By ドブフクロウ
みなさんこんにちは、MtGライターのドブフクロウです。
今週末にはいよいよマジックフェスト・京都2019が開催されますね。昨年11月29日(木)〜12月2日(日)に開催されたグランプリ・静岡2018以来となる国内の大型トーナメントとあって、開催を楽しみにしていたという方も多いのではないでしょうか?
本戦のフォーマットはスタンダードで開催されます。連載第2回でもお伝えした通り、ミシックチャンピオンシップでは青単テンポを使用したオータム・バーチェット選手が見事に優勝を飾りましたが、それから約1カ月が経過した今でもメタゲームは煮詰まるどころか日々変化しており、どういったデッキが勝つのか予想がつきません。
まさしく『ラヴニカの献身』環境の総決算となる本イベントですが、もちろんその魅力は本戦だけでなく、様々なフォーマットで行われるサイドイベントの数々や珍しいカードやグッズが多数揃ったベンダーブース、来日したアーティストのサイン会なども必見です! お近くの方はぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか?
さて、今回は国内マジックフェスト開催直前ということで現在のスタンダード環境についておさらいしていきましょう。
第13期スタンダード神挑戦者決定戦
先週末には東京は新宿区高田馬場にあるカードショップ「晴れる屋」にて、第13期スタンダード神挑戦者決定戦が開催されました。同ショップの看板イベントでもあるこの「神挑戦者決定戦」には多数のプレイヤーが参加していたようで、トップ8には日本を代表するプロプレイヤーの1人である瀧村 和幸選手や、関東の強豪として知られる齋藤 慎也選手なども入賞しており、マジックフェストの前哨戦らしく非常にハイレベルなトーナメントとなりました。
さて、このイベントで上位16位までに入賞したアーキタイプを見渡すと
- 4名:スゥルタイミッドレンジ
- 3名:ティムール《荒野の再生》
- 2名:白単アグロ
- 1名:青単テンポ
- 1名:赤単アグロ
- 1名:アゾリウスアグロ
- 1名:エスパーコントロール
- 1名:シミックネクサス
- 1名:ティムールネクサス
- 1名:ラクドスアグロ
という結果となっており、全10種類のデッキが名を連ねています。これはこの時期のスタンダードとしてはやや珍しく、デッキの分布が比較的まばらで環境トップが固まり切っていない状態と言えますが、この中でも特にティムール《荒野の再生》、もとい《荒野の再生》というカードを使用したデッキには注目です。
▲荒野の再生
《荒野の再生》はその名を冠するティムール《荒野の再生》はもちろんのことシミックネクサスやティムールネクサスのキーカードでもあります。単体ではカードアドバンテージを失ってしまうものの、土地をアンタップできるその能力は見かけ以上に強力で、各ターンの行動回数を増やしたりマナを加速したり、あるいはシンプルに隙を埋めたりとデッキの挙動を一段階も二段階も高める強力なエンジンとなります。
上記は《荒野の再生》と相性のいいカードの例
たとえば《荒野の再生》の能力がスタックに乗っている状態で全ての土地からマナを浮かせておいて特大の《発破》をお見舞いしたり、《運命のきずな》を唱えたり。これらインスタント呪文と相性がいいのは言わずもがなですが、環境トップクラスのフィニッシャーである《パルン、ニヴ=ミゼット》の唯一の弱点である「出したターンに隙だらけになりやすい」という欠点を埋めたりと非常に強力なカードで、マジックフェスト・京都2019の台風の目となることは想像に難くないでしょう。
もちろん、最も使用者数の多かったスゥルタイミッドレンジのように全方位にそこそこの相性で戦うことができるデッキ、あるいは前環境から継続して第一線で活躍している白単や赤単、ミシックチャンピオンシップで世界にそのポテンシャルを見せつけた青単テンポなど、環境に存在するデッキはどれもそれぞれに甲乙つけがたく、それゆえに現在のような混沌としたメタゲームが生まれていると言えます。
今週末のマジックフェストではいよいよ環境の答え合わせが行われることとなりますが、どのデッキが「正解」なのか予想してみるというのも観戦の楽しみの一つかもしれません。もしかすると誰も知らない新しいデッキが優勝をさらっていくかもしれませんし(実際この可能性も結構ありそう)……今から週末が楽しみですね!
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。