1発勝負の甲子園を勝ち抜くための練習方法とは?
――甲子園に向けてチームとしてはどういった練習をしていったんですか?
ミリンケーキ:僕がどんどんいろんなところに対抗戦を頼んだり、SNSで募集したりといった形で、とにかく実戦を重ねていきました。対抗戦はわりと知名度のあるチームとやるんですけど、ちょこちょこ負けたんですよね。負け越しはないんですけど、1本や2本は落とすんですよ。でも、負けると改善点が生まれるというか、このブキはこうしたほうがいいんじゃないかとか、あのブキがいるときはこうしたほうがいいねとか。強いところとか、有名なところってちゃんと強い編成でやってくれるので、そこで自分たちのウィークポイントをしっかり見極められたのがよかったですね。あとは、こういう言い方は失礼ですけど、あまり有名でないチームとも対抗戦をやって、しっかり全勝できるかというのを試したりとか。やっぱり、ノーマークの相手にぽこっと負けるのが1番ダメなので、そういう練習も一応しておきました。
あとばる:甲子園に向けての練習だと、自分たちも同じようにやっていますね。対抗戦の場合、甲子園は全8ステージあるので(甲子園ではあらかじめ決められた8ステージの中から、試合ごとにランダムでステージが決定する)、基本的に全ステージを1試合ずつ、合計8試合やることになるんですけど、そこで全勝できない……たとえば1本落としたとなると甲子園でも8分の1の確率で負ける可能性があるわけじゃないですか。それはやっぱり怖いので、いわゆる強豪と呼ばれるようなチーム以外とやるときは絶対に8-0で勝とう、という意識で練習しています。もしそこで負けたステージがあれば、そのステージについてはもっと改善していかないといけないな、と。ただ、ミリンケーキくんみたいなチームとやるときは、もはや地区予選レベルではなくて全国大会のレベルなので、そういうところとやるときは試合を落としてもいいから、もっと先を見据えた練習をしようかという話はしていますね。
ミリンケーキ:結局、地区予選でもほぼ無敗で行かないと優勝はできないので。甲子園は1発勝負なので、ホント怖いんですよ。
あとばる:甲子園ならではの緊張もありますし、相手は僕らのことを知っていて、「絶対に倒すぞ」という感じでくるんですけど、僕らは相手のことを知らないのでそういう怖さもあります。ただ、それも込みで、自分たちが圧倒的な力を見せて勝てればいいなとは思います。
▲記事冒頭動画の13:21より引用。
――信越地区大会を終えてみて、チームとしての反省点というのはありましたか?
ミリンケーキ:そうですね。全体的に普段の実力をしっかり発揮できたと思うんですけど、準決勝のハコフグ倉庫で1度危ないシーン(※)があったので、相手のキーになるブキは注意して見ていこうというのは反省点としてちょっとだけありました。
(※残り30秒を切ったところで相手のローラーにより味方が連続で倒され、敵に一気に押し込まれるシーンがあった)
――確かに、大会を通して、唯一危ない場面があったのがこの試合でした。
ミリンケーキ:終盤に押し込まれたけど、ギリギリで相手を全員倒せて。ヒヤッとしたシーンでしたけど、なんとか踏ん張れた感じでしたね。
――“えふわんけーき”の試合運びについて聞きたいのですが、どの試合も開幕から攻めて相手のキルを取り、優位な状態をキープしたまま勝つという形でした。あれは最初からキルを取りに行こうという作戦だったんですか?
ミリンケーキ:そうですね。最初は前に進んで、出てきた相手を倒すという形にしています。全員で自陣を塗ってから攻めるというやり方をもあるんですけど、それをやると相手に先手を与えることになるので、基本的に自分たちはそういう戦い方はやっていないですね。ナワバリバトルの戦い方についてはいろいろ研究したんですけど、個人的には最初は戦ったほうがいいと考えているので、前に出る形でやっていますね。
――トッププレーヤーの間だと、開幕から攻めていくというのがわりと定番の作戦なんですか?
あとばる:うーん、そこは人それぞれですね。
ミリンケーキ:チームによりけりですね。
あとばる:ミリンケーキくんのチームは、どちらかというとイケイケでくるタイプなんですけど、僕らのチームは編成にチャージャーが入っているので、どちらかというとディフェンシブな形が多いですね。大まかに言うと、ミリンケーキくんたちのチームは「どれだけ敵側の陣地を荒らせるか」という感じの戦い方だと思うんですけど、僕らは逆に「どれだけ自分たちの陣地を荒らさせないで拮抗しつつ、それが崩れたときに一気になだれ込むか」みたいな戦い方というか。
――なるほど。具体的には、チャージャーがやられないように立ち回るという感じですか?
あとばる:うーん、というよりは、相手を味方陣地に抜けさせないようにすることが大事なんです。チャージャーは射程という強みはあるんですけど、あまり塗れないことと、ある特定のポイントしか見られないという弱みもあって。あと、どうしても前線の人数が少なくなりがちなので、抜けられると厳しいんですよ。いまのところそれがちょっとネックになってるんですけど、そこをうまく修正できたらいいなとは思っています。
・えふわんけーきはフェスの猛者が集まったチーム
・練習試合の敗戦からチームのウィークポウントを見極めて改善せよ!
・チームの編成に合わせた戦略を考えることが大切!
次回も引き続き、あとばるさんとミリンケーキさんの対談をお届け! 甲子園でも大人気のシャープマーカーネオや、巷で強いと言われているオーバーフロッシャーといったブキについても語ってもらったぞ! <第10回に続く>