【スプラトゥーン】トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!! あとばる×ルオカ団長が語るナワバリバトルの極意~3~

トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!!
【あとばる×ルオカ団長 第3回】

あとばる×ルオカ団長による対談第3回目!
 
今回はふたりが考える「トップレーヤーになるために必要なこと」とルオカ団長の所属チームである”〆る者達”のブキ編成について聞いてみたぞ。今回もタメになる話題が満載だ!
 
「第5回スプラトゥーン甲子園」九州地区大会 DAY2

 
ルオカ団長選手が所属する”〆る者達”が優勝した「第5回 スプラトゥーン甲子園 九州地区大会 DAY2」は上の動画で見ることができるぞ。
 

あとばる
驚異的なエイム力を持つカリスマプレーヤー。「第2回スプラトゥーン甲子園」では、不利な状況から相手を次々と倒す神がかり的なプレーを連発し、優勝に大きく貢献。H3リールガンの名手としても知られ、彼の影響でH3リールガンを使い始めたプレーヤーも多いとか。おもな実績は「第2回スプラトゥーン甲子園」優勝、「第4回スプラトゥ-ン甲子園オンライン代表決定トーナメント」優勝など。チームLibalent Calamari(リバレントカラマリ)所属。
ルオカ団長
「第5回スプラトゥーン甲子園2020  九州地区大会DAY2」を優勝した「〆る者達」のリーダー。『スプラトゥーン』のプレーヤーの中でも屈指の理論派として知られ、ステージやルールに合わせた柔軟な戦略でチームを勝利に導く。また、「第4回スプラトゥーン甲子園2019 近畿地区大会」では、自身が監督を務めた「ぽぽじろう学園高等部3年A組」が優勝するなど、選手としてだけでなく指導者としても優れた手腕を発揮。まさにナワバリバトルの勝ち方を知り尽くしたプレーヤーといえる。

 

トップレーヤーになるためにもっとも求められる才能とは?

──ルオカ団長選手は監督という立場を経験して、それはプレーヤーとしても「糧になった」と感じたりしますか?
ルオカ団長:実を言うと、僕は『1』のころから似たような立ち位置で、ぽぽ学( ぽぽじろう学園高等部3年A組 )は、僕がそういう人物だということを知っているから聞きに来たというのもあるんです。
 僕自身は対面力が低いので、「『スプラトゥーン』は考えて勝たないといけない」という話をしていて、チーム単位での連携を『1』のころからすごく意識していたんですよ。
 チーム単位の連携とか動き、ブキの有利・不利の相性とか、そのブキ見なくていいとか、見てほしいブキだけ言ったりとか。それもあって大会では自分の実力のわりにはいい成績が出ていたかな、と。
 
──もともとのご自身のプレーヤーとしてのスタンスが、監督やアドバイザーのような立場にも結びつきやすかった。
ルオカ団長:そうですね。「今回、監督を経験したから」というわけでもなく、もともとやってきたことの延長線上という感じですね。
 
──基本的に戦略や理論をしっかり考えていくタイプなんですね。
ルオカ団長:ただ、自分の考えを凝り固まり過ぎないようにしようというのは意識しています。ですから他の方……たとえば、ふーみそんさんの考えとかも全部聞きますし、上位にいる強い人たちの意見も参考にしています。そうすると、ある部分で全員が統一した「これ」っていう意見が出てくるんですよ。
 話を全部重ねたときに、全員同じことを言っているというのがあって、「それは絶対それなんだろうな」というのがある。そこについては全部拾っていきますけど、なるべくいろんな考え方を取り入れて総合的に判断するようにしていますね。
 
──普段から編成や戦略のトレンドなどもしっかり情報収集して、自分にフィードバックする?
ルオカ団長:そうですね。いろんな意見を聞くことで、自分自身やチームのなにが問題なのかもなんとなくわかりますし。
 
──ルオカ団長選手は『スマブラ(大乱闘スマッシュブラザーズ)』の世界大会でも4位の実績があります。それも踏まえて、トッププレーヤーになるためにはどういうことを意識して練習していくといいと思いますか?
ルオカ団長:うーん、メッチャ難しい質問ですけど……最上位になるためには才能が絶対必須なんですよね。やはり努力だけじゃどうにもならない部分が出てくる。ただ、努力でもなんとかなる部分というのが、「長所を伸ばすこと」だと思うので、それをまず自分で意識して、褒められたところを覚えて、怒られたところとか注意されたところを覚えて、それを繰り返して、褒められたところが毎回同じなら、それが自分の長所なんです。
 その長所をひたすら伸ばして、短所は若干意識してちょっとずつ修正していくのが大事ですね。あとは全試合、向上心を持って臨むことが大切です。人って、なにか目的がないと伸びないんですよ。「やっていれば伸びる」というのはちょっと間違っていて、野球なら「今日は変化球の練習をしよう」とかやるわけじゃないですか。ただボールを投げているだけじゃないですよね。
 バッターでも「今日は外角を打つ練習をしよう」とか、そういうことをやっていると思うんです。そういう感じで目的を持って、向上心を持って毎試合挑むというのが上達のきっかけになるんじゃないかな。なあなあで試合を繰り返すというのは、成長に繋がらないのかなと思います。
 


▲しっかり課題をもってプレーしていくことが上達への近道だ。

 
──「今日はこういうことをできるようにしよう」ということを考えてプレーしていくことが大事になる。
ルオカ団長:僕ってたぶんゲームが楽しいタイプじゃなくて、ゲームの中で自分が成長していくのが楽しいタイプなんですよ。ゲームに限らず、やっぱり自分が成長している実感があるとなんでも楽しいじゃないですか。
 
──「これができるようになった」というのが楽しくて、それをずっと続けていって、そのために「どうすればいいのか?」ということを考えているから、戦略とかそういうものに行き着く?
ルオカ団長:そうですね。僕の中では戦略というほど大袈裟なものとは捉えていないんですけど、自分の弱点を克服しようと考えながらプレーしていたら、いつの間にかこんな感じになっていたという(笑)。
 
──あとばるさんはどうでしょう? 上手くなるために必要なこと。
あとばる:前提として、もちろん才能はあると思うんですけど、エイムとかって、やっていれば身につくんですよ。最初から上手い人はセンスだったり才能だったりだと思うんですけど、そこで求められる才能って「努力できる才能」って言葉がありますけど、「時間をかけられる」ってことなのかなと。
 僕なんか『1』は2000時間くらいやっているんですよ。2年くらいで。単純計算で、毎日やったとして1日3時間くらいやっていることになるので。まあ、そう思うと「頭がおかしい」じゃないですか(笑)。それで、「気付くと上手くなっていた」という感じなので、やっぱり「夢中になれる才能」は必要かなと思います。
 
ルオカ団長:それはありますね。
 
あとばる:「飽きずにやれる」というのは「強いな」と思いますね。それで、その時間をただなあなあでやるんじゃなくて、さっきルオカ団長さんも言いましたけど、自分の成長を実感できる過程だったりとか、考えながらやったことで「できた!」と気持ちよくなれるプレーヤーはおのずと伸びますし。
 なんにしても、せっかくやるんだったら考えながらやったほうが、伸びが早いですよね。なので、いまから「俺はトッププレーヤーになるぞ」と思いながらプレーする人は、考えなきゃいけないですよね。その考える知識を得るために、時間をかけてプレーしないといけない。まず土台作りから始まるので。とにもかくにも楽しんでやれないといけない、という感じですかね。
 
──自分のなにが長所でなにが短所かを知るためにも……。
あとばる:まずやらなきゃいけない。
 
ルオカ団長:英単語が読めないのに「この英文読みたいです」って言っているようなものですからね、やっていないというのは。
 


▲ゲームを飽きずにプレーし続けることも才能のひとつ。諦めなければきっとキミもトップレーヤーになれる!?

 
──今回の九州地区大会の話も伺っていきたのですが、ルオカ団長選手の〆る者達は甲子園に向けてどのような準備をしていったのでしょうか。
ルオカ団長:チーム全体の意識を共有することをいちばん優先しました。最初に「ウチはこんな感じの戦い方をするからね」という話をしたりとか。
 
──ブキ編成はどのように決めていったんですか?
ルオカ団長:最初はそれぞれの持ちブキをとりあえず持ち寄って、負けたら「なにが悪かったな」と考えて別のブキを模索していった形ですね。自分以外の3人も非常に強いプレーヤーが集まっているので、負けが続くと「この人たちで勝てないんだったらブキが問題なんじゃないか?」という感じで。
 メンバーにも「意見があったら遠慮なく言ってね」という話はしていて、できるだけみんなが意見を言いやすい雰囲気にはしていました。それで意見が出たら頭ごなしに「それはダメじゃない?」みたいなことは言わずに「じゃあ、それを1回やってみよう」みたいな。
 
──ルオカ団長さんは別の記事で「編成軸」(最初にチームの軸となるブキを決めて、それに合わせて残りのブキを決めていく編成のやり方)という話をされていましたけど、〆る者達でいうと編成軸はパブロになるんですか?
ルオカ団長:そう見えるんですけど、実はキャンピングシェルターなんです。キャンピングシェルターって、有利・不利がはっきりしたブキで、とくに“後衛殺し”みたいなブキではあるんですけど、相手の後衛を無力化する分、自分ではキルを取ることがなかなか難しい。
 そこに合わせて動くというのが大事なので、やっぱりキャンピングシェルターが最優先の軸になります。
 
──そこを軸にしてメンバーを集めたので、パブロの方も入れたと。
ルオカ団長:はい。パブロはキャンピングシェルターとの相性が非常にいいので。
 


▲(第5回 スプラトゥーン甲子園 九州地区大会 DAY2 5:24:34より引用)

 
──編成がキャンピングシェルター軸で、パブロがほぼ固定、こん選手はいろいろ持ち替えて、ばるかん選手はバケットスロッシャーデコをメインにバレルスピナーもステージによっては持ったり、という感じで、基本的に後衛がいない編成というか、「中衛から前」というイメージがあるんですけど、こういう編成はわりと普通なんですか?
ルオカ団長:いや、後衛なしは相当珍しいですね。「後衛が強い」とみんな言っていて、実際に後衛が強いと思うんですけど、後衛を潰せるブキとか潰す動きってけっこうあるんですよね。
 後衛は動きで潰して、その動きのためになにが必要か考えたときに、後衛対後衛になると全体のパワーで戦うことになるので、全体で戦っちゃうと僕の穴がちょっと目立っちゃうんですよ(笑)。僕が特段強いわけではないと自分では思うので、全体で戦うよりは、ひたすら荒らして勝てればいいと
 後衛は無力化して、後衛なしで後衛ありに勝とう、というのが僕たちの基本的な戦い方になります。
 
──ナワバリの戦い方はかなり研究されていると思うんですけど、そのなかでこういう編成を採ってきたというのがすごく興味深いです。
ルオカ団長:特殊ですよね。
 
──甲子園の試合を見ていても、初動に強いイメージがあります。初動で撃ち勝って人数差つけて押し上げて、そのまま維持して勝つというような。そういう勝ち筋を狙って、こういうブキ編成なんですか?
ルオカ団長:いろいろあるんですけど、後衛あり対後衛なしで、後衛なし側があり側に勝つためには、ひたすら荒らさないといけないんですよ。前回「カラマリがライン戦がもっとも綺麗」と話したんですけど、後衛ありってもっともライン戦が強くて。
 グチャグチャな陣形になるよりは、「お互い見合った状態からいきなり刺す」みたいなのが後衛ありなんですけど、後衛なしって、駒1枚1枚の機動力はあるんですけど、制圧力があまりないので、相手のペースに合わせちゃうとしんどいんですよね。
 だから、とにかく3分間荒らして「結果どうでした」みたいな試合を意識している部分はあります。初動が強いというよりは、そもそも後衛ありに勝つためには「これしかない」みたいな感じで。
 


▲(第5回 スプラトゥーン甲子園 九州地区大会 DAY2 5:24:30より引用)

 
──試合では、かなり戦略的に各メンバーが動いている印象があったんですけど、ステージごとに「君は右側ね」とか「左側ね」とか、役割をしっかり決めてやっていたんですか?
ルオカ団長:そこはメチャメチャ決まっていますね。基本的に、パブロのちゃちゃさん以外の3人は全部決まっていて。
 ちゃちゃさんは機動力のあるブキなので、状況に応じてすぐに合わせられる。なので、ちゃちゃさんはどこに行ってもいいけど、僕ら3人は「こういう感じに動こう」ということは最初から決めて、ちゃちゃさんにもそれは伝えてあって。
 
──それで「カモン」でちゃちゃさんを呼んで、うまく2人でキルを取ったりとか?
ルオカ団長:そうですね。ひたすらガンガン攻めているように見えて、わりと連携は意識していますね。
 
──甲子園で紅一点と戦ったザトウマーケットの試合でもキャンピングシェルターがひらすら右側の通路を押さえていましたが、あれもそういう役割だった?
ルオカ団長:キャンピングシェルターはあの位置が強いのでそれはもちろんなんですけど、紅一点の試合は、途中で押されそうになったシーンがあったんですよ。そのタイミングで、僕がキャンピングシェルターソレーラのカーリングボムピッチャーとメインの塗りで抜けたら「僕を止めるために人数を割くからライン下げるだろう」という考えがあって、ここはやられてもいいから無理やりポジションを上げたりとかしていました。
 この場面みたいに、「変に後ろに下がってやられないように戦うよりは、奥に行ってひたすら相手にリスクを与えて、結果リターンになる」みたいなことはけっこう考えてやりますね。
 


▲紅一点戦ではルオカ団長のキャンピングシェルターが常に前に出ており、相手はその対応に苦労していた。
(第5回 スプラトゥーン甲子園 九州地区大会 DAY2 5:24:23より引用)

 
ルオカ団長:あと、無理にカバーする必要のないところが、ナワバリバトルにはあるんですよ。無理にカバーしようとし過ぎて共倒れ、みたいな展開にもなるので「そういうのは絶対にしないでいいよ」とは、あらかじめ言ってあって。
 逆に「こういうときはカバーしてね」ということも言っていて、“こん”と“ばるかん”は僕の考えをいちばん理解してくれている。ちゃちゃさんはもう自由にしていても強いので、わりと好きに動いてもらっていますね。
 

【今回のまとめ】
・上手くなるために1番必要な才能は「常に向上心を持ってプレーし続けられること」
・〆る者達はキャンピングシェルターを軸にしたチーム!
・ナワバリには無理にカバーする必要のない場面もある!

 
次回も引き続き、あとばる選手×ルオカ団長選手の対談をお届け!
 
〆る者達が優勝した九州地区大会をふたりに振り返ってもらうぞ。
 

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次回は1/28(火)更新!!