家から出られないので
コロナ禍の影響で、ここ3週間くらいほとんど家から出ずに原稿とゲームに向き合っている。俺はゲームをプレイして記事を書くことがメインの仕事だったりするので、そういう意味では大きな影響はないかなと思っていたんだけど……まったくそんなことはなかったわ。そもそもゲームメーカーも多くはリモートワークで取材できないし、イベントは軒並み中止だし、販売店に行くのもはばかられるのでゲームの購入はもっぱらDL版だし……と、完全に足が封じられてしまっている。日本どころか、世界的にそうなっているんだから泣き言も言っていられないんだけど、1日も早く“コロナ以前”に戻って、アチコチに取材で飛び回りたいなぁ……。
でもしばらくは身動きが取れないので思いっきり開き直り、時間の許す限りいろんなゲームに手を出そうと思う。
今回紹介するタイトルも、「目についたものは、片っ端からダウンロードしてやるぞ!!」という方針のもと、ニンテンドーeショップでポチっとしてしまった作品だ。
インディータイトルを衝動買い
「なんかいいゲームがないかなぁ……」
最近、口癖になっているこのセリフをつぶやきながら、PS Storeやニンテンドーeショップ、Steamなどを巡回するのが日課になっている。
今朝も、同じ調子でネットショップをパトロールしていたんだけど、ニンテンドーeショップに入ってすぐに、
「おや??」
と目が止まった。眼前にあったのは、↓このタイトルである。
「『ITTA』……? これがゲームのタイトル?」
開発はGlass Revolverというデベロッパーで、販売はArmor Games Studios……というらしい。価格は1520円(税込)というリーズナブルなもので、いわゆるインディーズタイトルのようだ。配信日は……。
「4月22日発売って……え、今日じゃんそれwww」
なんと、配信ほやほやのブランニュータイトルでありました。
より興味をそそられて画面写真を見ると、水彩画のような淡い色使いと線の少ないシンプルな絵柄がなんとも上品で、生まれたときから品がいい俺にピッタリな気がする。さらに、ゲームの説明を見ると……。
「……え?? こんなおとなしい感じの見た目なのに“弾幕アクション”って書いてあるよwww」
そう、『ITTA』は予想に反した弾幕系のアクションゲームらしいのだ。こういったギャップを突き付けられたとき、ゲームジャーナリスト(かっこいい)が採る行動はひとつしかない。
「これもう、買うしかないじゃんw」
というわけで、1秒たりとも逡巡せずダウンロードしてしまいましたw
じつは……弾幕なんです
そして始まった『ITTA』だけど……これはなんというか、じつに不思議なゲームだなあ。
オープニングで主人公“イッタ”のまわりにあるのは、血まみれの家族の姿。すでに息はないようだ。しかもイッタには記憶がないらしく、自分が置かれている状況をまったく理解していない。本人が何もわかっていないんだから、いま来たばかりの俺にわかることなどひとつもないのは当然のことである。
で、妙なネコの幽霊(?)とともに冒険に出るんだけど、
道中は静かな道を進むだけで……取り立ててハプニングが起こるわけでもない。『ICO』とか『ワンダと巨像』を思わせる淡い世界を、テクテクと歩いていくだけなのである。
しかし、まもなく静寂は打ち破られる。
いかにも怪しい広い空間に出たとき……唐突にボスバトルが始まるんだよコレが!!w
それも、これまでの歩みの運動エネルギーを1としたら、急に1000くらいの激しいボスバトルに放り込まれるってんだから恐ろしい。
しかも、“弾幕アクション”の看板に偽りナシの弾幕っぷり(苦笑)。
イッタは、ショボいリボルバーによる攻撃と、追い詰められたときにくり出す回避行動だけを武器に弾幕ボスと激しく戦う。
そして--。
死ぬ^^;;;
って、もうちょっといろいろ情報くれよ!!!w
素朴な魅力
この後も、イッタはゆるゆると旅を続けながら、ギャップ率1000%のボスとの弾幕シューティングをくり返していく。
徐々に明らかになるナゾ。不思議な登場人物たち。そして……じつは非常によくできている弾幕なボス戦と、『ITTA』にはなんとも言えない素朴な魅力が詰まっている。
前述の通り、『ITTA』は1520円(税込)とリーズナブルなので、ちょっとでも惹かれた人は遊んでみてください!
大塚角満(おおつか・かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。 |
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