『デュエル・マスターズ』がMTG漫画じゃなくなったワケ
——先ほど、オリジナルコンテンツの話にもなりましたが、今でも大人気の『デュエル・マスターズ』(松本しげのぶ先生)は、「MTG(マジック:ザ・ギャザリング)」で知られるウィザード社とコロコロが、共に新しいカードゲームを生み出した稀有な例ですよね。同作は99年5月号からの連載開始です。
今のコロコロ読者は知らないだろうけど、デュエマって、最初は「MTG」をプレイする漫画だったんだよね。「MTG」は、カードゲームと言えばトランプやUNOしかなかった日本に、TCG(トレーディングカードゲーム)の概念を広める、非常におもしろいものでした。
ただ、世界的に対象年齢がハイティーンなんだよね。つまり、漫画を見て「自分もやってみよう」と思った子どもがプレイするには難易度が高い。「だったら、日本の小学生にも遊べて、TCGのおもしろさを真に体感してもらえるものを自分たちでつくれないか」とウィザーズ社に相談したんです。
——その結果、生まれたのが『デュエル・マスターズ』という新しいゲームシステムなんですね!
そうです。でも、それは、たまたま僕の編集長時代に実を結んだだけで、土を耕し、種をまき、水をやっていたのは歴代の編集部員ですから。“編集長”という区切りで時代を見ると、ほかにも「ベイブレード」などのブームがありますけど、それも周りの人間が進めていたものです。僕は、最後のピースがハマる時に編集長だったというだけ。まあ、その最後にいろいろ起きるんだけどさ(笑)。
そうそう、今ってまた「ゾイド」が復活してるでしょう。
——昨年の『ゾイドワイルド』に続いて、アニメ『ゾイドワイルド ZERO』と漫画『ゾイドワイルド2』(森茶先生)が好評です。
「ゾイド」はさ、何回も、何回もブームになっているじゃない? これはブームを起こしたすべてのコンテンツに言えることだと思うんだけど、ブームが終わったからと言って力を失くしたのか言えば、そうじゃないんだよね。機をうかがって、次の世代の子どもたちに「どう?」って見せると、「ゾイド」や「ベイブレード」のように、復活してブームになる。
昔流行ったとかって、子どもたちには関係ないんだよね。「これ、カッケーーーー!!」って思った瞬間には、飛びついているわけで。「ゾイド」はね、僕が学年誌(=学年別学習雑誌)をつくっていた頃も人気でした。ホビーは全然わからないと言いましたが、当時、ゾイドのページをつくっていましたよ。