By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは先週発売したコロコロコミック6月号はもう入手されただろうか?
デュエル・マスターズの原作コミックが読めることはもちろん、6月に発売する超天篇第2弾、「青きC.A.P.と漆黒の大卍罪」の収録カードに関する情報も色々と掲載されている。
また、付録カードである《C.A.P.カイト》を入手するチャンスである。ぜひとも手に取ってみて欲しい。
デュエル・マスターズでデッキを作るということは、ジレンマと戦うということをも意味している。
相手クリーチャーの攻撃は原則として素通しであるがゆえのゲーム上の逆転要素、S・トリガー。それにはデッキ内に搭載する枚数が多すぎればデッキの機能不全を招き、かといって少なすぎれば6打点によるジャスキルが通りやすくなってしまうというジレンマがある。
なぜならS・トリガーを持つカードはシールドに埋めることができれば絶大なテンポを発揮する一方で、手札に来てしまえば通常のカード以下のスペックしか持たないからだ。
そこでS・トリガーを何枚積むか判断するためには、リスクリターンの秤がどこで釣り合うかという見極めが必要になってくる。
そして、それだからこそ逆に。デュエル・マスターズのデッキを作る際には、常に抗いがたい衝動が襲いかかってくるのである。
……すなわち、そう。
「40枚全部S・トリガーにしてしまえば最強なのでは???」
それは禁忌であるからこそ魅力的なエデンの果実だ。
デッキビルダーはコンセプトの再現性を求めるものであるということは、vol.4-1でも書いた通りである。
だが、たとえドローカードやサーチカードで手札に来るカードをコントロールできたとしても、ゲーム開始時に置かれる5枚のシールドの中にデッキ内のどのカードが入り込むかは、コントロールすることができない。もしくは《トライガード・チャージャー》のように、たった1枚を入れ替えることについてさえ、かなりのマナコストを支払うことが必要となってくる。
だから「シールドにS・トリガーが埋まっているか」は常に運頼みであり、それこそがデュエル・マスターズのままならない部分とも言える。
しかし、もしデッキ内の40枚すべてがS・トリガーだったなら?
ゲーム開始時の5枚のシールドは、アタックされれば必ず弾ける対人地雷へと変貌する。それは本来再現性が担保できないはずのシールドゾーンという領域に、確固たる再現性を持ち込めるということを意味しているのだ。
ゆえに。
40トリガー。
今回はその禁断の領域へと、足を踏み入れてみることにしよう。
1. オレガ・オーラで作ってみる
S・トリガーを持つカードは、基本的には能動的に使ったときに高い出力を発揮するわけではない。
もし仮に《龍装艦 チェンジザ/六奇怪の四 〜土を割る逆瀧〜》や《ドンジャングルS7》のような効果を持つS・トリガーが存在したと仮定すると、スウィングが激しすぎるためにシールドブレイクへの意欲を失わせてしまうことだろう。
ゆえにS・トリガーはまず前提として、互いが能動的なアクションを押し付け合ったあとで必然的に生じるテンポ差を穴埋めする程度の効果にとどまっていることが多い。
そうなると必然、そんなカードを40枚も集めたデッキでどうやってゲームに勝つのかという問題が浮上してくる……が、結論から言えば、40トリガーでゲームの勝利を目指すならトリガービートという形式をとらざるをえない。
S・トリガーが24枚〜28枚程度でいいならいざ知らず、40枚すべてがS・トリガーである以上、相手のシールドをブレイクせずに勝利する手段は皆無だろうからだ。
では40トリガーのトリガービートを組むとして、どのようなデッキを組むべきか。
私がまずはじめに着目したのは、オレガ・オーラだった。
オレガ・オーラは通常のクリーチャートリガーと比較しても、かなり高いスペックを持つことがあらかじめ約束されている。
なぜならオレガ・オーラがトリガーして新たにGR召喚することを選んだ場合、GR召喚されるGRクリーチャーにもそれぞれ固有の能力があるため、オレガ・オーラの持つ能力と合わせて2つの能力を持ったクリーチャートリガーが必ず出てくるのと同義だからだ。
そう考えるとS・トリガー持ちのカード全体の中でも上位に位置するであろうオレガ・オーラを中心に40枚を組みあげるというのは、いかにも合理的な選択に思えた。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ。
『40トリガーオーラ (2ブロック)』
《*/零幻トリムナー/*》 | |
《幽鬼ドレッシャ》 | |
《幽具ランジャ》 | |
《κβバライフ》 | |
《ホービット/壁キョーボリア》 | |
4 | 《幽影モンス・ピエール》 |
4 | 《*/弐幻ケルベロック/*》 |
4 | 《*/弐幻ニャミバウン/*》 |
4 | 《おやすみブク郎》 |
4 | 《撃髄医 スパイナー》 |
超GRゾーン | |
2 | 《マシンガン・トーク》 |
2 | 《制圧の意志 エルグレ》 |
2 | 《パス・オクタン》 |
2 | 《バツトラの父》 |
2 | 《ポクタマたま》 |
2 | 《C.A.P.カイト》 |
オレガ・オーラで40トリガーを作ってみた感想としては、「まだカードプールが狭く、いまいち有効トリガーだけに統一しきれない」というものだった。
超天篇のパックは第1弾までしか発売しておらず、S・トリガー持ちのオーラは限界まで積んでも7種類までに限られている。
そしてその中には《κβバライフ》や《幽鬼ドレッシャ》のように盤面を捌くのに寄与しない効果のものも含まれている以上、たとえトリガーとして発動しても、相手の攻撃をしのぎきれるか微妙な瞬間が出てきてしまうのだ。
6月に超天篇の2弾が発売すれば解決される問題かもしれないが、いずれにせよ現時点ではオレガ・オーラを中心に据えた40トリガーは、2ブロックフォーマットで使用できるという利点はあるものの、まだ十分な強さが備わっていないように思われた。