【牧場物語】角満の『牧場物語』プレイ日記 第9回 我が畑、ナゾの植物に寝食される

野良仕事に集中を

 ここんとこ、牧場の野良仕事……よりも、どちらかというとオリーブタウンでのナンパの様子を重点的に記事にしているような気がする。

 ……いや、「気がする」じゃないな。

 明らかにこの連載、“牧場ナンパ物語日記”になりつつある!!www

 これはいかん。

 このゲームはあくまでも、牧場開拓のスローライフを楽しむことがメインなのだ。テレビ番組で言ったら完全に、テレビ朝日の『人生の楽園』そのものなんだよ!!

 「いつか俺も、田舎暮らしを……!」

 そう考える人間にとって、『牧場物語』の世界観は格好の予行演習の舞台。ナンパにうつつを抜かしている場合じゃないだろう!!><

 涙ながらに自分に言い聞かせ(大丈夫か)、この日は牧場から出ないことを決意。クワとジョウロを片手に畑の作物の世話に全集中することにしたのであった。

ナゾの植物の正体

 やれることがたくさんある『牧場物語』だが、なんだかんだ、資金調達手段としても達成感的にも、農地を手広く展開してたくさんの収穫物を得るのがいちばんの方法だと言える。

 最初は、家庭菜園にも達しないほど粗末な土の盛り上がりだったところが、

 徐々に作地面積と収穫物の種類を増やし、春の終わりごろには“畑”と呼んでも恥ずかしくない程度には見栄えもよくなってきていた。

 タマネギとカブをメインに育て、空いたスペースを使って稲作にも手を出し始めた段階。

 近くには高級フルーツのサクランボの木なんか植えちゃったし、水やりの手間を解消してくれる文明の利器・スプリンクラーも導入するなど(1個だけだけど^^;)、いかにも“いまふう”な農業を実践し始めたところだ。

 そしてその日も、日焼けするほど野良仕事に精を出して、暗くなるまで土の相手をしていた。

 しばらく、オリーブタウンでの夜の声掛け(ナンパな)も封印し、一生懸命に汗を流している。

 そうだ、コレだ!!

 この充実感だ!!

 「よーし、明日も畑仕事をがんばるぞ^^ なんて心地いい疲れでしょう^^」

 かすかな筋肉痛に目をほころばせながら、俺は静かに就寝したのであった。

 翌日--。

 朝イチで畑に駆け付けると、そこには妙な光景が広がっていた。

 ……ん?

 この、茶色く広がった大きな植物は……なんだったっけ??

 見た感じ、なんらかの農作物なのは間違いないところだろう。でも……俺、こんなの植えたっけなぁ??

 ここでひとつ、残念だなと思ったのが、カーソルを合わせてもそこに何が植わっているのかが表示されないこと。収穫して回収すればわかるんだけど、そこに至るまでは見た目でしか判断できないのである。いやもちろん、

 「えーっと、このA1区画はニンジンで、収穫終わったらピーマンに変更。B区画はとりあえず、全部タマネギでいいかな」

 なんて、キチンと都市計画(?)ができる人なら問題ないんだろうけど、ご覧の通り俺は、

 「あ、ここ、1ヵ所だけ空いてるw トウモロコシ植えちゃえw」

 ってんで、地獄のような“行き当たりばったり農法”を実践している男だった。なので、この茶色い農作物の正体がなんなのか、皆目見当がつかなかったのである。

 でも、理路整然と畝に納まっているんだから、俺が植えたのだろう。

 なので俺は深く考えず、

 「ま、収穫のときに正体が判明するだろ」

 能天気にそんなことをつぶやきながら水を与えてあげたのだった。

 ただひとつ、「おや?」と思ったのが、スプリンクラーで常時水を浴びせられている2ヵ所以外、いくらジョウロで水をかけても土の色が変わらなかったことなんだけど……。

 しかしつぎの日も、茶色い農作物は畝に横たわっているだけで微動だにしていなかった。

 さらに翌日、他の農作物が立派に育って収穫を迎えたというのに、

 シーーーーーーン……。

 ぬう……。

 これ……マジでなんなんだ??

 解せない上に、少々不気味さすら漂わせ始めていたんだけど、

 「とはいえ、そういう育ちの遅い植物もあるんだろうな。よくわからんけど」

 俺は無理やり自分を納得させ、日々の作業に没頭していったのである。

 そして、発見した日から1週間……。

 茶色い植物は、そのままの姿で鎮座している。

 11日後の雨の日も……。

 雨が降るとさすがに、あの植物が植わっている畝も潤うようだな。もしかしたら……これで何かが変わるかもしれん! きっとそうだ!! もしかしたら雨が降ることで劇的に成長する“雨待ち草”とかいう植物なのかもな!!!

 そんなファンタジーな草、見たことも聞いたこともなかったが、強引にでも納得しないと先に進めないと思ったのである。

 しかし、18日が過ぎても……。

 このあたりでようやく、俺の脳裏に“ある確信”が芽生え始める。

 も、もしかして……あの茶色いのって……(((( ;゚Д゚)))

 そして、まもなく夏の終わりも見えてきた3週間後、いまだ畑の一角を占拠するナゾ植物を睨みつけながら、俺はついに確信を口にしたのである。

 「あ、あれって……完全にッ!!!!

 新米牧場主の絶叫が、夏の終わりの緑の中に吸い込まれた。

 「ただ枯れてるだけじゃねえかあああああ!!!!(怒)」

 そうなのだ!! 農作物には育成に適したシーズンが設定されているんだけど、それを1日でも過ぎてしまうとこのように枯れて、ウンともスンとも言わなくなってしまうのである!!w

 じつは、「おっかしいなぁ」と首をひねりながら、この植物が初めて登場したときのスクショを見ると……まんまと、

 “なつの月1日”

 という表示(苦笑)。収穫期が“春”だけの植物がここに植わっていて、夏になった瞬間に一斉に枯れちまった……ってことだったのである。

 以降、俺は農作物の種を買うときは必ず、その植物の育成シーズンと現在の季節を確認するようにしている。もう、あの不気味な姿は見たくないからな……。

 それもあってか、ようやく畑も充実してきました。

 よしよし……! いい感じのサイクルに突入してきたぞ!!

 続く!

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』公式サイト:
https://www.bokumono.com/series/olive/

※ゲーム画面はNintendo Swicthソフト『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』のものです。
© 2020 Nintendo

『牧場物語』プレイ日記 バックナンバー
▲第1回
牧場再生計画、始動!
▲第2回
ナマの玉ねぎ、ワシワシと
▲第3回
怒れるニワトリ、産卵をボイコット(1)
▲第4回
怒れるニワトリ、産卵をボイコット(2)
▲第5回
怒れるニワトリ、産卵をボイコット(1)
▲第6回
仕事の合間に……ナンパで息抜き!w
▲第7回
橋を直して、つぎの土地へ!
▲第8回
恋に落ちたのは……観光客かよ!