By まつがん
アビス・レボリューション第4弾「竜皇神爆輝」には、一風変わったサイクルが存在していた。
「フェシー」サイクル。アビス・レボリューションでは基本的にメカ、マジック、アビス、アーマード、ジャイアントの5つの種族がそれぞれ種族ごとに低マナから高マナにつながる縦のシナジーを持っているのが通例で、これら「フェシー」のように2つの種族どちらのデッキでも使えるカードは、どちらかといえば例外的と言える。
だがそれは、「種族」という軛に縛られた人間の発想に過ぎない。神の視点に立てば、「種族」などという枠組みを超えてあらゆるカードの組み合わせを試した結果生まれる究極のデッキに到達できるはずなのだ。
そう、すなわち。
「&」「vs」サイクルを使えばMAX20フェシーデッキが爆誕するのでは???🤔🤔🤔
「&」「vs」サイクルもまた、「フェシー」サイクルと同様にメカ、マジック、アビス、アーマード、ジャイアントのうちの2つを横断している。
ということは、たとえば《富力!ルベル&フォース》は《鎧機天 シロフェシー》《魔鎧天 アカフェシー》《機深天 クロフェシー》にチェンジ可能だし、《拳怪!Law儿&テイル》は《鎧機天 シロフェシー》《魔鎧天 アカフェシー》《巨魔天 アオフェシー》にチェンジ可能といった具合に、通常のメカ、マジック、アビス、アーマード、ジャイアントが2種類の「フェシー」にしかチェンジできないところ、それぞれ3つの「フェシー」にチェンジできるということになる。
ならば極端な話、20枚の「&」「vs」サイクルと20枚の「フェシー」サイクルだけでデッキになるのではないかというのが出発点だ。
ただこれだと光文明単色のカードが8枚、水文明単色のカードが8枚、闇文明単色のカードが8枚、火文明単色のカードが8枚、自然文明単色のカードが8枚入っただけな上に3ターン目から毎ターン1体ずつ「フェシー」を出すだけの5色ゴミクソストレージ単ができるだけなので、「フェシー」だけでもゲームに勝てるよう、速度とマナベースを整える必要がある。
「フェシー」の問題点は、3コスト以上のクリーチャーからしかチェンジできないという部分にある。これだと普通に召喚している限り3ターン目に1体、4ターン目に1体という速度になってしまう。
そこで《葉鳴妖精ハキリ》を入れることで、3ターン目にダブル「フェシー」という夢の高速展開を実現させることができる。
《瞬閃と疾駆と双撃の決断》でも同様のことが可能なので、2種8枚で動きを安定させていこう。
というわけで、できあがったのがこちらの「20フェシー」だ!
『20フェシー』
4 | 《葉鳴妖精ハキリ》 | 4 | 《轟開!デボックvs.グランドスラム》 | 4 | 《武打!rAsh&ルピア》 | 4 | 《富力!ルベル&フォース》 | 4 | 《鎧機天 シロフェシー》 | 4 | 《巨魔天 アオフェシー》 | 4 | 《魔鎧天 アカフェシー》 | 4 | 《深巨天 ミドフェシー》 | 4 | 《機深天 クロフェシー》 | 4 | 《瞬閃と疾駆と双撃の決断》 |
回るわけねーだろ!!!😡😡😡
確かに理論上は安定して3ターン目にダブル「フェシー」できそうな見た目なのだが、自然マナと火マナが少なすぎるせいでそもそも《葉鳴妖精ハキリ》や《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を唱えられないという試す前から誰でもわかる構造上の欠陥が発見されてしまったのだった。
とはいえ20枚の「フェシー」と《葉鳴妖精ハキリ》や《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を維持するなら、あとはせいぜい《富力!ルベル&フォース》を火か自然のカードに変えることくらいしかできない。
だが、そもそも「フェシー」は20枚も必要なのだろうか?
《葉鳴妖精ハキリ》と《瞬閃と疾駆と双撃の決断》をベースにする限り、このデッキの基盤は火+自然であることは揺るがない。そして火の《武打!rAsh&ルピア》と自然の《轟開!デボックvs.グランドスラム》はそれぞれ《巨魔天 アオフェシー》しか被りのない3種の「フェシー」に「革命チェンジ」できる上にいずれもスピードアタッカーとマッハファイターで即時攻撃可能なため、5種の「フェシー」を全部入れることも合理的に見える……しかし。
ここで2つの疑問が生じる。「スピードアタッカーとマッハファイターには差はないのか?」が1点。そして2点目は、「それぞれの『フェシー』には差はないのか?」というものだ。
まず1点目に関して。ゲームの勝利に近づくなら、スピードアタッカーとマッハファイターではスピードアタッカーの方が優先度が高いのは言うまでもない。特にこのデッキのように「フェシー」で愚直に2枚ずつ相手のシールドをブレイクしていくしか方法がない場合はなおさらだ。
ゆえに3コストの両方からチェンジできる《巨魔天 アオフェシー》はもちろんのこと、《武打!rAsh&ルピア》からのみ「革命チェンジ」できる《鎧機天 シロフェシー》《魔鎧天 アカフェシー》の価値も他よりも高くなるのは必然だ。
さらに2点目に関して、《轟開!デボックvs.グランドスラム》からしかチェンジできない《深巨天 ミドフェシー》《機深天 クロフェシー》のうち、《深巨天 ミドフェシー》はマナベースに寄与するため優先度が高い。
そう、すなわち。
船を降りろ、《機深天 クロフェシー》😡😡😡
16枚。それが「フェシー限界」としてデュエマ学会に発表することも検討している、「フェシー」だけでデッキを組む際の私の結論だ。
そもそもゲームに勝つまでに出す「フェシー」はせいぜい2種類がいいところだ。そんな中でマナベースの邪魔をする上に相手のシールドを割るコンセプトなのにハンデスという無意味な能力を持っている《機深天 クロフェシー》は、社内で慎重に検討しましたところ、誠に残念ではございますが、今回はご期待に添いかねる結果となりました。これからのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》は追加の《武打!rAsh&ルピア》として機能する。「マジック」しか種族がないためチェンジ先が2種しかないが、それでも3ターン目に2種の「フェシー」をプレイヤーに突っ込ませる動きの再現性を上げられる唯一無二の単色カードだ。
《Disノメノン》はマナベースの安定に寄与し、かつフィニッシャーとしても機能する。スピードアタッカーとマッハファイターをあわせもっているので、「フェシー」の殴り先を状況に応じて変えられるのも器用なポイントだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「16フェシー」だ!
『16フェシー』
4 | 《葉鳴妖精ハキリ》 | 4 | 《轟開!デボックvs.グランドスラム》 | 4 | 《武打!rAsh&ルピア》 | 4 | 《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》 | 2 | 《Disノメノン》 | 4 | 《鎧機天 シロフェシー》 | 4 | 《巨魔天 アオフェシー》 | 4 | 《魔鎧天 アカフェシー》 | 4 | 《深巨天 ミドフェシー》 | 2 | 《ガガガン・ジョーカーズ》 | 4 | 《瞬閃と疾駆と双撃の決断》 |
???「コラ!神聖なるデュエマ学会にイグノーベル賞みたいなネタを持ち込もうとするのはやめなさい!!」
そ、その声は!?
Winner、デッドマン!!(また勝利ポーズだそうです)
デッドマン「速度を追い求める研究仙人のために、また新しいカードを持ってきましたよ!」
はたしてデッドマンが持ってきてくれたカードとは!?
次回に続く!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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