『ゾイドワイルド』開発者に迫る!
第3世代開発メンバーの中心人物「片山周」さんが登場!!
○月×日
今回コロコロオンライン編集部がタカラトミー本社にやってきた理由…。
それは、2人のクリエイターからお話を伺うためだ。
1人は、前回の「限界ロングインタビュー」で『ゾイド』のありとあらゆる話を語っていただいた、レジェンドクリエイター「徳山光俊」さん。そしてもう1人は、シリーズ最新作『ゾイドワイルド』からの開発メンバー、第3世代と呼ばれる若き才能「片山周」さん。
2人の新旧『ゾイド』クリエイターのそれぞれの目線から、さまざまなお話を聞いていきたいと思う!
通された会議室のテーブルには『ゾイドワイルド』のホビーがズラリと並ぶ。
メチャメチャ触りたい……そんな本能を解放しないよう、気持ちを抑えながら待機していると、ガチャっと扉が開く!
初代『ゾイド』を手がけた徳山さんの姿が!!
——お疲れ様です! 本日もどうぞよろしくお願いします!
徳山光俊(以下、徳山):
はいよろしく! えー、今回は9回目の連載だっけ? それはこの間のやつだっけ? まあ、今日は若手もいるんでね。いろいろな話ができるかと。それで今回の——
今回も出たーー! 徳山さんの、座る間もなく繰り広げられるSST(スピードスタートトークの略。なお、スキル名はこちらが勝手に考えて付けた)! このままでは数時間立ち話になってしまう!!
——と、徳山さん、立ち話もなんですので、どうぞお掛けください。
徳山:
おー、そうね~。よいしょっと。
徳山さんの着席に安堵するコロコロオンライン編集部。そして、そのタイミングでもう1人の主役が姿を見せた!!
第3世代とよばれる『ゾイドワイルド』を手がける若手クリエイターの片山さんだ!!
——本日はよろしくお願いします! 今回は新旧のクリエイターのそれぞれの目線で『ゾイド』についてお話を聞けたらと思っています!
片山周(以下、片山):
はい。よろしくお願いします。
——それでは初めに、お二人はどのような形で『ゾイドワイルド』に関わられているのでしょうか?
徳山:
僕がまず基本となるゾイドのベースをデザインしています。そこから第2、第3世代のメンバーを中心に具体的に商品に向かっていくという感じですね。若手の現場をやっている片山くんからいろいろ聞いていただけたらと。
——片山さんが『ゾイド』に関わられたのはいつぐらいからでしょうか?
片山:
丁度、私がボーイズチーム(男児向けホビーを開発する部署)に来たのは1年前の5月で、骨子はできている状態でした。ゾイドを任せられること自体もその時初めて知りました。
——そうなんですね。長い歴史のある『ゾイド』の最新作の担当になった時はどういう心境でしたか?
片山:
いや、もうやりがいしかないなと。あっ、今も同じ気持ちなんですけども(笑)。でも、少しは不安もありましたね。なんせ長い歴史があって、旧作からのファンも多いですし。
また、昔と違って、今はSNSがあるので、良い評価も悪い評価もそこで広まっていっちゃうっていうのもありますし。
——個人の発言が世の中に発信される時代ですものね。
片山:
積み上げられてきたものを崩さないように努力しないとなっていうのはありますね。
——ゾイドというコンテンツは片山さんご自身は通られたことはあるんですか?
片山:
通ってはいるんですけど、自分では持っていなくて友達の家にあって。お金持ちが持っているものを遊んでいたっていう(笑)。
(一同笑)
——そうですよね、物によってはなかなかなお値段が(笑)
片山:
ゼンマイ式の物より、モーターで稼動する方がカッコイイなって思ってたんですよね。
——子供だとなかなか手の届かないやつですね(笑)
片山:
そうなんですよね(笑)。
徳山:
おばあちゃんに(買ってって)言わないと。
(一同笑)
——骨子が出来ている状態でチームに入られたとのことですが、企画に携わっていく時に一番苦労したり、難しかった部分っていうのはありましたか?
片山:
そうですね、昔からそうなんですけど、機構とデザインが常に表裏一体みたいな感じなので、”こうやって動かしたい”って思ってもデザインが伴ってないと…っていうせめぎ合いというか、そこが一番難しいですね。
——なるほど。それは動物モチーフならではの難しさなのかもしれませんね。
片山:
それと、デザインとギミックが表裏一体と言いましたが、ワイルドブラストっていうのがアクションの一つに今度加わっているんで、そこも一緒に考えていくっていう意味でのデザインが難しいと思っています。
——確かに。ワイルドブラスト状態も含めてのデザインですものね。これは生みの難しさが伝わってきますね。
まだまだ聞き足りないけど、今回はここまで!
次回は『ゾイドワイルド』ならではの進化したポイントを聞いていきたいと思う!
第2回に続く
徳山 光俊(とくやま みつとし)
『ゾイド』立ち上げに携わったスタッフのひとり。『ゾイドワイルド』ではゾイドの
デザイン原案を担当。溢れんばかりの『ゾイド』愛を若い世代に伝えるべく奮闘中。片山 周(かたやま しゅう)
『ゾイドワイルド』から開発に携わる若手の第3世代。これまでになかった新世代のゾイドの数々をデザインしている。サソリなどの不気味なモチーフのデザインが得意だとか。