By まつがん
誰とも対戦したことがないデュエパーティーのデッキが家に7個あるやつ集合!!!
今回も番外編ということで、例によって「オリジナル」や「アドバンス」とは異なる特殊なフォーマット「デュエパーティー」を遊んでいこうと思う。
(参考:これまでに記事で紹介したパートナー)
・vol.51-5
《終末縫合王 ミカドレオ》
《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》
《蒼狼の王妃 イザナミテラス》
・vol.55-5
《ニクジール・ブッシャー》
《兵繰凄の鎖 サイノ・ブサイ》
《星龍パーフェクト・アース》
・vol.60-5
《屍術師インフェルノ・カイザー》
《天風のゲイル・ヴェスパー》
《闘魂混成 エンペラー・アクターシャ》
・vol.63-5
《未来王龍 モモキングJO》
《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》
《爆龍皇 ダイナボルト》
《「覇道」の頂 シュラ・ベートーベン》
《MAX-Gジョラゴン》
《強奪者 テラフォーム》
《鎧亜戦隊ディス・ピエロ》
《蒼狼の王妃 イザナミテラス》
《超運命 アミダナスカ》
《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》
・vol.69-5
《ガチャンコ ガチロボ》
・vol.71-4
《蒼き王道 ドギラゴン超》
・vol.74-4
《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》
・vol.76-4
《超暴淵 ボウダン=ロウ》
・vol.77-4
《五輪の求道者 清永》
さて、改めてデュエパーティーにおける「パートナーの選び方」について考えてみよう。「攻撃時に他のクリーチャーを出せる」というのが最もデッキを作りやすいことは以前にも述べた。他にも「文明は単色より多色の方が望ましい」ことや「4ターン以内のなるべく早いターンに着地すること」も重要な要素だ。
そう考えると、なぜこのカードでデッキを作らないのか?という話になってくる。
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《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》。王道篇第4弾「悪魔神、復活」の看板カードたるドリームレアだが、「攻撃時に他のクリーチャーを出せて」「多色の」「最速3ターンで着地する」カードであるにもかかわらず、私が最初に選んだのは《五輪の求道者 清永》だった。なぜか?
一つ目の問題は、最初の攻撃でしか踏み倒しができない点だ。《爆龍皇 ダイナボルト》パートナー (レベル3相当) が代表的だが、攻撃時に他のクリーチャーを踏み倒すパートナーは、「登場時に他のクリーチャーをアンタップする」能力を持つクリーチャーと組み合わせることで、疑似的な無限攻撃を実現できる。またそれのみならず、連続攻撃によってデッキ内の限られた強力なクリーチャーを掘りにいくこともできる。だが最初の攻撃時しか踏み倒しが行えないとなると、《カダブランプー》などで起こす意味がない。この点は、踏み倒し回数に制約のない他のパートナーに対して劣る点と言えた。
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また二つ目の問題は、3ターン目に踏み倒すためのハードルの高さだ。《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》を3ターン目に召喚するためには、3ターン目に3体のクリーチャー+2マナを用意する必要がある。だがその方法はかなり限られているのに対し、たとえば《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》パートナーであればかなり安定して3ターン目に出せて、しかも《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》が登場したおかげで、《CRYMAX ジャオウガ》と合わせて2種の当たりデモニオがデッキに搭載できるようになったのだ。
この点はそもそも、《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》の3ターン目召喚と2ターン目のメタクリーチャーとが共存しづらいことが《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》との比較になる原因だった。《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》は毎回3ターン目に安定して出せるとはいえ、相手を妨害する要素は全くない。それゆえに実現したスピードと言えるわけだが、他方でたとえ《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》を毎回ではないにせよ頑張って3ターン目に出せるとしても、「メタクリーチャーを出さず相手を妨害しない」という点が同じならば、《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》パートナー (レベル2相当) と大して変わらないデッキにしかならないのではないか?……という怯えがあったのである。
端的に言えば、「《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》をパートナーにしたとしても、あまり強いデッキにならないんじゃないか???🤔🤔🤔」という予想だったわけだ。
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だが、実際に組んでみたわけではない。それに、最近私が脳内で妄想している「レベル3最強卓」において、いずれ紹介する機会もあるだろう3ターン目始動の《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》パートナー、《ウィリデ・ゴル・ゲルス》パートナー、《完全水中要塞 アカシック3》軸の《流星のガイアッシュ・カイザー》パートナー、そして以前紹介した《超暴淵 ボウダン=ロウ》パートナーという4つのデッキが卓を囲む様を想像した際、《超暴淵 ボウダン=ロウ》パートナーの脆さ・物足りなさが目立つようになってきた (※繰り返すがすべて脳内での検討である) 。
その原因は多岐に渡るが、やはり大きいのは3ターン目にパートナーが着地しないことにあった。デュエル・マスターズの通常の環境においては、「3キルの壁」を超えられるかどうかが強力なデッキの条件として挙げられる。「ファイアー・バード」も「マーシャル・ループ」も、その条件をクリアしているからこそのトップメタだ。ではデュエパーティーではどうかというと、実はそこまで事情は変わらない。4ターン目に着地するパートナーがほとんどな中で、3ターン目に出せるパートナーは先攻・後攻にかかわらず最も先んじて展開が可能だからだ。
無論最初に動くということは、他の3人全員から目をつけられるということでもある。ゆえに3ターン目始動のパートナーは、1対3の状況を跳ね返せるだけのパワーが求められる。そして《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》パートナーにはそのポテンシャルがある。他方、そんな《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》パートナーと卓を囲むなら、2ターン目にメタクリーチャーを展開することは必須となる。
では翻って《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》パートナーはどうだろうか?
《超暴淵 ボウダン=ロウ》パートナーの弱点は、闇単ゆえに2コストのメタクリーチャーの選択肢が少ないことにあった。しかしこれが《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》パートナーの場合、火闇でデッキを組めるので火文明の強力なメタクリーチャーを数多く搭載できる。
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3ターン目のパートナー召喚も、ハードルが高いとはいえ決して不可能というわけではない。たとえば1コスト→2コストと展開した上で、3ターン目に1コストのクリーチャーを《暗黒鎧 ダースシスK》や《ニクジール・ブッシャー》で異なるコストに変換すれば、3体タップ+余った2マナで《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》を召喚可能だからだ。
だから残った問題は一つだった。《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》を3ターン目に召喚できたとして、それで1対3の状況になって勝てるのか?という問題だ。
《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》を出したターンに踏み倒せるクリーチャーは、何をどうやってもたった1体のみ。最大バリューである6コストのクリーチャーを出せたところで、まさか3人全員に《ロスト・ソウル》が打てるわけでもない。一体どんなクリーチャーを蘇生したら、1対3の状況でも勝ち抜くことができるというのか?
また、仮に「1対3で勝ち抜くことができる能力を持つ火か闇の6コスト以下のクリーチャー」なるものが存在したとして、《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》の能力で掘れるのはたったの2枚。「1対3状況を解決できるクリーチャー」を、再現性高く蘇生できるはずもない。
だが、ここで私は考えたのだ。「ならば、逆に考えればいいのではないか?」と。
もし《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》が強力なパートナーであるというならば、《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》の能力による蘇生で再現できる最大値こそが、完成した《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》パートナーのデッキにおける蘇生先になるはずなのだ。
そう考えたとき、答えが見えた。何も蘇生したクリーチャーそのものが1対3の状況を勝ち抜けるポテンシャルを持っていなくてもいいのだ。蘇生したクリーチャーは、3人のうちの1人だけを行動不能にできればいい。
かくして《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》で蘇生するべきクリーチャーは、たった1種類に絞られたのである。
そう、すなわち。
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マナを破壊すればいいのでは???🤔🤔🤔
「デュエパーティーでは相手は3人いるのだから、そのうち1人のマナを破壊したところで残り2人にボコされるだけでは???」と思われるかもしれない。だが私は、そもそも《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》パートナーというカード自体が1対3状況に向いた素質を持っていることに気づいたのである。
すなわち、仮に3ターン目に《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》を召喚できたとしよう。まず登場時能力は3人の相手のうち「最も能動的な動き出しが遅く、受動的なS・トリガーの比率が高いと考えられるプレイヤー」に当てる。そのようなデッキはクリーチャー1体と手札2枚では動きようがない。これで1人倒した。
続いて《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》で別の1人に攻撃する。能力でマナ破壊能力を持つクリーチャーを蘇生し、「最も能動的な動き出しが早いプレイヤー」のマナを破壊する。どんなに動き出しが早いデッキでも、3ターン目からマナを破壊されてはまともなアクションはとれない。これでもう1人の動きも封じた。
そして最後に、《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》の攻撃と蘇生したマナ破壊能力を持つクリーチャーの攻撃で「どちらでもないプレイヤー」のシールドを殴りにいく。ここだけは真っ向勝負だが、3ターン目から全体スピードアタッカー付与+毎ターン打点増強が可能なパートナーと殴り合えるデッキなどそう多くはない。これで最後の1人は殴り倒せる。
このように、《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》というパートナーは「登場時能力」「蘇生したクリーチャーの能力」「自身と蘇生したクリーチャーの打点」という3つの攻め手の向き先を振り分けることで、三正面作戦が展開可能なのだ。
この事実が判明したことで、《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》が強力なパートナーであることに疑いを挟む余地はなくなった。あとは「《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》を3ターン目に召喚すること」と「《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》の蘇生能力でマナを破壊すること」を同時に再現できるよう、デッキ内のスロットを埋めていくだけだ。
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「火か闇の6コスト以下のクリーチャーで登場ターンに相手のマナを破壊できる能力を持つもの」という条件を満たすものはそう多くはないため、2枚の墓地肥やしで墓地に落ちてくれる確率を上げるためにも、条件を満たすカードはすべてデッキに入る。《ボルザード・ドラゴン》だろうと《レオンザード・ドラゴン》だろうと、《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》の能力でスピードアタッカーを持てば超強力なロックカードに早変わりだ。
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とはいえ、もちろん3人全員のマナを縛れるに越したことはない。そのような条件を満たせるカードはさらに少なく、なかでも最も強力なのが《メッツアーのアイロン》である。毎ターン全員のマナを破壊できるので、《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》で蘇生し続ければデュエパーティーにおいてルールで禁じられている追加ターンを獲得しているのと実質的に同義である。
また、《甲神兵クエロス》も近しい効果を実現できる。とはいえ火単パートナーのデッキ相手には全く効果がないので、状況に応じて使い分けよう。
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マナを破壊する能力を持つクリーチャーには限りがあるが、相手のクリーチャーの動きを封じることができればそれもまた実質的な追加ターンとなる。《ブロック・キング》は相手のクリーチャーすべてをバトルゾーンにタップインさせられるため、《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》の殴り先を作りながら相手の反撃を防げる強力な1枚だ。
また、「《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》で蘇生したクリーチャーが能力によって3人のうち1人を行動不能に追い込めればいい」というところまで要求を抽象化するなら、《ギガクローズ》は1人を確実に行動不能に追い込める良カードだ。
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他方、「2ターン目のメタクリーチャー展開と3ターン目の《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》を再現性高く両立する」ことも考えなければならない。《先陣兵アインデッカー》は《暗黒鎧 ダースシスK》や《ニクジール・ブッシャー》がなくとも、「1コスト→2コスト」と動いた後の3ターン目に「火火闇」というマナから出せば《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》を召喚するためのマナを残した上で「ハイパーエナジー」の頭数を3体用意できる。また、同様のことは《オニチャッカリ 爆ゾウ》でも実現可能だ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『パートナー:鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ』
《オンサ=マンサー》 | 《コミック=コロック》 | 《ジーペン=ギーゼン》 | 《フメンダ=マジェンダ》 | 《霊淵 アガルーム=プルーフ》 | 《堕魔 ザンバリー》 | 《不死帝の黒玉 ジェット》 | 《不蠍虫ガタドコサ・ワーム》 | 《ロウゴク童子》 | 《ワット・棘・トラッピ》 | 《クミタテ・チュリス》 | 《DG ~裁キノ刻~》 | 《星空に浮かぶニンギョ》 | 《連射のカルマ ユキメ/ショット・水晶チャージャー》 | 《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》 | 《月砂 フロッガ-1》 | 《ブルーム=プルーフ》 | 《ド:コータ》 | 《アイロン=バイロン》 | 《ロック・ポロン》 | 《完璧妖精ビスカX/「燃え燃えズッキュン!」》 | 《先陣兵アインデッカー》 | 《停滞の影タイム・トリッパー》 | 《影速 ザ・トリッパー》 | 《霊淵 ゴツンマ=ダンマ》 | 《メッツアーのアイロン》 | 《ダルピ・ルッピー》 | 《ボルシャック・ハイパー・ヴォルジャアク》 | 《漆黒の深淵 ジャシン帝》 | 《単騎連射 マグナム》 | 《暗黒鎧 ザロスト》 | 《オニチャッカリ 爆ゾウ》 | 《機深天 クロフェシー》 | 《腐敗勇騎ドルマークス》 | 《お騒がせチューザ》 | 《暗黒鎧 ダースシスK》 | 《ビックリーノ》 | 《甲神兵クエロス》 | 《マウントザウルス》 | 《U・S・A・CAPTEEEN》 | 《アーテル・ゴルギーニ》 | 《謀遠 テレスコ=テレス》 | 《ギガクローズ》 | 《幽幻人形キヨ&ヨン&シー》 | 《ニクジール・ブッシャー》 | 《死神覇王 ブラックXENARCH》 | 《偽りの希望 鬼丸「終斗」》 | 《凶鬼02号 ドゴンギヨス》 | 《メガ・マナロック・ドラゴン》 | 《ボルザード・ドラゴン》 | 《レオンザード・ドラゴン》 | 《ブロック・キング》 | 《邪闘 シス》 | 《「復活」の鬼 ヨミノ晴明R》 | 《極限龍神メタル》 | 《暴淵 ボウマ=ダンマ》 | 《爆紅月 ティラノス》 | 《“轟轟轟”ブランド》 | 《ボルシャック・ガラワルド》 |
カジュアルなゲーム性を「強制的に1対3の局面に持ち込む」ことで破壊するコンセプトであり、しかもそのやり方が早いターンからマナを縛って行動不能にするという類のものであるため、思想的にどうあがいてもレベル3のデッキと言える。回れば友達をなくすし回らなくても《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》の能力で必ず1人を道連れにするタチの悪さもあり、覚悟がガン決まった卓でなければ使用は控えた方が良いだろう。
ではまた次回!来週は休載なので、2月28日 (金) にまた会おう!!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
デュエマ妄想構築録vol.78バックナンバー | |
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デュエマ妄想構築録 vol.78-1 ~ヘビ年だけど関係ねぇ!オボロ・ウサギ団!!~ |
デュエマ妄想構築録vol.79バックナンバー | |
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デュエマ妄想構築録 vol.79-1 ~人力マーシャル!マルピア・ダーツ!!~ |
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デュエマ妄想構築録 vol.79-2 ~パーツをかき集めろ!激流・プレジール!!~ |
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デュエマ妄想構築録 vol.79-3 ~相手を雁字搦め!ハイパー・攻撃誘導!!~ |
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デュエマ妄想構築録 vol.79-4 ~番外編:覇覇覇デュエパーティー~ |