地獄の2択
俺が思う『どうぶつの森』シリーズの最大の楽しみは、どうぶつたちとの新たな出会いだ。いまから19年も前に発売されたシリーズ1作目からその思いは変わらず、当時も村にやってくる新たな住人を見てはいちいち、
｢ぐは！！！ またカバが来た！！！＞＜｣
｢やっぱりネコ系はかわいいなあ＾＾｣
なんて、一喜一憂をくり返していたのである。
そして、2020年4月－－。
キャンプサイトに、俺のオヤジを髣髴とさせる水色のモミアゲクマがいる。
申し訳ないが……我がルナステラ島に、来てほしくない。平均年齢を上げるのは、俺だけで十分だ。
本当にイヤだったので、｢無視してりゃ、そのうちいなくなるだろ｣ってんで徹底してシカトを決め込んでいたんだけど、このクマ、足が鉛ででもできているのか一向に動こうとしなかった。そこで仕方なく、
｢ここは下手に出て……丁寧に説得して、お引き取り願おう。お互いが傷つかないためには、離れてもらったほうがいいのだ｣
というわけで意を決して話し掛けたところ……。
……ん？ なんか……ひとりで盛り上がり始めたけど。
え。そんなこと、全世界の誰ひとりとして思ってないけど。どうしてそんな勘違いをしてしまったの？？？
うーん、やっぱりここは、ちょっとキツめに言わないとダメだな。態度じゃ伝わらないヤツって、どこの編集部にもいるからなー！！（ピンポイントだな）
しかし、つぎの画面に出た選択肢を見て、俺はきっかりと7秒くらい心臓が止まった。
(((( ；ﾟДﾟ)))じ、地獄の2択……ッ
これほどの無力感を感じたこと、ここ5年くらいで1回もなかったわ（苦笑）。
噛み合わない会話
けっきょく、俺は押し切られてしまった。だって、どっちかを選ばないとここから1歩も動けないんだもん！！！
オノレの気持ちとは180度違うことを仕方なく回答すると、モミアゲクマはひと言、
よくねーよ。そんなこと1ナノミクロンも思っていなかったんだよ！！！（泣）
しかし、俺の気持ちとは裏腹に、話はどんどん進む地獄。調子に乗ったモミアゲクマ、さらに俺に要求する。
ヤだよ。絶対やらねーからなそんなこと。
……しかし、またもや地獄の2択が現出する。
(((( ；ﾟДﾟ)))おおぅ……も、もうアカン……
俺はここで、強く言いたい。この選択肢を考えた『あつ森』の開発陣に、パワポで作った資料を提示しながら小一時間ほど問い詰めたい！！！
｢｢まかせといて！｣と｢別にいいよー｣って、どっちも同じですからぁぁあああ！！！（号泣）｣
1回くらい断らせてくれ！！！ｗ
あいつがやってくる……
モミアゲクマに押し切られたショックを引きずりながら案内所のたぬきちのところに戻ると、能天気タヌキがこんなことを言ってきた。
ここでも、地獄の肯定2択。選びながら、口ではまったく違うことをブツブツとつぶやく。
｢1000回断った。別の島がいいですよ、ってな。島民代表として、断固として拒否した｣
しかし、話は進む。
もはや意識朦朧としながらハウジングキットを受け取り、仕方なく、よく幽霊が出る（ゆうたろうだけど……）針葉樹の林の中にポツンと1軒家を建ててきた。
そして、ついに……。
ああ…………。
あああああああ…………！！！ もうダメだぁぁああああ！！！！ｗｗｗ
粘りに粘ったけどけっきょく、ルナステラ島6人目のどうぶつは、モミアゲクマのベアードさんになってしまったのだった……ｗ
続く……。
大塚角満の『あつ森』おもしろガイドも更新中
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| 大塚角満（おおつか・かどまん） 1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部！”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか！』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。 |
『あつまれ どうぶつの森』公式サイト：
https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/index.html
※ゲーム画面はNintendo Swicthソフト『あつまれ どうぶつの森』のものです。
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