み出してくれる。
ポップでキュートな世界観なので、俺のようなおっさんプレイヤーからすると、
「あまりにも……かわいらしすぎてな^^;」
と、逆にプレイまでのハードルがある気がするが、そんなところで手を止めてしまったのではもったいなさすぎる。
ハードの性能が上がるのに比例して、ゴテゴテといろいろな要素が盛り込まれた重厚長大なゲームが目立つようになったが(そういうゲームも大歓迎だけどな)、シンプルに、“楽しい”こと、“笑える”こと、そして“アクションゲームである”ことを追求した『リビッツ!ビッグアドベンチャー』のようなタイトルは、もっともっと評価されていい。
『リビッツ!ビッグアドベンチャー』は、“純粋無垢なアクションゲーム”だ。
難しいことは考えず、ただただゲームの楽しさに身をゆだねていた少年時代にもどって、ワイワイキャアキャアとこのゲームを楽しみたいと思いました。
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
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