やり込んでます!
緊急事態宣言が継続していた1ヵ月ほどの期間、もっとも時間を割いて遊んだゲームって、なんですか?
……ふむふむ。『あつまれ どうぶつの森』ね! わかるわかる! 俺も毎日欠かさずプレイ日記を書いているくらいなので、費やしている時間はハンパないと思うわ。マイホームや島そのもののレイアウトに凝り始めると、ホントに一生続けそうになっちゃうし。
……ほうほう、あなたは『ファイナルファンタジーVII リメイク』ですか! うんうん! わかるよ!! 俺も先日、エンディングを迎えて、長編映画を観終わったあとのような、独特の感慨に浸っていたところだから。あのゲームは……スゴいね。ゲームの枠を超えた、“映像の何か”だね(意味不明)。よって俺も『FFVII リメイク』には、相当な時間を投資したと思いますわ。
しかし。
よくよくプレイ時間を見ると、“ここ1ヵ月間”という限定戦であれば、上記2タイトルよりも集中して遊んだゲームがある。
それは……スクウェア・エニックスから4月24日に発売されたプレイステーション4用ソフト『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』であります!!
いやあ、まさかこれほどハマるとは、正直夢にも思っていなかったわ。
王道のアクションRPG
誤解を恐れずに言うと、じつは『聖剣伝説3』は“つなぎ”で遊ぼうと思って買ったゲームだった。
フルリメイクされているとは言え、もとは1995年9月に発売されたスーパーファミコン用のソフトだし、間違いなく俺も1回は遊んでいるし。
そういう意味では“温故知新”じゃないけど、懐かしのゲームを遊んで当時のことを回想し、古くからの同僚たちと親交を深めようかなぁ……なんてことを考えていた。言ってしまえば、流行り(なのかどうか知らんが)のリモート飲み会のネタにでもなればいいかな……ってくらいのスタンスだったと思う。
なので遊び始めた当初も、向き合い方は超絶テキトーだった。
アクションRPGなので、「ボタンをガチャガチャ押してりゃなんとかなるだろwww」ってくらいの感覚で、戦術も戦略も考えずに脳筋プレイに終始する。
ふむふむ……。
この、攻撃している感じが手に伝わってくるような、リアルな感覚がじつに気持ちいい。アクションが軽く、技も出しやすい、純粋無垢なアクションRPGってところか。
この段階ですでに、かなり心を奪われているけど(苦笑)。
そして間もなく仲間が増え、戦闘に幅ができてきた。
仲間の行動は、簡単なものながら“指令”を与えることができる。たとえば、“回復薬が残り3個になるまで、アイテムは使ってもヨシ!”なんてね。これによりさらに、戦闘が楽しくなってしまった。
……この段階で、“つなぎで買ったゲーム”という感覚は消えている。つまり、“のめり込んだ”ってわけだ。
古いけど、新しい
『聖剣伝説3』はフルリメイクではあるが、ゲーム全体から漂ってくる“レトロ感”は隠しようもない。
たとえば、新しい町に着いて武器屋に行くと、パーティーメンバー全員分の“ちょっとだけ強い武器”がひと揃い売っていたり^^; かつてのRPGでよくあった、
「新たな町で最初にやることは、武器と防具の刷新」
が、『聖剣伝説3』では連綿と行われているのである。
また宝箱の隠し場所も、
「この道、行き止まりだけど、絶対に最奥に宝箱があるわwww」
と思った場所には100%置かれているし。
こう書くと、
「レールに乗っかるだけで、自由な要素がないじゃん」
と思われてしまいそうだが、じつは決してそんなことはない。確かに全体的な雰囲気は画一的な感じがするが、こと“キャラメイク”に関しては昨今のゲームにまったく引けを取らないほど、『聖剣伝説3』は充実しているのである。
枝分かれする転職のルート。
ポイントの割り振りにより揺らぎが生まれる、キャラクターの能力。
ここでアレコレと考えているだけで日が暮れてしまいそうなほど、キャラ育成は凝っている。俺はもともと揺らぎのあるキャラ育成が大好きなので、この要素に触れただけでも、
「やっぱ、買って正解だったなwww」
と思ってしまったよ。
難しいことを考えず、王道のアクションRPGを遊んでみたい……と思ったら、ぜひとも『聖剣伝説3』を選択肢に入れてほしい。
“古いけど、新しい”
そんなゲームの姿を見られると思うので。
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
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