こだわりにビックリ! イラスト&シールデザインに携わったクリエイターのお2人に語ってもらった!!
緊急スクープ!!ビックリマンのオリジナリティあふれるイラストを描き上げ、シールのデザインまでを手掛けた、株式会社グリーンハウスの米澤稔氏(写真、左)と兵藤聡司氏(写真、右)へのインタビューにコロコロオンライン編集部が成功したぞ!!ってことで、前回予告していた「2度ビックリ! 第2弾の秘密」の前に、2人のクリエイターに聞いてきた当時のシール制作に関するお話をスペシャル掲載!!
第5回「第一弾の悪魔にスーパーゼウスのライバルがいた!? 知られざる設定の秘密がここに明かされる!!」
――もともとお2人と「悪魔VS天使」シリーズの出会いはどのようなところから??
米澤「うちで食品関係などの商品のパッケージをデザインしてまして、ビックリマンチョコもそのひとつで、パッケージの販促物という形でシールも手掛けることになりました」
――あくまでも、パッケージがお仕事のメインだったんですね。
米澤「そうです。おまけとしての仕事だったので、そんなに重要視してなかったんですよ。それがまさかの大ヒットで、正直驚きましたね」
――はじめはどのような取り組みを?
米澤「まだ企画段階のときに、少しのキャラクター原案をのせた、悪魔VS天使の構図を描いた簡単なパネルを作りましたね」
――それは反後さんが小学生に調査したときに使ったものですね(くわしくはコチラ )。そこにはどんなキャラクターがいましたか?
米澤「スーパーゼウスはもちろんいて、あとは、お救い観音・お助さん・お邪魔王の3すくみと…」
兵藤「十字架天使・ニンニク満助・魔人ドジキュラーもいましたね」
――けっこうな数のキャラクターがいたんですね。
米澤「パッケージにも使われるということで、納期が短いなかで作った割にいいものができましたね」
――お邪魔王って、当時、名前に「王」とつきますし、悪魔の中でも特別な存在なのかなって思っていました。
米澤「それはあながち間違いではないですね。悪魔VS天使という設定なので、スーパーゼウスに対抗するものとして、お邪魔王を発想しました。もちろん設定上だけで、実際のストーリー上はその通りではないですけどね」
――お邪魔王はスーパーゼウスのライバルだった!!?
米澤「何度もいいますけど、キャラクター原案を出すための、設定上でだけですよ。スーパーゼウスの方が圧倒的に強いですし」
――興奮してしまってすみません! 話を戻しますと…そのパネルの甲斐もあって無事に商品化が決まったんですね!
米澤「そこからは、ひたすらキャラクター作りですね。弊社や反後さんのアイディアをイラストに起こしていきました」
兵藤「私ははじめにアシスタントとして参加しましたね。米澤さんのチェックが厳しくて大変だった(笑)」
米澤「イラストを提出すると、反後さんからの修正がFAXで送られてくる。その内容がぜんぜん意味が分からなくて苦労しました(笑)」
――お2人なら何とかしてくれるだろう…という、反後さんの信頼を感じますね!
名前の書き文字にもヒケツが!?
――イラストが完成したら、いよいよシールのレイアウトですね。ビックリマンってイラストもですけど、この名前の描き文字にインパクトがあったと思います。
米澤「名前はありもののフォントは使わず、1文字ずつデザインしていました。そのキャラクターのイメージを文字でも表していたんです」
▲天使は角ばった書体に安定感を、お守りの丸い書体に親しみやすさ、悪魔は尖った書体に怖さを感じる。
米澤「3すくみのマークも、そのテーマに合うように考えたんですよ」
――イラスト、文字、マークの三位一体で素晴らしいシールが出来上がるんですね。
米澤「キャラクターのサイズも重要なんです。ただスペースいっぱいに入れればいいというものではなく、お守りならあえて余白を作ることでそのキャラクターの間みたいなものを表現できるんですね」
――なんとなく見ていたシールにもたくさんの工夫が施されているんですね。
米澤「それは私がデザイナーでもあるからできたんだと思います。キャラクターを描くだけでなく、レイアウトするところまで自分でやるから、シールになったときの見せ方までトータルにこだわることができました」
――「悪魔VS天使」シリーズのシールが他の類似商品の追随を許さなかった理由がわかった気がします。
印象に残った第1弾のキャラクターは…
――第1弾のキャラクターでとくに印象に残っているものを教えてください!
米澤「やっぱりスーパーゼウスですね。ひと口に“神様”っていわれても絵にしにくいじゃないですか。だからいろいろな神話の本を読んだり、阪神ファンだったので、当時、神がかり的に打っていたバース選手も潜在的に刷り込まれているかもしれませんね」
兵藤「ぼくは、お助けさんですね。シンプルな顔なので簡単に描けるように見えるけど、じつはシンプルなものほど難しい。顔のパーツの位置や線の太さ、それだけでぜんぜん印象が変わってくるんですね。何度も直して面倒でしたね。面倒なものほど印象に残る」
――馬鹿な子ほど可愛いなんていいますが、手間のかかったキャラクターこそ印象に残るんですね。ビックリマンのキャラクターは、お2人にとって子のようなものなんだと思います!
(第6回「シール作りの極意を深掘り!」につづく!)
米澤稔(よねざわ みのる)プロフィール
●1954年兵庫県姫路市生まれ。1977年(株)グリーンハウスに入社。ビックリマン「悪魔VS天使」の全キャラクターイラストを制作。
兵藤聡司(ひょうどう さとし)プロフィール
●1963年兵庫県尼崎市生まれ。1984年(株)グリーンハウス入社。アシスタントデザイナーを経て、「悪魔VS天使」のキャラクターイラスト制作に関わる。
ビックリマン伝説11チョコ7月17日発売!!
「ビックリマンブーム」時代の復刻シールがついてくる「伝説シリーズ」の最新弾が7月17日から発売になるぞ! 今回の「ビックリマン伝説11」は、悪魔VS天使シリーズの第13弾のシールが復刻版でついてくるのだ! 懐かしのシールで、キミもビックリしよう!
<各86円>
※東京圏・関東信越(静岡含む)先行販売。
(C)LOTTE/ビックリマンプロジェクト