第1弾~3弾でコレクションホビーの新たな地平を切り拓き、第4弾・第5弾で売り上げを伸ばした「悪魔VS天使」シリーズ。そして、ついに人気の絶頂期をむかえる第6弾・第7弾! その裏に隠された制作秘話をビックリマンの父・反後さんに語っていただくっ!!
ビックリマン第18回
「第6弾制作秘話・前編! ピンチ! チョコウエハースの生産が追いつかない!!」
——聖フェニックスやヤマト王子が登場し、次界シリーズも大ヒット! ついに人気絶頂期ですね!
▲第4弾ヘッド。物語の主人公的存在だ。
▲第5弾の天使。聖フェニックスのお供として活躍する。
反後:
はい、年間4億個も売り上げることができました。
——とんでもない数字ですね!
反後:
しかし、ここで問題が発生するんです。チョコウエハースの生産が追いつかない。当時、欠品を出してしまうと流通さんや問屋さんから大クレーム、小売店さんではもう扱ってくれなくなるかもしれない…という緊急事態でした。そこで、ビックリマンアイスやスナックを販売することにしたんです。
——なぜシールのラインナップを第1弾や第2弾のものにしたんですか?
反後:
途中からシールを集め出した子供たちから、最初のシールが欲しい…という声が届いたんです。
——たしかに! スーパーゼウスやシャーマンカーンなど、もうチョコでは手に入らなくなったヘッドを手に入れるチャンスが再びきてうれしかった!
反後:
新たにシールを集め出す子供も増えました。
——ますます人気が拡大したんですね。
反後:
新しいお客さんが増えるたのは嬉しいことなんですが、このままチョコの方のストーリーを進めていくと、アイスやスナックから集め始めた子たちを置いて行ってしまうことになる…。
——たしかに、集め始めたばかりの子に“次界”とかいってもわかりませんもんね。
反後:
そこで第6弾ではストーリーを進めないことにしたんです。たとえば、ヘッドはスーパーゼウスを知ったばかりの子に少しでも馴染みがあるようにと、双子のブラックゼウスにしたんです。
——ビックリマンの中でも最高クラスの人気キャラが、そんな風にして生まれたんですね!
反後:
その他、天使たちも過去弾から人気のあったものをパワーアップさせて再登場させました。
▲第1弾・十字架天使 → 第6弾・クロスエンジェル
▲第1弾・ニンニク満助 → 第6弾・忍ニク満
▲第1弾・魔人ドジキュラー → 第6弾・どらQ魔
——きちんとキャラの面影を残しつつパワーアップ感もありますね。まったくの新規キャラを出さず、今いるキャラクターをパワーアップという形で再登場させたんですね。とても素敵な試みだと思います!
反後:
これでアイスを買ってシールを手に入れた子が、チョコのシールでのストーリーにもすんなりと入ることができたんです。でも、新規のキャラがいないわけじゃないんですよ。チョコをずっと買い続けてくれている子供たちのために、聖フェニックスのおともをする新しい神子を追加しているんです。
▲第6弾の天使。のちにヤマト王子たちに合流する。
——たしかに、いたーっ!! 国民的な人気を獲得してもユーザーに寄り添う考えは変わらない…これこそビックリマンがヒットした最大の理由だと思います!!
(第19回「第6弾ヘッド! ブラックゼウス誕生秘話!!」につづく!)
待望の最新弾、ついに聖誕!!
ビックリマン 悪魔VS天使 第33弾11月20日発売決定!!
「悪魔VS天使」シリーズに続くストーリーがついに動き出す!
悪魔・お守り・天使が平和に暮らす新創出された楽園・ジオ界に悲劇が起こる!?
<オープン価格>
(C)LOTTE/ビックリマンプロジェクト
反後 四郎(たんご しろう)プロフィール
1949年、熊本出身。早稲田大学法学部卒業後、株式会社ロッテに入社。85年にメインスタッフとして参加した「悪魔VS天使シリーズ」をヒットさせる。当時はコロコロの誌面に「反後博士」として登場した。