【ディアブロの魔界地図番外編】『ディアブロ IV』最新情報(3):『ディアブロ IV』の映像はどうなる?

3つの発表が!

 今回はちょっと趣向を変えまして……1日も早い発売時期の発表が待たれる『ディアブロ』シリーズの最新作『ディアブロ IV』に関する最新情報が入ってきたので、リリースベースの記事になるけど貼り付けておきます!!

 この情報は、Blizzard Entertainmentが公式サイトで定期的に発信している“『ディアブロ IV』四半期アップデート”にあったものだ。

 今回、あえて取り上げるのは、『ディアブロ IV』のゲームシステムに深く関わる要素がかな~~~り具体的に掘り下げられていたからで、同ソフトの発売を待つ人たちにぜひとも読んでほしいと思ったからであります。

 発表内容は、大きくわけて3つ。

●アイテムのコンセプト
●パラゴン・ボードについて
●ビジュアルエフェクトについて

 ↑このようになっている。

 オーラスでお届けするのは“『ディアブロ IV』のビジュアルエフェクトについて”。最新作の映像は、どのように進化するのだろうか?

動画を見てほしい!

 『ディアブロ IV』の最新情報の最後に紹介するのは、ゲームの雰囲気を根底から盛り上げてくれるグラフィックに関してだ。

 ここでは、『ディアブロ』の公式YouTubeチャンネルで公開された動画を中心に見ていってもらいたいと思う。

 解説しているのは、『ディアブロ IV』のリード・ビジュアルエフェクトアーティストを担当しているダニエル・ブリッグス氏。その冒頭で、

 「VFXチームは、ゲーム全体の機能に寄与しています。今日はその中でも、戦闘をサポートする側面に焦点を当てようと思います。VFXアーティストは、プレイヤーの期待に沿うような直感的でグロテスクな戦闘表現を実現するため、デザイナーやアートチームと協力して、各クラスに強いテーマ性のあるキャラクターを生み出したり、モンスターに命を吹き込んだりしています。

 VFXは、すべてのディアブロ作品の戦闘体験に不可欠な要素です。『ディアブロ IV』では、PBR(物理ベースレンダリング)を使用してエフェクトの忠実度を向上させるとともに、ゲームプレイの柱であるキャラクターの奥深いカスタマイズ、アイテムのコンセプト、戦闘の読み取りやすさを改善したいと考えました」

 と、映像コンセプトを説明。以下、項目ごとに詳しく解説を行っている。順に見ていこう。

【ビジュアルエフェクトの哲学】

 エフェクトというものはどれをとっても最終的なゲームの構成に影響を与えます。重要なことは、エフェクトの背景を理解し、それがどのように皆さんの体験に役立つかを理解することです。

 Blizzard Entertainmentが重要視している価値観のひとつに“ゲームプレイ・ファースト”があります。ゲームのビジュアルエフェクトを開発する際には、これに基づいて多くの表現上の決定がなされます。『ディアブロ IV』の中では、一瞬一瞬のゲームプレイが焦点となっています。ゲームプレイが皆さんの目を引くものでなくてはなりません。その目的を達成するには、プレイヤースキル、モンスターの攻撃を知らせるサイン、トラップ、ダメージ範囲、キャラクターのステータスなどを考慮する必要があります。これらのビジュアルエフェクト要素は、プレイヤーが状況を素早く理解し、その情報をもとに意思決定ができるよう、どんな場所や照明条件でも読み取れるものでなければなりません。

 プレイヤーは戦闘のカオスの中で賢く判断する必要があります。レジェンダリー・アイテムがドロップすれば興奮するでしょうが、それを拾うことよりも、ハードコアのキャラクターを一撃で倒すことができるモンスターの攻撃に対応する方が重要なものです。私たちの目標は、それぞれの情報の優先順位がわかるように伝えることで、ゲーム内の状況の理解に役立つようにすることです。

 そのために、奥義のような強力なスキルには視覚的に強いFXをとっておき、弱いスキルは背景に溶け込ませています。各クラスには、コストやクールダウン、パワーなどの程度の異なる様々なスキルがあります。そして、そのスキルのパワーに応じて、視覚的な強さの程度も異なります。

【戦闘の改善】

 戦闘の没入感を高めるため、本作ではダメージの適用に対するアプローチをいくつか改善しました。以前のディアブロのイテレーションでは、AOE(効果範囲)や近接スキルは、単一のフレームに適用される単一の範囲ダメージでした。ゲームプレイエンジニアのおかげで、ターゲット範囲(ペイロードと呼んでいます)を複数フレームに渡ってアニメーションさせることができるようになり、アニメーション化されたターゲット範囲とアニメーション化されたVFXを重ねて再生できるようになりました。

 例えば、『ディアブロ III』の“ワールウィンド”は、バーバリアンの周りを円柱状に囲み、攻撃速度に応じた割合で数フレーム毎にダメージを適用していました。

 一方『ディアブロ IV』では、パイの形をしたワールウィンドが、キャラクターに合わせてアニメーション表示されます。また、AOE(効果範囲)は時間とともに外側に拡大し、近接攻撃のスイングは武器の動きに合ったものになっています。ターゲット範囲がアニメーション化されたことで、『ディアブロ IV』のダメージ適用の精度は向上しています。戦闘のインパクトが増し、モンスターのやられ動作もよりリアリティが感じられるようになりました。また、ターゲット範囲がアニメーション化されたことで、様々なスキルを放つタイミングに関する選択肢の幅も少し広がっています。

 加えて、モンスターに対する攻撃命中時のエフェクトの適用方法を見直し、呪文や近接攻撃の衝撃が加えられた方向に合ったものになりました。モンスターが攻撃を受けた正確な位置や、やられたモンスターの体のどこに力の方向を決める物理的衝撃が加えれられるべきかを特定するために、アニメーションやアニメーション化されたターゲット範囲で定義されたデータが用いられています。わかりやすく言うと、例えば山羊男の膝を攻撃すると、膝から血しぶきが上がります。そしてさらに、その膝に物理的な力が加わり、まるで足を蹴り上げたように体が飛んでいくわけです。

【ビジュアルエフェクト 光の発光と物質面への反映】

 『ディアブロ IV』では、PBR(物理ベースレンダリング)の照明モデルを採用しているため、マテリアルの見た目や光への反応がリアルに表現されています。この方法ではレンダリングが大幅に改善されます。ですが、各クラスやモンスターの能力に対するプレイヤーの期待とは逆効果となってしまう可能性があります。

 例えば、真昼の太陽が降り注ぐキャンプファイヤーを思い浮かべてみてください。雰囲気に欠けますよね? また、真夜中の砂塵や煙を想像してみてください。ほとんど見ることができません。こうしたことを考慮に入れ、私たちはエンジンやシェーダーライブラリを構築し、アーティスティックな方法でPBRの法則から逸脱させています。これにより、重要なゲームプレイの一瞬一瞬は可能な限り鮮明に映し出される一方で、没入感を高める要素はフルPBRのまま、照明をリアルに反映するようになっています。

 これまでの『ディアブロ』のイテレーションでは、環境照明に影響されない“アンリット・パーティクル”を主に使用していました。これらのパーティクルを活用することで、ゲーム内アートの見え方を十全にコントロールできるようになり、描いたものがそのまま形になります。ですがアンリット・パーティクルには、暗いダンジョンの中でアートが明るく見えすぎたり、VFXのカラースキームがすべての環境でまとまりを感じられなかったりするというデメリットがあります。

 『ディアブロ IV』では、環境照明に溶け込む“リット・VFX”を使用し、より没入感のある体験を提供しています。ワールウィンドを例にとると(上の動画をご参照ください)、明るい日中には剣が太陽の光を反射します。暗いダンジョンでは、松明のような小さな光源を反射します。スキルによって舞い上がった粉塵も環境に応じて光を反射するため、周辺世界にアーティスティックに溶け込んでいます。

 環境照明だけに頼り、PBRの法則に忠実に従うと、ゲームプレイの読み取りやすさが損なわれてしまいます。武器のスイングが見えにくい暗い環境ならなおさらです。これに対処すべく、多くのVFXには環境に光を反射するための放射率を持たせています。また、奥義のうちいくつかは一定時間だけ天候や環境照明を変えるものもあります。私たちは、このようにゲームプレイの読み取りやすさとテーマへの没入感の健全なバランスを目指し努力しています。

【柔軟性のあるプレイヤースキル】

 結局のところ、ゲームが面白くなければ、ゲーム内のアートがどう表現されようと意味がありません。プレイヤースキルを作成する上で目指すべき目標のひとつは、システムデザインチームが様々なモディファイアを活用できるようにすることで、それを通して有意義なスキルツリーやクラスのメカニクス、レジェンダリー・アイテム、パラゴン・ボードを作れるようにすることです。

 プレイヤーの選択はキャラクターのステータス以外にも影響を与えるものでなければいけません。満足のいくクラススキルができたら、次にVFXチームは、開発チームがスキルのサイズや強度、持続時間を柔軟に変更できる機能を追加します。強化したりアイテムを集めることで、スキルのパワーが高まるにつれて、スキルの視覚的な強度も強くなっていくわけです。

 このようなスキルのモディファイアに加えて、私たちはそのスキルの派生形も作成します。それらは機能面から言ってもダメージの種類から言っても完全に異なるスキルとなります。そうした派生形スキルに関してもモディファイアが設けられており、サイズや強度、持続時間を変えられるようになっています。これにより、各種派生形が、より広い範囲をカバーするレジェンダリーのモディファイアグループから影響を受けるようにすることが可能になります。スキルツリーやパラゴンについての判断、そして装備したアイテムによって、同じクラスでもキャラクターによって見た目もプレイも異なることになるのです。

 こうした柔軟性は、ゲーム内のアートでそれらのサイズや強度が表現されるよう、アーティストの手作業によってサポートされています。サイズや強度を変更する際は、エフェクトのすべての部分を一律に拡大するのではありません。発生率や速度、放射率、色の範囲などを変更して、アートが世界にフィットするよう図っています。

 私たちはキャラクターも完璧に表現したいと考えています。アイテムは、ゲーム内のどの武器にも簡単にバフを適用できるように作成されています。レジェンダリー・アイテムは、素晴らしい効果を発揮するだけでなく、キャラクターを美しく見せてくれます。以下の動画では、ゲーム内の様々な武器に同じ炎と毒のバフを適用した例を紹介しています。

【スキル別のデスシステム】

 サンクチュアリの世界観は陰鬱で、そこには恐ろしいモンスターが溢れています。この荒涼とした世界の中で生き延びるためには、情け容赦なく敵に立ち向かわなければなりません。そこで私たちは、『ディアブロ III』で好評だったスキル別のデスシステムを復活させました。

 このシステムにより、敵の首を切る、両断する、凍らせる、粉々にする、内臓をえぐる、燃やす、などが可能になります。

 新しいPBRのパイプライン処理では、血液、内臓、血糊などを環境照明を適切に反映させることで、よりリアルに表現することができます。ゲーム内のモンスターはすべて骨格や筋肉組織をもとに形成されています。そうした体内構造が、残酷な方法でモンスターを倒す際に役立てられます。激しい戦闘の渦中にあるキャラクターは、近くのモンスターの血しぶきを浴び、血だらけの状態になります。そして時間が経てば、キャラクターの鎧はまた汚れのない状態に戻ります。

ソーサレスは、属性魔法を研究しています。冷気で敵の動きを鈍らせた後、氷結させて粉々にしたり、凄まじい雷撃で敵を攻撃し、敵の体を破裂させ、焼き焦がしたりすることができます。ソーサレスが敵を炎で包み込むと、敵は地面に崩れ落ち、骨まで丸焦げにされてしまうでしょう。

 ソーサレスが発動するデスの種類をいくつかご紹介します。

・フリーズ(Freeze)/シャッター(Shatter) – 凍ったモンスターを粉々にする
・チャー(Char) – モンスターの死骸を雷撃で焼き焦がす
・バーン(Burn) – モンスターの肉を焦がし、炭化した骨格だけが残る

バーバリアンは、高い身体能力を誇ります。武器が豊富に存在するため、接近戦では非常に強力です。古代から受け継がれた血統の力を用い、敵を粉砕したり、遠くまで吹き飛ばしたりすることができます。彼らはその力強さに加え、スピードと獰猛さも兼ね備えています。戦場で怒りを爆発させ、立ちはだかる者の手足をバラバラにしてしまいます。

 バーバリアンが発動するデスの種類をいくつかご紹介します。

・クラッシュ(Crush) – 重いオブジェクトの重みでモンスターを押しつぶす
・斬首(Decapitate) – モンスターの頭を切断する
・両断(Cut In Half) – 見るかたなくきれいさっぱりと…
・下肢の破壊(Break Lower Limbs)- モンスターの下半身を砕き、関節を分断する

ローグは抜け目なく、的確に攻撃します。モンスターは、手遅れになるまで彼らの存在に気づかないことが多いでしょう。大半のモンスターは正確なダガーの一刺しや、必中の一矢によって仕留められてしまいます。ローグは戦いを挑むタイミングを見計らい、武器を利用して優位に立つことが得意です。また、影の魔術で相手の注意を上手く逸らすことが可能です。加えて、シャドウ・クローンもダガーに負けじと非常に強力です。

 ローグが発動するデスの種類をいくつかご紹介します。

・内臓をえぐる(Eviscerate) – モンスターの内臓をえぐり出す
・シャドウ(Shadow) – 影のエネルギーによってモンスターの肉体を腐敗させる
・フリーズ(Freeze)/シャッター(Shatter) – 凍ったモンスターを粉々にする
・ポイズン(Poison) – モンスターの皮膚が溶けて、筋肉と骨の塊が残る
・フレイ(Flay) – 筋肉組織を残して敵の皮を剥ぐ

ドルイドは自然魔術と一体化しています。彼らは嵐を呼び、敵に雷を落とすことができます。嵐で戦場をコントロールし、その間に仲間の動物がモンスターの肉を引き裂きます。また、自然魔術で大地の形状を意のままに変形させることで遠くから敵を攻撃することが可能です。ドルイドに接近しようものなら、敵は彼らの生来の力を目の当たりにすることでしょう。ドルイドは俊敏なウェアウルフにも巨体のウェアベアにも変身することができるのです。

 ドルイドが発動するデスの種類をいくつかご紹介します。

・ロードキル(Roadkill) – モンスターは動くオブジェクトに押しつぶされ、地面に血のしみが残る
・貪り(Devoured)– 猛烈な噛みつきによってモンスターの肉を食いちぎる
・ライトニング・ギブ(Lightning Gib) – 雷でモンスターの体が爆発して粉々になる
・マウル(Maul) – モンスターの皮膚がズタズタに切り裂かれ、血だらけになる

 以上が、2021年最後の四半期アップデートブログに書かれていた『ディアブロ IV』の最新情報のすべてだ。

 まだまだ開発中で、いつごろの発売になるのか見当もつかないけど……新たな情報が出次第、こちらで記事にしていこうと思います!

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

『ディアブロ』公式サイト:
https://diablo4.blizzard.com/ja-jp/

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