By まつがん
2月に発売予定のパックに収録される新カード、《大地妖魔ブラッドラサス》。このカードを使ってどんなデッキを組むべきか。
これについては、「《大地妖魔ブラッドラサス》の存在が何を可能にするか」を考えることがスタート地点になる。
そう考えると《大地妖魔ブラッドラサス》の登場は、これまで自然と闇の2色のレインボーダッシュクリーチャーは存在していなかったところを穴埋めすることとなったのだから、必然自然の4マナ域クリーチャーと闇の4マナ域クリーチャーを同時運用するデッキが候補となる。
では、自然の4マナ域クリーチャーと闇の4マナ域クリーチャーを同時運用するデッキがあったとして、その4マナ域のクリーチャーはそれぞれ何になるだろうか。
これに関しては、それらの4マナ域クリーチャーは同じマナ域であることから、同じ役割を果たす2スロット8枚を担うと考えるのが最も自然だろう。
それではこれを受けて、同じ役割の自然の4マナ域クリーチャーと闇の4マナ域クリーチャーといえば何が挙げられるだろうか。
最初に私が考えたのは、《虹速 ザ・ヴェルデ》と《死海秘宝ザビ・デモナ》だった。
これだけだと「一体どこが同じ役割なのか?」と思われるかもしれない。だが、《虹速 ザ・ヴェルデ》はバトルゾーンにおいては全ての文明を持ったコマンドであり、また《死海秘宝ザビ・デモナ》は自身を破壊することで超次元ゾーンから火闇のコマンドである《STARSCREAM -ALT MODE-》を呼び出せる。
そう、すなわち。
《轟く侵略 レッドゾーン》と《S級不死 デッドゾーン》とを同時に搭載したデッキが爆誕するのでは???🤔🤔🤔
これが《虹速 ザ・ヴェルデ》《死海秘宝ザビ・デモナ》同時採用の真意である。
《熱き侵略 レッドゾーンZ》の殿堂によって、《轟く侵略 レッドゾーン》は(実質)T・ブレイクが可能な2スロット8枚を埋めるための相方を失ってしまった。そこでその穴を《S級不死 デッドゾーン》で埋めることで、安定した動きを取り戻すことが可能になるという発想だ。
だが、このコンセプトには一つ問題があった。
《死海秘宝ザビ・デモナ》から出せる《STARSCREAM -ALT MODE-》と違い、《虹速 ザ・ヴェルデ》はあくまでただのマッハファイター持ちというに過ぎないので、「《轟く侵略 レッドゾーン》と《S級不死 デッドゾーン》の進化元になれる」という点は良くても、「3打点で即殴れる」という点では《死海秘宝ザビ・デモナ》と同じ役割を果たすことができないのである。
もちろん《死海秘宝ザビ・デモナ》と同じ役割を果たすカードとしては《超次元パワード・ホール》という選択肢もある。だがその場合、《大地妖魔ブラッドラサス》である必然性が明らかになくなってしまう。
なぜなら、2マナ域のブーストは《超次元パワード・ホール》のコストは軽減できないので、「バトルゾーンに残り、《死海秘宝ザビ・デモナ》のコストを軽減できる」カードであれば最低限問題ないことになり、そうなると《一撃奪取 ブラッドレイン》でもよくなってしまうからだ。
だがそうなると、「同じ役割の自然の4マナ域クリーチャーと闇の4マナ域クリーチャー」の探し直しということになってしまう。そして、《虹速 ザ・ヴェルデ》と《死海秘宝ザビ・デモナ》以上にその条件に当てはまるクリーチャーなど見つかるはずもない……と、一時はそう思った。
しかし、ここで私は気づいてしまったのだ。
聞けば誰もが納得せざるをえない、この世の摂理に。
T・ブレイカーを2体並べて殴れば相手は死ぬのでは???🤔🤔🤔
そう、ゴリラである。
現代社会では暴力を振るうことは原則として禁じられている。だが、ゲームの中でゴリラになることについては誰も止めることができない。人は誰しもゴリラになれるという基本的人権を有しているのだ。ならばゴリラになってT・ブレイカーという暴力で対戦相手を殴りつけ、屈服させればいいのである。
しかしゴリラ脳を捨てて冷静に考えてみると、デュエル・マスターズというゲームはたとえT・ブレイカー2体でシールドを殴ったところで勝利することはできない。シールドを割りきる2体とは別に、ダイレクトアタックを決めるクリーチャーを用意する必要がある。
そこで《龍装者 バルチュリス》ならば、T・ブレイカーでワンパン→T・ブレイカーでツーパン→《龍装者 バルチュリス》でダイレクトという美しいゴリラシュートを決めることができる。ゴリラなのでマナを払うといった難しい動作とはできる限り無縁でありたい……そんな需要とも完璧にマッチしている。
しかし《大地妖魔ブラッドラサス》から出せばデメリットを気にせずに済む《凶鬼06号 ギーコギルス》はともかく、《マファリッヒ・タンク》の方は他にパワー12000以上のクリーチャー、すなわち追加ゴリラを必要とする。自然と闇というカラーリングで、はたしてそんな追加ゴリラが存在しているのだろうか。
いた。《闇の破壊神ゼオス》だ。攻撃するたびに脇のゴリラが死んでいく迷惑ゴリラだが、どうせ3回しか攻撃しないので攻撃済みのクリーチャーを破壊すれば無問題ゴリラである。
また、《ヴァム・ウィングダム/ソニック・ダンス》は2マナでありながら追加ゴリラの資格を有する優秀ゴリラである。一応2ターン目に出すことで3ターン目に《超次元パワード・ホール》から《S級不死 デッドゾーン》を走らせて《龍装者 バルチュリス》を抱えていればうっかり3キルも狙えるのがオプションゴリラとして頼もしい。
というわけで、できあがったのがこちらの「脳筋トリプルブレイカー単」だ!
『脳筋トリプルブレイカー単』
《大地妖魔ブラッドラサス》 | |
4 | 《桜風妖精ステップル》 |
《ヴァム・ウィングダム/ソニック・ダンス》 | |
4 | 《超次元パワード・ホール》 |
《凶鬼06号 ギーコギルス》 | |
4 | 《闇の破壊神ゼオス》 |
4 | 《マファリッヒ・タンク》 |
4 | 《死海秘宝ザビ・デモナ》 |
4 | 《S級不死 デッドゾーン》 |
4 | 《龍装者 バルチュリス》 |
超次元ゾーン | |
2 | 《STARSCREAM -ALT MODE-》 |
2 | 《その先の未来へ、カミヤ・ミキ・ユア・ナルハ》 |
2 | 《時空のジキル ザビ・ガンマン》 |
1 | 《道玄坂マングース、ココ・ユユ・ドクソン》 |
1 | 《時空の喧嘩屋キル》 |
なお、新カード紹介後の回で恒例となっている対戦動画だが、現下の情勢では撮影が難しいため、今回もなしである。ご了承いただけると幸いだ。
さて、いかがだっただろうか。
《大地妖魔ブラッドラサス》が収録されているパックは、2021年2月に発売予定だ。
また、コロコロコミック2月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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