マジメなコアラ
いまや島で3番目の古参メンバーとなった、コアラの“アデレード”から引っ越しの打診をされた……と前回の日記で書いた。
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正直、ルックス的には、コアラはそれほど好きなどうぶつではない。『あつ森』でも、リアルでも。なので、いまから4ヵ月前の3月28日に、5番目の住人(ヒノコ・アーサー→アンチョビ→ナッキー→アデレードの順だった)としてコアラが現れたとき、俺の落胆は小さくなかった。
甲斐甲斐しく部屋の掃除をする“正統派コアラ”のアデレードを見て、俺はシミジミと思ったものだ。
「モロにコアラだな……。アデレードって名前だから、オーストラリア系だとは思ったが……。だったらウォンバットか、タスマニアデビルでよかったのに……」
アデレードのマジメを絵にしたような性格も、当初は何の面白みも感じなかった。
「学級委員長か!!!」
と、何度呆れて突っ込んだことか……w
彼女はどこまで行っても、マジメ一徹だった。
特徴的などうぶつたちの中にあって、“いい子”であることはややもすると没個性にもつながりかねないが、それも……徹底して貫けば立派な個性になることを教えてくれたのは、誰あろう、アデレードだったのではあるまいか。
リアクションを教えるときも……控えめ。
4月12日の誕生日のときはさすがに弾けていたけど、
それ以外のときはつねに1歩引いたポジションにいて、ニコニコしながらほかのどうぶつの動きを見守っていた……という感じだった。
そう、まさに学級委員長だったのだ。ルナステラ島の、アデレードは。
さらば! コアラの学級委員長
そんな、いまではしっかりと自分の定位置をつかんだアデレードが引っ越しの打診をしてきて、俺は言下に却下した……という話を前回書いた。
引っ越しを回避したときは、さすがにちょっとホッとしたよ。
「ふうw まさかアデレードに引っ越しの相談をされるとは思ってもみなかったわw あぶねーあぶねーw まだここにいてもらわにゃ困るよw」
ってね。
これで、この話は終わるはずだった。アデレードも、そんな話をしたことは忘れたと思っていたのに……。
なんと、その日の夕方のこと。
再びアデレードがフキダシを出しながら歩いているのを見かけたので、俺は気安く話し掛けた。
「今度こそ、口癖とか俺のニックネームに関する相談だろうなw」
そう思いながら。
ところが……。
悩めるコアラの学級委員長は、再度俺に↓こんな相談をしてきたのである。
え………………。
ま、また、引っ越しの打診……?
おおお、同じどうぶつが続けざまに「出て行きたい!」なんて言うことがあるの……!? ア、アデレードの引っ越し話は、もう終わっていたんじゃないのか……!?
これには驚いた。引っ越しフラグは完全に消えたと思っていたので、青天の霹靂もいいところであったよ……。
思い返すと、1回目の引っ越しフラグを断ったあと、俺はゲームをセーブせずにNintendo Switchの電源を落としたような気がする(スクショが入ったSDカードを抜くために、たびたび電源を落としているのです)。なのでアデレードの「島を出たい」という想いはくすぶり続けていて、再び俺に直談判してきたのでは……。
さすがに2回も続けざまに相談されると、こちらの気持ちも揺らぐ。
そうかそうか……。そんなにこの島を出たいのか……><
学級委員長がいなくなるのは、誇張ではなく寂しいことだ。それは間違いないんだけど……!
ここは……やっぱり本人の想いを尊重しよう。三顧の礼じゃないけど、2回もそう言われたら、強引に引き留めることはできないわ。
俺は……古参のアデレードの願いを聞き入れた。
「ううう……><」
うなだれる俺に、アデレードはやっぱりマジメに声を掛けるのであった。
それから数時間後。
再び『あつ森』を起動した俺は、何事もなかったかのように歩いているアデレードを見つけて、またまた声を掛けてみた。すると……。
あ……!
これ、もしかしたら、またもや引っ越しフラグは回収されず、すべてなかったことになってる系じゃね???w
そんなことを予感させるアデレードのあいさつだったが、話を続けると……。
そっか。そうだよな。やっぱり……旅立つんだよなーーー!!><
3度目の奇跡は起こらず、翌々日の早朝に“コアラの学級委員長”はルナステラ島から巣立っていった。
……またな、委員長!! いつかまたこの島に凱旋してくれよな!!><
さあ、いつまでも感傷に浸ってるわけにはいかないぞ。
旧アデレード邸に……ステキなどうぶつを招かねば!!w
続く。
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『あつまれ どうぶつの森』公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/index.html
※ゲーム画面はNintendo Swicthソフト『あつまれ どうぶつの森』のものです。
© 2020 Nintendo
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