By まつがん
デッキビルダーでも、スランプに陥ることはある。
良いアイデアが浮かばない……どうしても納得のいくデッキが作れない……デッキビルダーも人間である以上、そうした気持ちの下ブレの時期は必ず訪れる。
では、そういうときにはどうすればいいのだろうか?
私が思うに、その答えは「原点に立ち返る」ことだ。
自分が一体何のためにデッキを作っていたのか。その原初の衝動を取り戻すことで、再びデッキを作る活力が湧いてくるのである。
では、私の原点とは何だったのか……と振り返ってみると、そこにはカードとカードとを掛け合わせたときに発生する、効果の予想外の増幅……すなわち「興奮」がやはりあったように思う。
単体では大したことない効果でも、2枚以上のカードを組み合わせることで絶大なシナジーを形成する……そんな「興奮」できるカードの組み合わせを発見し、デッキという形に落とし込めた瞬間にこそ、デッキを作る楽しみがあるのだ。
そういうわけで今回は、こちらの「興奮」カードを使ってデッキを作っていこう。
▲新4弾「誕ジョー! マスター・ドルスザク!! ~無月の魔凰~」収録、「デッドヒート・メガマックス」
《デッドヒート・メガマックス》。
普通に唱えようとすると8マナも払ってクリーチャーが出るかどうかもわからないという欠陥カードだが、このカードには代替コストが設定されている。
なんと火のクリーチャーを4体タップすることで、一切のマナを支払うことなく唱えることができるのだ。
やはりデュエマの華といえばコスト踏み倒し=ゼロ。あとは《デッドヒート・メガマックス》で踏み倒す火のクリーチャーを用意するだけだ。
そしてこのカードの相棒といえば、もちろん。
▲「超ブラック・ボックス・パック」収録、「メガ・メイキング・ドラゴン」
《メガ・メイキング・ドラゴン》だ。
このカードを使えば《デッドヒート・メガマックス》の代替コストの支払いにあてた4体のクリーチャーをそのまま4体のドラゴンへと変換できるので、掟破りのドラゴン4体踏み倒しが可能になるのである。実戦で決まれば大興奮間違いなしだ。
とはいえ、賢明な読者諸君は「お前こんなん一年前から使えるコンボやんけ」と思うかもしれない。そのとおりである。
何を隠そう、今回はただ私が「興奮」したいだけの回なので、やりたいことだけやって流行や時節柄は一切考慮に入れないことにしたのだ。超GRゾーン?知るかそんなもん、いいから《デッドヒート・メガマックス》で《メガ・メイキング・ドラゴン》をめくるんだよ!
というわけで、試しに作ってみたのがこちらのデッキだ。
『メイキング・メガマックス -線画-』
《メガ・メイキング・ドラゴン》 | |
《デッドヒート・メガマックス》 | |
《アクセル・カイザー「迅雷」》 | |
《勝利宣言 鬼丸「覇」》 | |
《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》 | |
1 | 《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン/ボルメテウス・レジェンド・フレア》 |
4 | 《勇愛の天秤》 |
3 | 《爆熱血 ロイヤル・アイラ》 |
14 | 《バグル・パズル》 |
4 | 《メラメラ・ジョーカーズ》 |
▲新4弾「誕ジョー! マスター・ドラゴン!! 〜正義ノ裁キ〜」収録、「バグル・パズル」
《デッドヒート・メガマックス》といえば《バグル・パズル》を使うのが通例のようなので、ひとまずそれっぽい形にはしてみた。
だが、実際に回してみるとこの形には2つの問題があることがわかったのである。
1つ目は、クリーチャーを4体揃えるのが意外と大変という点。
そして2つ目は、4枚しかない《デッドヒート・メガマックス》を引きにいく要素が少ないという点だ。
これらの問題に関しては、《バグル・パズル》というカードが完全なるバニラであるという点に問題があるように思われた。
このデッキの目指すところはおおよそ「4ターン目にクリーチャー4体、手札に《デッドヒート・メガマックス》」という盤面を作ることになるわけだが、《バグル・パズル》であれば確かに「3ターン目に1体出しておいて4ターン目に3体一度に出して4体」で条件を達成することは可能に見えるところ、先手4ターン目のリソースは8枚しかないため、実は4マナ出そうと思うと手札1枚をキープできない計算になってしまうのである。
つまりこの問題を解消するには、カードが引けるクリーチャーを用意するしかない。しかも《バグル・パズル》のように4ターン目に一気に3体並べるのは現実的ではない以上、「2ターン目に1体、3ターン目に1体、4ターン目に2体」という展開を前提にすることになる。
すなわち、2マナでカードが引ける火のクリーチャーが必要なのだ。そうすれば《デッドヒート・メガマックス》を引けないという2つ目の問題も一気に解消することができる。
だが、そんな都合の良いクリーチャーがはたしてデュエマに存在するのだろうか?
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