――漫画版「アレスの天秤」では、灰崎について、どんなことを意識して描かれましたか?
おおば:大事にしたのは「格を落とさない」ということですね。明日人が島から出てきて初めて出会う「すげーヤツ」なので。
やぶの:灰崎、第1話の冒頭から出てますもんね。
おおば:そうなんです。最初は明日人が灰崎をがっつり意識するけど、後から灰崎も明日人を意識して。そんな二人が戦う…という展開が、3巻までで描き切れたなと思ってます。
――明日人と灰崎の関係は、第11話と第12話の見開きコマが印象的ですね。
↑「アレスの天秤」第11話(コミックス3巻収録予定!) 自分で気づかないうちに、サッカーを楽しんでいた灰崎。
↑「アレスの天秤」第12話(コミックス3巻収録予定!) 明日人はライバルである灰崎に向きあい、超えると宣言…!
おおば:まさに、この灰崎の顔は明日人によって引き出されたんです。色々作画を試しながら描いたので、11話の灰崎は、画面がだいぶ黒くなっちゃってますが(笑)。そこから勉強し直して、この12話の明日人を描きました。
やぶの:昔の雑誌だったら出せない表現ですね。コミックスで多少いじる可能性も?
おおば:多少どころか見返して気に入らない部分はガッツリ描き直します(笑)。あとコロコロの印刷は綺麗だな~と改めて思いましたね。
「イナペン」誕生にまつわる㊙エピソード!!
――「イナペン」連載開始時のことを教えて下さい。
やぶの:最初にサンデーうぇぶりさんから企画を頂いた時から、キャラコメディにしましょう、という話は決まっていて。そのコンセプトに沿って描いていきました。
(※「イナペン」立ち上げ時の詳しい秘話は、「イナズマイレブン SELECTION」収録のインタビューを要チェック!!)
おおば:児童誌のコロコロから、少年誌のサンデーうぇぶりに移られて、読者層が変わって色々苦労されたんじゃないですか?
やぶの:自信なかったですけど、担当さんが頼りになる方だったので、委ねっぱなしでした。少年誌とも文法がちょっと違うんですよ。最初はコロコロのノリが抜けなくて、「ツッコミはいらないから!」と言われました(笑)。
おおば:連載開始前、先生と食事ご一緒させていただいた時に、プロット段階の「イナペン」を見せてもらったこと覚えてます。ひなペン初登場のシーンで、店内の人も多分ビックリしたんじゃないかなってくらい爆笑してしまって!(笑)
↑「イナペン」第3話(1巻収録) 「ひなペン」が初登場した衝撃のシーン。おおば先生が見たのは写植のない状態の絵だったとか。
おおば:次のコマで、ひなペンがスー…って消えてたのがたまらなかったですね(笑)。とんでもないものが始まっちゃうから、負けないようにしなきゃ!って思いました。
やぶの:あの時ウケてくれて、本当嬉しかったです! 担当さん以外だと最初の読者だったので。おおばさんの反応が良かったおかげで、ひなペン推しでいける…!と確信を持てました。
おおば:Twitterなどで読まれた方の反応を見て、やっぱり!って思いましたよ。
――どの回も話題を呼んでいた「イナペン」ですが、印象深いエピソードはありますか?
やぶの:2巻の合宿編は、もともと旧作の人気キャラクターも絡ませていく想定だったんです。でも、設定上の問題で旧作キャラは出せないことになって。そこで思い切って、星章学園の掘り下げに特化した話を作りましょう!ということに。
――それで、合宿編では星章のキャラ達が活き活きと描かれていたんですね。
やぶの:星章学園を掘り下げるにあたって、設定をあらためて振り返ったんですが…全員2年生で、灰崎だけが一年坊で。星章は「大家族」で、灰崎はお兄ちゃんたちに色々される弟ポジションだなあと。あくまで僕のイメージですが…お父さんポジションが鬼道で、世話焼きなお母さんが水神矢。沢山のお兄ちゃんたちと、末っ子の灰崎、という構想でした。
おおば:なるほど。水神矢は読者の方にも「ママ」って言われてますね(笑)。
やぶの:はい。あとは佐曽塚と折緒が特にいいキャラクターに育ってくれたなと思います。デスゾーントリオですね。
おおば:僕も星章戦では佐曽塚と折緒をFWコンビとして同じコマに描いたりしましたね。 身長差のある2人がコマの中に並ぶと画面に余白が出来て落ち着く。
やぶの:合宿編では、大人数を出すために、俯瞰であれこれしてるコマをよく使うようになりましたね。みんなで寝るシーンとか、お風呂のシーンとか。
おおば:僕、お風呂でモジャの髪がどんどん泡立っていくの大好きで!(笑)
やぶの:そういうのを、思った以上に読者の方が楽しんでくれて良かったです(笑)。寝る時の寝相とか携帯をどこに置くかとか…。細かいところを、しっかり描いてほしいとアシスタントさんにもお願いしていました。
↑「イナペン」第12話 合宿編「チームの穴」の巻(2巻収録) 寝相や枕元のスマホなど、細部にキャラの個性が出ている。
⇒熱い対談はまだまだ続く…!! 2月22日(金)更新の後編では、「アレスの天秤」&「イナペン」のさらなる制作秘話に加え、二人の先生の熱い絆が語られる!!? こうご期待!
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【フォロー&RT】『イナイレ』おおば先生×やぶの先生SP対談記念! おおばあつし先生が灰崎+ひなペンを描いたSPコラボ色紙プレゼント!!
おおばあつし 先生
岐阜県出身。12月19日生まれ。代表作は『妖怪ウォッチバスターズ』。『月刊コロコロコミック』で『イナズマイレブン アレスの天秤』を連載中で、コミックス1~2巻も絶賛発売中。3巻は2019年3月28日ごろ発売予定。
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やぶのてんや 先生
東京都出身。8月19日生まれ。『イナズマイレブン』で第34回講談社漫画賞児童部門、第57回小学館漫画賞児童部門を受賞。その他の代表作は『イナズマイレブンGO』、『ボッチ わいわい岬へ』。『イナズマイレブン〜ペンギンを継ぐ者〜』全3巻が完結。
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