死神・黒城のキャラクターが確立した瞬間!
『デュエル・マスターズ』作者・松本しげのぶ先生セレクション“黒城凶死郎編②「努力のはてに・・・!!」!!
死神・黒城のキャラクターが確立した瞬間! 『デュエル・マスターズ』作者・松本しげのぶ先生セレクション“黒城凶死郎編②「努力のはてに・・・!!」!! |
松本:このお話は命のやり取りを描きました。”カードゲームを描いてる”という気持ちでは、さらさらなかったです。
だから、ここでの黒城は本当に死神としてキャラクターを確立しています。それはもう、相手をほんとに殺す勢いですよ。
松本:そこでミミちゃんはどれだけのことができるんだろうってなりました。
このお話でミミちゃんが真のデュエリストになるんですけど、そうなった時点でやっぱり「黒城にも負けないところまで引き上げてあげたい」「カリスマキャラに匹敵するところまでもってきてあげたいな」と思って描いていて、それを表現するにはいったい何がいいだろうと思った時に「ありがとう、死神くん♡」ってセリフが出てきた。
この言葉で結局、黒城より上を行ったんだろうなって思ったし、女の子の気持ちっていうのも前面に描いているので、なかなかコロコロでは珍しいと思いますね?
——珍しいことだと思います。ヒロインとしての立場ってよりは普通にみんなと「同じキャラクター」「立たせるキャラクター」って考えるとなかなかないと思います。
松本:そして、このお話で「悪魔神バロム」にやられる「シビレアシダケ」のなかに骨があるっていうのは割と爆笑しながら描きましたね(笑)キノコに骨あるって(笑)
カード販売の関係でデュエル内容が変更!?
『デュエル・マスターズ』作者・松本しげのぶ先生セレクション“白凰編①「交錯する想い」!!
カード販売の関係でデュエル内容が変更!? 『デュエル・マスターズ』作者・松本しげのぶ先生セレクション“白凰編①「交錯する想い」!! |
松本:本来なら白凰様と牛次郎のデュエルを2回戦で行う予定だったんです。でも、牛次郎がケガをしたため、ミミちゃんと黒城のデュエルに入れ替わりました。
これはなぜかって言ったら、カードの販売の関係なんです!
先のお話で活躍する「聖霊王アルカディアスを後に登場させたいから、入れ替えてほしい!」って言われたんですよ。
松本:でも、これによって、3回戦が先になる。そうなるとトーナメント表が読みにくくなるんです。そういう偶然もあってよりストーリーが複雑な展開になった。
初めてトーナメントバトルを描いたので、「これって先の展開が読めるじゃん」という思いがあったので、「読者に展開を読ませない」というのは一番に考えてたんです。だけど、まさかのカード販売のために入れ替わるとは……。
——読者的には先が読めませんよ。
松本:読めない。僕もカードの販売のために変更になるとはわからなかった。
そして、その入れ替わった理由を考えなきゃいけない。その理由も面白くなかったらいけないし、それもすごいアイデアを考えましたね。
——インタビューでもありましたが、強制的に何かアイデアをひねり出さなきゃいけない状況がライブ感に繋がるわけですね。
松本:そうですね。
それで、入れ替わった牛次郎と白凰様のデュエルをまさかのトーナメント上でやらずに、裏デュエル、場外でやる。なんで場外にしたかっていうのは前の話と同じなんですけど、命のやり取りを描きたかったんですよ。
大会会場だといろいろ制約が伴うので、それを逸脱したものを描きたかった。
だから、あえて外で行われる命のやり取り。例えるなら、校舎裏のタイマンだからちょっと怖いなっていうのを描きたかったんですよ。
「こいつら本気だな」っていうのを。
——この時は場外デュエルを仕掛けられた白凰様は人質を取られて、なかなか攻撃に回れない感じでした。
松本:そして、一番最後のページで「パーフェクトデュエルを開始する」と宣言。
そして、このお話を描いている時、インフルエンザにかかってたんです。インフルエンザにかかって、もうめちゃくちゃ大変で、40度の熱の中で描きました。だから、ちょっと絵が荒れてるんですよ。
——そのなかでも、まんがを描く松本大先生! すごい……すごすぎる。
松本:本当にぶっ倒れそうになって、「頼むから倒れさして!」って気持ちで描きました。描いてたなー。
やっぱり白凰と牛次郎は「最低のデュエリスト」と「最高のデュエリスト」を戦わせるのはすごい面白いなって思って、お互いどういう風に見えてるのかなっていうのは重点を置いて描きましたね。
——もともと神殿編では身近にいた存在ですからね。
松本:さらに利用し、されてた間柄なんで、これはトーナメント表書いてからのすごい描きたいテーマでした。
締め切り日に突然2ページ追加依頼が発生!?
『デュエル・マスターズ』作者・松本しげのぶ先生セレクション“白凰編②「友を守るため…不敗の誓い!!」!!
締め切り日に突然2ページ追加依頼が発生!? 『デュエル・マスターズ』作者・松本しげのぶ先生セレクション“白凰編②「友を守るため…不敗の誓い!!」!! |
松本:これは原稿が出来上がった時に、編集者さんに「2ページ足りない」と言われたんです。
足りないからどこか2ページ挟んでくれと言われても、もう締め切りの日ですよ? あと5、6時間で描いてって……でも、なんとか仕上げました。
松本:ほんと唐突なんですよ。それで挟まれたのが、このギャグのページ。これはもう読んでる子も唐突だったと思うんです。
——真剣なデュエルの最中にこのギャグページ。
ですが、牛次郎だからこういうノリでもそこまで違和感なかったと思いますよ。牛次郎も白凰様を倒したいっていう思いがあったので、その喜びはこういう風になるんだって感じでしたね。
松本:コロコロですからね。それだけに尽きる気もします。
最低と最高のデュエリストが生み出すコントラスト!
『デュエル・マスターズ』作者・松本しげのぶ先生セレクション“白凰編③「衝撃の結末!? 白凰VS牛次郎戦」!!
最低と最高のデュエリストが生み出すコントラスト! 『デュエル・マスターズ』作者・松本しげのぶ先生セレクション“白凰編③「衝撃の結末!? 白凰VS牛次郎戦」!! |
松本:最低と最高のデュエリストを戦わせ、白凰様をいかに完璧な人として描けるか。デュエルが強く、すごく優しくて仲間思いな白凰様を、とことんまで完璧なキャラクターにしました。
そこには相手(牛次郎)が最低なやつである必要がある。彼の引き立てがあると、こんなにもキャラクターのコントラストが激しくなるんだと、自分で描いていてすごく勉強になりました。
想像以上に引き立てあいましたね。このエピソードの白凰様はもう聖人として描こうって思いましたね。
松本:そして、子ども達に牛次郎が大人気なんですよね。
マジック:ザ・ギャザリング編で初めて一位とったのが牛次郎の回ともあって、何回も活躍させたくって、今回のお話で「やっと牛次郎が描ける!」とあって嬉しかったですね。
だから牛次郎、割と登場が長いんですよ。ほかのキャラクターたちのデュエルよりちょっとコマをおっきくして、エピソードも長めにしていました。そして、何回もアンケート一位を取りたかった! なので、サービスたっぷりで描きましたね。
エクストラコメント:
「決着!勝舞VS不亞幽戦」
——牛次郎関連で言いますと、やはりアリーナ編の決勝戦「決着!勝舞VS不亞幽戦」での牛次郎が会場にきて、「デュエルになるとアイツ!!めちゃくちゃ頭いいんだよー!!」というあの一言がすごく印象的でしたね。
松本:僕もあそこのセリフは本当に大好き!
「あの場面で一体誰が褒めたら勝舞くんてかっこよくなるのかな?」っていろいろキャラクター描いているうちに、なぜか知らないけど飛び込んできましたね。突然でした!
——すごい説得力があった感じがしました。
松本:牛次郎は人を認めなかったキャラクターですからね。絶対に人を認めない。結局白凰のこともずっと認めませんでしたからね。
唯一、勝舞くんのことだけ認めた。あの一コマだけですけどね。
エクストラコメントのエピソード「決着!勝舞VS不亞幽戦」はまんがカテゴリーの第70話「決着!勝舞VS不亞幽戦」〈前編〉と第71話「決着!勝舞VS不亞幽戦」〈後編〉の掲載期間を延長!!
ぜひ、読んでみてくれ!!
デュエル・マスターズ 第70話「決着!勝舞VS不亞幽戦」〈前編〉 |