──「ダイナめう」でのチームのブキ編成は、どうやって決めていったんですか? それぞれが得意なブキを使おうという感じだったのですか?
あとばる:それぞれが得意なブキを使って、ゆっきーが全部その尻拭いをしている感じです。
ゆっきー:ぼくが合わせましたね。甲子園ではシャープマーカーを使ったんですけど、元からそこまで苦手ではないブキだったんですよ。あとの3人はそのブキのプロフェッショナルという感じだったので。
──3人のブキで足りないものをゆっきーさんが補うという。
ゆっきー:そんな感じです。
──実際、第2回甲子園は優勝する自信はありましたか?
ゆっきー:まあ、勝てるだろうな、とは。
あとばる:練習試合でほとんど負けなかったので、いいところまで行くだろうなとは思っていました。
ゆっきー:ただ、負けることは絶対あったんですよ。1本先取なので、1回でも負けたら終わり、という危機感はありましたね。どれだけ完璧にプランを練っても、不慮の事故で負けちゃったらおしまいなので、その不慮の事故をいかに減らすかということを常に考えていました。
──それこそ、最後の30秒で味方がバーンと落ちちゃったら、一気に逆転される怖さはありますよね。
ゆっきー:それを避けるようにしていました。
──避けるというのはなかなか難しいように思うのですが、具体的にはどのようにするんですか。
あとばる:練習しまくる(笑)。
ゆっきー:ぼくは勝ったときでも「これは負け筋があったな」ということは、常に考えていました。味方の動きを見て、「あの行動は危ないんじゃないの?」とか「今回は撃ち勝てたからいいけど、もし相手の弾が運悪く当たったりしたら試合も負けない?」みたいなことはよく話しました。
あとばる:ゆっきーから「博打の択はなし」ってことは言われましたね。
──それは確実に勝てるポジションや状況のときのみ攻めるということですか?
あとばる:そうですね。リスクのあるところに突っ込んで撃ち勝てればいいけど、もし負けたら相手に打開される、という行動はしないほうがいいので。
ゆっきー:たとえば、勝率8割あっても10回やったら2回は負けるわけじゃないですか。ぼくはそれが嫌で、10回やったら10回全部勝ちたいんですよ。そのためには負けにつながりかねない行動は徹底的になくしたほうがいい。とくに当時のあとばるくんは、どちらかというと「ひとりで全部片付ける」みたいな動きをしがちだったんですよ。ですから、そこは別の味方に任せればいいとか、そこで後ろに下がったらオレが援護にいけるよとか、そんな感じでチームとしての連携をとっていきました。
こちらはチャージャー入りの編成なので、前線組はやられなければいいんですよ。そこを押したいのはわかるけど、ちょっとリスクがあるなら下がろうか、みたいな。
──前線を維持できていれば、いずれこっちのチャージャーが相手を倒して人数有利ができるから、無理する必要はないと。
ゆっきー:はい、そうです。ひとりで1対1を仕掛けに行くのは、すごく危ないんですよ。もし1対1を仕掛けても、そこをカバーできる味方がいるなら全然いいんですけど、普段からカバーに行けるように味方をしっかり見ていると「それちょっと危険なんじゃない」と思う場面も多いんですよね。戦っている本人はわからないと思うんですけど、後ろから見ている人からしたら「うわあ、危ない」みたいな。
──そういうところをしっかり見ているのがすごいですね。
あとばる:ゆっきーぐらいでしょ。それできるの。
──敵の動きは意識してもなかなか味方は見えないです。
ゆっきー:どうしても眼の前の敵に集中してしまう、というのはありますね。こればっかりは、プレー回数を重ねて、しっかり味方と敵の位置を意識していくようにするしかないです。
■レギュラーマッチでは3分間を通してなにをするかをチームで統一せよ!
■練習試合ではチームの負け筋を把握して、次に生かせ!
■カバーに行ける仲間なしで1体1を仕掛けるな!
次回は“ガチマッチでの戦い方”や、トッププレイヤーたちが持つ“立ち合いの強さのヒミツ”をお届け!<第2回に続く>