【#コロコロ500号】42年の歴史を詰め込んだ『コロコロ500号記念大年表』公開 第3弾!!(1987年〜1991年)

1991年 第153号~第164号

【1991年のトピック】キャラクターギャグ
90年代になると各テレビ局の人気番組も80年代とは様変わり。新世代お笑いタレントの冠番組もスタートし、そこで繰り広げられる爆笑コントに子供たちは抱腹絶倒。コロコロでもこのコントバラエティ人気を取り入れたキャラクターギャグが盛り上がります。
 
4月号から連載開始された「わ~お!ケンちゃん」(竹村よしひこ/2月号で読切「元気いっぱい!シムラくん」あり)は、当時の芸能、スポーツ、政治などテレビで目にする世界とリンクしたさまざまなキャラクターが登場するオールスターギャグ。また、大相撲ブームの影響から生まれた「つっぱれ!タカハナタくん」(河合じゅんじ/7月号)、「貴花田ドスコイ闘魂物語」(立石佳太/8月号)などの作品も掲載されています。
現実ではありえない人気者のドタバタギャグがたっぷり楽しめる「コロコロ」は、小学生にとってはテレビとならぶ生活必需品だったのです!

▲1991年8月号 表紙(160号)

【主な人気漫画】
3月号~ 「わ~お!ケンちゃん」竹村よしひこ
5月号~ 「ダッシュ!四駆郎2」徳田ザウルス
10月号~ 「大長編ドラえもん のび太と雲の王国」藤子・F・不二雄、「霊界教室」青木孝夫、原案:津野山久、協力:レッドカンパニー、「おれは男だ!くにおくん」穴久保幸作、協力:テクノスジャパン
11月号~ 「スーパービックリマン」おちよしひこ、脚本:窪内裕、監修:反後.
 
10月号からスタートしたギャグマンガ「おれは男だ!くにおくん」(穴久保幸作)の人気が沸騰!ファミコンなどでヒットしていたテクノスジャパンのアクションゲームを原作としながらも、後の穴久保先生作品「ポケットモンスター」(ギエピーの方)同様、くにお、りきをはじめとする憎めないキャラたちが、勢いよく暴走しまくる大ボケギャグの連打で読者のハートをバッチリつかみ、マッハパンチなみの超スピードで人気作の座に駆け上がった!!
また、前年からの都市伝説ブームを受けて誕生したのが怪奇マンガ「霊界教室」。その容赦ないホラー描写で多くの読者からトラウマ作品としても挙げられることが多い。
 
そして、ミニ四駆選手権編を終えた「ダッシュ!四駆郎」はタイトルに「2」を冠して新章「黒い風編」がスタート。ビックリマンの新シリーズ「スーパービックリマン」は、おちよしひこ先生が前シリーズとは違ったシリアスでアクション性の高い新たなビックリマンワールドを描き上げた。

▲1991年 穴久保幸作先生の「おれは男だ!くにおくん」

【主なホビー】SDヒーロー
1988年から人気となっていたのが、テレビでおなじみの人気ヒーローを2~3等身で表現した「SD(スーパー・デフォルメ)キャラ商品。「ゴジラ」や「スケバン刑事」、はたまた江戸川乱歩の「少年探偵団」など多くの作品がSD化された。
「コロコロ」によるSDキャラマンガは「ウルトラマン倶楽部」(デザイン:横井孝二)を題材にした「ウルトラ怪獣かっとび!ランド」(玉井たけし/1988年10月号~)から。初期「コロコロ」を支えたウルトラマンがSDキャラとなって帰ってきた、のである。ウルトラマンやおなじみ人気怪獣たちによる学園ギャグという親しみやすい設定から「別コロ」や増刊号をはじめ小学館学年誌でも連載される人気作となった。
 
また、類似誌でのSDガンダム人気に「コロコロ」はタカラ(現:タカラトミー)のSD玩具「プラクション」シリーズで対抗。「魔神英雄伝ワタル2 魔神開発大決戦」(青木たかお/1990年)、「パロ伝英雄劇場」(相庭よた郎/1990年)などがそれで、この年には「マシンバスター太陽丸」(イッケイカワイ=河合一慶)がある。
 
ほかにもアニメ「CBキャラ 永井豪ワールド」とタイアップした「オレは悪魔だ デビルマンくん」(槙村ただし/6月号~)、SDロボットアニメのコミカライズ「からくり剣豪伝ムサシロード」(穴久保幸作/1990年11月号~)といった作品が連載され、翌年にも「仮面ライダーSD 疾風伝説」(かとうひろし/1992年2月号~)、「鉄人28号くん」(立石圭太/1992年2月号~)といったSDヒーローたちが「コロコロ」を席巻していくのである。

▲1991年 槙村ただし先生の「おれは悪魔だ!デビルマンくん」

【1991年の世の中】
米軍などで構成される多国籍軍がイラクを空爆し、湾岸戦争が勃発
兄弟力士・若花田、貴花田人気から大相撲ブーム起こる
東京・新宿に新都庁が開庁
ジュリアナ東京
SMAPが「Can’t Stop!! -LOVING-」でCDデビュー
ソビエトが崩壊し、ロシアを中心とする独立国家共同体(CIS)が設立
 
【コロコロトリビア】ケン玉
この年、「コロコロ」が仕掛けたホビーに「ケン玉」があった。9月号には読切ケン玉バトルマンガ「フリケン龍」(三鷹公一)が掲載され、10月号からは「コロコロケン玉クラブ フリケンボール」(ひかわ博一)がスタートしている。「フリケン龍」は翌1992年3月号から連載化されたが、残念ながらホビーはブレイクに至らず。しかし、7年後に電子ケン玉「デジケン」が発売されることを考えると「コロコロ」は早かった!
 
こうしたトラディショナルな子供ホビーを現代アレンジした“リバイバルホビー作品(商品)”は「コロコロ」が得意とするところで、そのハシリとして水鉄砲の進化ホビー「ウォーターシューティングガン」を扱った「ウォーターシューティング戦隊」(たかや健二/1987年春休み増刊、夏休み増刊)があり、「ドッジ弾平」のドッジボールもこの系譜の作品だろう。
 
翌1992年にも、綱引きのスポーツバトル「鉄の綱」(河合一慶/1992年新年増刊)、スタンプラリーのバトルマンガ(!)「ペッタンポン将太」(作画:緒方ひろむ、原作:早坂康二/1992年夏休み増刊)など意欲的なホビー作品が発表されている。最新商品ばかりにとらわれないのが「コロコロ」イズム! そんな「コロコロ」で、ベーゴマを進化させた「ベイブレード」(タカラトミー/1999年発売)がマンガ連載されるのは必然なのである!


 
創刊から10年を経た「コロコロ」。児童マンガ誌の元祖であり、絶対王者を頂きつつも、この5年は決して平坦な道のりではなかった。
1987年の時点で「コロコロ」類似誌は有名なものだけで4誌。世相と同様、児童マンガ誌もバブル期を迎えたのだ。“打倒・ドラえもん”とばかりに各類似誌は、手塚治虫先生、水木しげる先生、赤塚不二夫先生などの作品を掲載。ここまでの巨匠と作品でせめぎ合ったのは、この時期をおいてない。なかでも苦しめられたのがホビー面で、ファミコン、おまけシール、ドッジボールなど同種ホビーで競い合うこともあれば、類似誌に人気ホビーを独占されることもあった。
 
しかし、類似誌の猛追によって「コロコロ」はさらに強くなった。作品・記事の独自性に磨きがかかり、そのクオリティも高められていったのだ。この5年で培ったドガッツパワーは、90年中期に大爆発する。次回はいよいよ「ポケットモンスター」が登場だ!!
 
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コロコロ500号カウントダウン特集記事はこちら!!

商品概要
『月刊コロコロコミック12月号』
発売日:11月15日(金)ごろ
特別定価:600円(税込)