あ……もう戻れない
9月9日に発売された、バンダイナムコエンターテインメントのプレイステーション4、プレイステーション5、Xbox One、Xbox Series X/S、PC用ソフト『テイルズ オブ アライズ』の評価がすさまじいことになっている。
いわく、“神ゲー”。
いわく、“最高傑作”。
JRPGの雄として知られる“テイルズ オブ”シリーズの生誕25周年記念作品で、第一報が報じられたときからファンの間で、「発売はよ!!」、「体験版だけでも!!」と、大いに話題になっていたタイトルだ。
我が事務所でも、同僚のたっちー先生が騒ぎ立ててたいへんであった。
というのも彼女は、
「わしは『テイルズ オブ』に関しては、シリーズ1作目からゲーム内のセリフをすべて覚えているレベルで追い掛けている、日本でも屈指のオタクである!!」
と前々から豪語しており、しかも、
「新作が出ると必ず、1周目は何の情報も得ずにとりあえずクリアー。2周目は攻略情報などを見つつすべての要素を回収してクリアー。3周目はセリフを覚えるためにクリアー。4周目は最速目指してクリアー。5周目は趣味でクリアー。6周目は縛りプレイを課してクリアー。そして7周目は……息をするのと同じレベルで生活の一部としてクリアー……と、最低7周は遊ぶ人間や!!」
なんて、恐ろしいことをのたまっていたのである。
当然、この『テイルズ オブ アライズ』に関しても、
「発売されたら、わしはいっさいの仕事をボイコットする!!!」
と宣言してやまず、実際昨日(ソフトの発売日ね)から彼女と連絡がつかなくなってしまっている……((゚Д゚;)) どうやら『テイルズ オブ アライズ』は、ウワサ以上にとんでもないゲームに仕上がっているようだな……。
しかし。
身近にこれほど熱心な信者がいると、逆に、
「なんか……そのゲームは、キミにおまかせでいいかな^^;」
と、すっかり毒気が抜かれてしまうことってありませんか?
俺はよく、仲のいい同僚から、
「大塚さんがあまりにも熱狂的にモンハンを遊んでいるので、こっちもやった気になっちゃいましたよw なので、今作はほどほどでいいかなーw」
↑こんなことを言われて困惑したものだが、『テイルズ オブ』に関して言えば、俺は完全に毒気を抜かれたほうの人間であった。たっちー先生に話を聞くだけでお腹いっぱいになり、すっかりプレイしたような気分になって、
「うむ。やりきったな!」
こんな、達成感にも似た気持ちになっていたのだ。
そして、何より。
俺はこの業界で30年近く記者をしている人間だが、じつは『テイルズ オブ』シリーズは完全な“未プレイ”で、1作たりとも遊んだことがない。いわゆる門外漢もいいところなので、
「いまさら、これだけ熱狂的なファンが集うゲームに入っていくのは、キツいかなぁ……」
なんてことを考えてしまって、気付けば長い年月が流れてしまっていたのである。
それでも、『テイルズ オブ アライズ』の体験版をプレイステーション5にダウンロードしてしまったのは、ひとえに、
「騙されたと思って、体験版だけでもやってみてくれ!!」
と、たっちー先生に熱心に勧められたからだ。それはもう、なんかの勧誘に近いモノを感じる圧力だったため、
「ま……そこまで言うなら、さわりだけね^^;」
ってことで、プレイを始めてしまったのである。
そして--。
最初の戦闘を終え、
「ふぅ………………」
と長い溜息を吐き出したのち、俺はたっちー先生にSMSを送ったのである。
「急いで、製品版を買ってくるわ……!!!!」
『テイルズ オブ アライズ』の体験版は……すばらしくおもしろかった!!!
25年間も頑なにプレイしてこなかった49歳のおっさんを一瞬にして懐柔してしまうほど、その美しい映像とド派手なバトル、快感と戦慄が同居したゲームシステムが魅力的なことこの上なかったのである!!
『テイルズ オブ アライズ』の体験版はそれほどボリュームは大きくないのだが(わずかながら、会話シーンと採集、料理も堪能できるけど)、バトルに関してはかなり厚めに触れることができる。
くり返しになるが俺はシリーズ未経験なので、すべてのシーンが新鮮だった。
R1ボタンをガチャガチャ押してノーマルの攻撃を繰り出し、“アーツゲージ”が溜まったら各ボタンにアサインされた強烈な“術技”を放っていく。
その間、仲間のキャラクターはセミオートでがしがし戦っているので、機を見て“ブーストアタック”(対応したキャラクターごとの特殊効果がある技)をぶちかます!
うっひょ~~~!!!!www は~~~で~~~!!!www
そして……!!
敵に“STRIKE”の表示が出たら、仲間と協力して放つ必殺の“ブーストストライク”を発動ッ!!! これでザコどもは一掃だ!!!www うひょひょひょ!!!www きンもちいいいいい!!!!www
しかもこの間、バトルはいっさい止まらず高速で進行しており、たとえガチャプレイでも、
「うおおおお!!! お、俺のプレイ、かっこよすぎる!!!!」
という、“俺つええ”という自尊心を強烈にくすぐってくる。この演出、見せ方が秀逸で、べつに必要ないのにモンスターにケンカを吹っ掛けて、蛮勇を振るいまくってしまったわ^^;
そして、アッと言う間に体験版をクリアーしてしまい、
「よし、製品版やろwww」
ってことで、いまからゲーム本編に突入するのでありましたwww
こんな感じで、すっかり『テイルズ オブ アライズ』に魅せられてしまったので、機会があったらまた記事を書きたいと思いますーw
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。