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師範代:
「ファイターんとこ、子ども何人だっけ?」
ファイター:
「3人。やっぱりね、親の関心あることに、自然と子どもたちの目も向くね」
師範代:
「ファイターは何にハマってんの?」
ファイター:
「野球と、スワローズと…」
師範代:
「ちょっと待って! 野球とスワローズは別なの!!!!?」
ファイター:
「ちがうちがうちがう、ぜんっぜん別もの!!!
野球は自分がやるスポーツで、スワローズはエンターテインメント!!!
野球やるのと、観戦するのは、別バラ!!!」
師範代:
「そうなんだ(笑)!!!」
ファイター:
「…でね、娘もスワローズファンで。山田哲人のファン。オレは川端が好きでさ、息子は雄平が好きなの。
でも、オレが昔からファンってだけで、子どもたちにとっては、スワローズのファンになる直接の理由って、ないじゃん?」
師範代:
「別に地元球団でもないしね…」
ファイター:
「だけど、いつもオレがスワローズの試合を見に行くのを見てるから、『家族の話題』的なところで、子どもなりに気を使ってんじゃないかってのがあって。『僕もスワローズファンになれば、お父さんと話が合うし、ナイターも見せてもらえるし』ってところがあるんじゃないかなって思うんだ。まあかれらなりの『忖度』っていうか」
師範代:
「子どもには子どもの『処世術』があるからね。かれらのほうがずっと冷静だったりするし(笑)」
ファイター:
「べつにマリーンズやホークスのファンになったっていいんだよ。だけど、かれらには情報が入ってこない…スワローズ以外の(笑)」
師範代:
「子どもには限界があるよな(笑)」
ファイター:
「そう。だけど、限られた情報を自分たちなりに掘っていって、今じゃれっきとしたファンになってるんだよ。
うちはコロコロとかもそうだよ。息子は『てれびくん』から入ったんだけど、年長さんの時に昔のコロコロコミックを見せたら『あ、コレお父さんじゃん!!!』となって。
それをきっかけに興味を持ち出して、自分のお小遣いで買うようになった。もうお父さんは載ってないのにね。それでも、もう7年ぐらい買ってる。
タミヤにいた頃なら、見本誌をもらって与えることもできたと思うんだけど、それじゃあ『本当の読者』にはならなかったと思うんだよな。
なけなしのお小遣い握りしめて本屋さんに行ってさ、『お盆進行』で発売日が変わってて(何日か早くなる)、15日にコンビニ行ったらもうとっくに売り切れてて途方にくれるとかさ。そういう経験重ねて好きになってるから」
師範代:
「一冊一冊の重みがちがってくるよね」
ファイター:
「だから、親の事情や都合で引きあわされる部分もあるんだけど、それはただ単に『きっかけ』にすぎなくて、やっぱ、ヤツらにはヤツらなりの世界がその先にあるから。
『きっかけ』のその先を親が誘導するのはナシだと思うね。
そっから先は、あいつらの自由」
師範代:
「水飲み場までは連れていくけど、どんな飲み方をするかは自分で決めろと」
ファイター:
「そういう『大人の都合』と『子どもの世界観』が、バチバチっと当たるところで、オレたち仕事してたじゃん。
…で、ミニ四ファイターとかやってると、どうしても子どもの立場になるんだよ。子どもの目線で物事を考えてしまう。
そうすると、自分の会社や、一緒に仕事をしている仲間に対しても『子どもの意見』をぶつけてしまうので、やっぱり反感めいたものがあったりもするんだよ。企業としてやってる大人の仕事なんだから当たり前だよね。
…だけど、子どもの意見を会社に通すことこそが『ミニ四ファイターの仕事』なんじゃないかなって、思いながらやってた。
ちょっとオコガマシイけどね。
子どもたちがいくら車検マンや営業の人に「こんなマシンがほしい」って訴えてくれても、なかなか実際にはメーカーの中までは届かないんだよ。
やっぱり『設計者が用意したモノにメディアが肉づけして、さあどうぞ』って時代になりつつあったからね。
だけど『ユーザーの声』ってのは、本当に大事で。
当時、レーサーや親御さんの『本当の声』を『業務』として聞ける/聞いていいのがオレだったの。
それが上手に製品にフィードバックできてたかは分からないけど、あんまり『大人の都合』だけで子どもたちを誘導していっちゃうと、長持ちしないのかな〜?ってことは、子どもたちから学んだね」
師範代:
「ダンガンレーサーも、最初はレーンのあるコースで速さを競ってたけど『現場の声』を聞きながら、ベイブレードみたいにぶつけ合うスタイルに変わっていったもんね」
ファイター:
「あの頃のミニ四駆でいうと、そういう『子どもの目線』で立つことが許されたのは、3人だけなの。
ひとりは、土屋博士。
ふたり目は、メカマン。
3人目は、前ちゃん。
この3人は、つねに『子どもの立場』から会社にモノを言っていて、さらに、それをきちんと『カタチ』にしてた。
師範代:
「理想を語るだけじゃなくてね」
ファイター:
「ひとりはミニ四駆を作り、ひとりはミニ四駆のコースを作り、ひとりはミニ四駆を売り出した。
この3人は、ホント今でも尊敬してる」
師範代:
「そこにファイター入れて、バッチリ四輪駆動だな!!!」
ファイター:
「大人の都合と、それに対する子どもの出方。
どっちかだけ優先してもうまくいかない。
当時も思ってたけど、自分に子どもができて再認識したね」
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子ども側に立って会社とバチバチやりあったファイターたちもスゴイけど、それを真っ向から受け止めて、レーサーの予想を上回るマシンを連発して、ひとつの時代を築いたタミヤの熱意やプライド、そして技術力にも感服せざるをえないよ。
肚が太い。
そうそう!
インタビューにも出てきた土屋博士。
土屋さんご本人は、残念ながら7年前にお亡くなりなってしまったんだけれど、次の『コロコロイチバン!』のミニ四駆まんが「レッツ&ゴー!! 翼 ネクストレーサーズ伝」に、土屋博士が登場するんだって!
こしたてつひろ先生曰く「まんがの土屋博士は亡くなってないから」とのこと。
土屋さんも、メカマンと空の上から楽しみにしてくれているハズ!!!
ぜったいにチェックしてくれ。
さて、ここからしばらくまた取材に入ります。
まだまだいくらでもエピソードあるからネ!!!
それではみなさん、
「第2部」をお楽しミニ〜四駆!!!!!!
商品概要 『ハイパーダッシュ!四駆郎 1』 ■作者:武井宏之 ■原作:徳田ザウルス ■定価:583円+税 ■発売日:発売中 ■判型:B6判 ■頁:192頁 ■詳細:https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091422088 |
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商品概要 『ハイパーダッシュ!四駆郎 2』 ■作者:武井宏之 ■原作:徳田ザウルス ■定価:583円+税 ■発売日:発売中 ■判型:B6判 ■頁:192頁 ■詳細:https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091424273 |
商品概要 『爆走兄弟レッツ&ゴー!! Return Racers!!1』 ■作者:こしたてつひろ ■定価:583円+税 ■発売日:発売中 ■判型:B6判 ■頁:192頁 ■詳細:https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091421449 |
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商品概要 『爆走兄弟レッツ&ゴー!! Return Racers!!2』 ■作者:こしたてつひろ ■定価:583円+税 ■発売日:発売中 ■判型:B6判 ■頁:192頁 ■詳細:https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091424280 |
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商品概要 『爆走兄弟レッツ&ゴー!! Return Racers!!2』 ■作者:こしたてつひろ ■定価:583円+税 ■発売日:発売中 ■判型:B6判 ■頁:192頁 ■詳細:https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091427489 |