【プロセカ】ボカロPに直撃! “ワンダフル☆オポチュニティ!”さんが語る“ワンダーランズ×ショウタイム(ワンダショ)”と、オリジナル楽曲『にっこり^^調査隊のテーマ』について!【ボカロPインタビュー企画 #31】

ワンダフル☆オポチュニティ!さんの曲作りに迫る!

 2020年9月のサービスイン以来、コロコロオンラインがひたすら追い掛け続けているセガ×Colorful PaletteのiOS/Android向けアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』。

 リリース当初からこのコンテンツを追いかけてきたコロコロオンラインプロセカ班は、2023年10月に『プロセカ』3周年を記念した大特集を実施するなど、担当からほとばしる圧倒的な“プロセカ愛”をカタチにし続けてきた。 

『プロセカ』3周年記念特集は下記の画像をクリック!!
 

 そんなコロコロオンラインプロセカ班がとくに情熱を注いで追っているのが、このゲームの根幹でもある楽曲……そして、それを制作されている“ボカロP”と呼ばれる“才能たち”であります!!

 “子どもが将来なりたい職業ランキング”において、ゲームクリエイターやユーチューバーらと並んでボカロPが上位にランクインし、コロコロの読者層との親和性もめちゃくちゃ高いということで、前述のプロセカ1周年特集の際にボカロ界のビッグネームにつぎつぎとインタビューを敢行!! その内容の濃さは業界内外に衝撃を与え、このたび……不定期連で、さらに多くのボカロPの皆様にご登場いただき、ナマの声をお届けできることになったのです!!

 『プロセカ』はゲーム内容はもちろん、楽曲のすばらしさが高く評価されて現在の人気を確立したと言っても過言ではない。それらを生み出したボカロPたちの考えかた、作品への向き合いかたを掘り下げたこのインタビュー連載を読まれることで、ゲームを遊ぶだけでは知りえない情熱や、楽曲に対する想いを知ることができるはずだ。その結果……さらに登場キャラやユニット、『プロセカ』そのもののことが好きになること請け合い!!

 そしてインタビューの後半では、“いかにしてボカロPになったのか?”という、将来この道に進みたいと思っている読者の皆様の道しるべになるような質問もぶつけているので、とにかくあらゆる人たちに読んでいただきたいなと!!

 さて今回ご登場いただくのは、“ワンダーランズ×ショウタイム”(ワンダショ)にオリジナル楽曲『にっこり^^調査隊のテーマ』を提供された“ワンダフル☆オポチュニティ!”“じーざす”さんと“マイナス”さんだ。

 『プロセカ』の数ある3DMVの中で、もっとも多い再生回数(11月19日現在で1800万回以上!)を誇る『にっこり^^調査隊のテーマ』は、ワンダショらしい明るさとおもしろさ、そして舞台を見ているかのような楽しさを提供してくれる名曲として名高い。彼らならではのドタバタ劇を具現化したような『にっこり^^調査隊のテーマ』は、どのような過程を経て誕生したのだろうか? 

※インタビューはオンラインで実施したものです。

キミも隊員にならないか!?

--まずはたいへん恐縮なのですが、簡単に自己紹介をお願いいたします!

じーざす はい! ワンダフル☆オポチュニティ!のじーざすです。代表曲は『リモコン』、『ぼうけんのしょがきえました!』、『にっこり^^調査隊のテーマ』などです。よろしくお願いします!

マイナス 同じく、ワンダフル☆オポチュニティ!のマイナスです。『にっこり^^調査隊のテーマ』では編曲、アレンジ、ギターを弾いたりしております。どうぞよろしくお願いいたします。

--おふたりは男女によるユニットで活動されているということで、最初にどういった役割分担で楽曲を作られているのかということをお聞きしたいのですが!

じーざす 基本的には私が作詞作曲をして、編曲やアレンジをマイナスさんが行う……という流れが多いですかね。

マイナス うん、最近はそのパターンが多いですね。

--……ってことは、プロセカ風に言うとニーゴの子たちみたいな?

じーざす あーーー!(笑) でも、そうですね!

マイナス そう言われると、確かに。あんな感じで作っているかもしれない(笑)。

▲2014年に投稿されたワンダフル☆オポチュニティ!さんの代表曲『ぼうけんのしょがきえました!』。プロセカにも収録されており、鏡音リン、鏡音レンとワンダーランズ×ショウタイムが歌唱しているぞ!

--ありがとうございます! ではここから『にっこり^^調査隊のテーマ』について深掘りしていきたいのですが、この依頼を受けたとき、率直にどのように感じられましたか?

じーざす 率直に「うれしい!」という気持ちが湧き上がってきました。というのも、ワンダフル☆オポチュニティ!というユニット名とワンダーランズ×ショウタイムって以前から「似てるな……!」と思っていて(笑)、勝手に親和性を感じていたんです。そんなワンダショに曲を作れるということになって、素直にうれしかったですねー。

--……じつは僕も、ワンダフル☆オポチュニティ!とワンダショって、語感が似てるなと思っていました(笑)。

じーざす ですよね!! なのでもう、「待ってました!!」って感じでした(笑)。

--マイナスさん、いかがですか?

マイナス 『ぼうけんのしょがきえました!』という曲が先に『プロセカ』でカバーされていたので、いつかはオリジナルの依頼が来るだろうなぁ……とは思っていました。でも、想像以上に早くお話をいただけたので、やっぱり感激でしたね。

--ふむふむ。

じーざす 本当に初期のころに『ぼうけんのしょがきえました!』を入れていただいたので、じつはリリースされる前から『プロセカ』のことは知っていたんですよね。もちろんローンチ後も、個人的にプレイしていますし。

--いまお話に出ましたワンダーランズ×ショウタイムなんですけど、彼らを最初に見たときにどんな印象を受けましたか?

じーざす カラフルで、ポップで、キャッチーで……。それでいてつかみどころのない、ワクワクする子たちだなと思いました。

マイナス やっぱり“劇団”のイメージですよね。そして高校生らしいエネルギーに満ちている感じがひしひしと伝わってきて、すばらしいなと。あの、「若々しいぜ!」、「充実してるぜ!」って感じを目の当たりにすると、自分が学生だったころが脳裏によみがえってくるんです。純粋に夢を追いかけているあたりが、まぶしいんですよね……!

--マイナスさんの高校時代も、彼らのようにキラキラな感じだったんですか?

マイナス キラキラじゃなかったですよ、僕は!(笑) 当時すでに音楽をやっていて、軽音楽部に入っていたんですよね。そのころの僕は……なんか、ジメッとしていました(苦笑)。

一同 (爆笑)

--じーざすさんは、どんな高校時代を?

じーざす じつは私、演劇部だったんです!

--あ!! そうなんですか!

じーざす そうなんですよー! 彼らみたいにショーはやっていませんでしたけど、そういう意味でも近しい感じがしたんです。

--えーーー! 演劇をやられていて、しかも名前にも親近感が……って、これはもう、運命だったんじゃないですか?

じーざす はい。自分でもそう思いました(笑)。

--そんな運命的なワンダショのイベントストーリー、『POP IN MY HEART!!』に『にっこり^^調査隊のテーマ』は提供されたわけですが、このストーリーのキーキャラクターは鳳えむちゃんです。彼女については、どんな印象を持たれましたか?

じーざす えむちゃんは、とにかくかわいいですよね。かわいくて明るくて……。でもそれでいて、ワンダショの未来を想って物悲しい雰囲気も醸したりするじゃないですか。私はやっぱりえむちゃんには、笑っていてほしいな、って思います。

--とくにこのストーリーあたりから、ワンダショには“別れ”の二文字がチラつき始めるんですよねーーー……!

マイナス えむちゃんって、みんなに対して平等の愛情を持っているじゃないですか。仲間に対しても、家族に対しても。本当に優しくて純粋で、だからこそみんなのことを考えて思い悩みもする……。そんな子、応援したくなりますよね。

▲イベント『POP IN MY HEART!!』の書き下ろし楽曲としてリリースされた。

--そこでお聞きしたいのが、『にっこり^^調査隊のテーマ』を作られたときの方針です。方向性は、どのように決められたのですか?

じーざす “成長”と“笑顔”。私はこの2点を念頭に置きながらストーリーやキャラクターの背景を読んで、方向性を決めていきました。

マイナス 覚えているのが、じーざすが「“にっこり調査隊”っていうフレーズが思い浮かんだ!」と言って、そこから膨らませていったことですね。“調査隊”ということで、海外に行くときのワクワク感とか、出発前の高揚感みたいなのを踏まえて、忘れ物をチェックしたりとか、パートごとのテーマが生まれていった……という感じでしょうか。

--じーざすさん、この“にっこり調査隊”というキーワードは、どんな感じで思いつかれたんですか?

じーざす なんか……頭に浮かんだんですよね。もうその瞬間に、迷いはなかったと思います。でもやっぱりいろんな方に、「なんで浮かんだの!?」と聞かれます。

--それは……聞かれるでしょうね!(笑)

じーざす そうなんですよーーー! でも、そんなに珍しいワードかなぁ? と、聞かれたこっちが返ってビックリするんです。

--あの……すごく、ワンダショにハマっているんです。これを聞いてしまうと、「確かににっこり調査隊だよな!」ってナットクするんですよねーーー!

じーざす あーーー! でも、そうですよね。

--だからこそ、どうやったらこんなにピッタリな単語が降りてくるんだろう……と、感心するとともに不思議だったんです。

じーざす にっこり調査したらかわいいし、そんなみんなが隊員さんだったらいいなぁ……と思ったところがきっかけでしょうか。

--なるほどなぁ……!

マイナス 僕ら、チームのテーマ曲を始めとする多人数で歌う曲を作るのが得意……という下地があるんですね。それもあってか、『にっこり^^調査隊のテーマ』も比較的すんなりと作業は進んだ気がします。カギとなるフレーズがあり、テーマや方向性が決まれば、あとは早いですね。

--でも『にっこり^^調査隊のテーマ』って、曲自体が舞台を見ているようじゃないですか。ハチャメチャなんですけどストーリー性があって、非常におもしろい構成になっていながらも、しっかりと耳に残る曲に仕上がっている……! どうすればこんなに楽しい曲が作れるんですか!?

じーざす 頭の中でキャラクターたちにしゃべらせるんです(笑)。

--なんと!! そうなんですか!

じーざす はい(笑)。じつはそんな作り方をしています。

マイナス もしかすると、マンガのネームを作るやり方に近いのかもしれないですね。キャラクターを自由に配置して、勝手に会話をさせてみる……。じーざすを見ていると、そういう作り方をしているんだろうなって感じます。

--その曲を調整されるマイナスさんもかなりご苦労をされているんじゃないかと想像するのですが、いかがですか?

マイナス それが、じーざすが叩き台を作り、本人もアレンジができるので、デモの時点でほとんど完成していたんです。調整で苦労することはほとんどなかったので、そういう意味では阿吽の呼吸で作れた楽曲……ということになりますかね。基本的にいつも、ナゼかできちゃう……という感じです(笑)。

--それは……ボカロPを目指す子どもたちも参考にできないところですね!(笑) 長い経験と才能ゆえに成り立っている関係で。

じーざす あ! でも私、マンガや本を小さいころからすごく読んできたんです。

--おお!

マイナス そうだね。そういう意味では、マンガは読んだほうがいいですよ。

じーざす みんな、コロコロコミックを読みましょう! だって、『ドッジ弾平』ってコロコロですよね?

--そうですそうです。いままさに、コロコロオンラインで『ドッジ弾子』という続編が連載されています。

じーざす あ、知ってます! 読んだことある! “弾平”からの“弾子”っていうネーミングがキャッチーで、いかにもコロコロらしくて好きです(笑)。


--ありがとうございます! でもキャッチーと言えば、『にっこり^^調査隊のテーマ』は歌詞が非常に印象的な曲です。そんな中で、おふたりがとくに気に入っている箇所を教えてください!

じーざす 「にっこりこりこりこりコリアンダー」というワードは、謎なんですけど、いかにもえむちゃんが言いそう……って思って気に入っています。

--言いそう……! めちゃくちゃ言いそう!!(笑)

じーざす ですよねー(笑)。あとは……「なんてね♪」のところが好きです。

--わかるーーー! いいですよね、そのへん!!

じーざす ありがとうございます!

マイナス でも「なんてね♪」のところは、チェックしているときにちょっと躓いたところだよね。ここは暗い雰囲気が出ちゃいそうだから歌詞を変えようか……とか。でも最終的にじーざすのこだわりで、そのまま行くことになったのを覚えています。

じーざす 「なんてね♪」で、えむちゃんが抱えているお家のこととか悩みを、ちょっとでも払拭させたいな……という想いを込めました。

--いろいろな気持ちが入っているんですね……! リスナーのコメントを追っていると、「とりあえず出発しよう ノープランで」とか「笑顔は伝染します おバカも伝染します」なんてところが気に入っている人が多い印象を受けました。

じーざす あー! 「伝染します」のところは、なんというか……高校生くらいのときの、仲間うちの“ノリ”みたいなのを表現したかったんですよね。何をやるにしても友だちしだいで、笑顔も、おバカなことも伝播していくじゃないですか。若いころって。

--うんうん。とてもよくわかります。ではマイナスさん、いかがですか?

マイナス 僕は、忘れ物のチェック項目がキャラクターに合っていて好きなんですよね。パスポートとか、パンツとか、モバイルバッテリーとか……。キャラに紐づいたキーワードが出てきて、気に入っています。

--そこでぜひお話したいんですけど、セカライ2ndでワンダショのパフォーマンスのとき、MCで「パスポート持った?」って入った瞬間、会場中が「にっこりキターーーーーー!!」と大盛り上がりになったんですよ。

じーざす 見ました見ました!

マイナス あれは、めちゃくちゃよかったですよね……! 曲が始まる前からみんなが盛り上がってくれていて。

じーざす でも私、持ち物チェックのところがこんなに皆さんにウケるのか……って、ちょっとビックリもしたんです。

--あ、そうなんですね。

マイナス 僕はもう、作っているときから、「ここはウケるな!」って確信していましたけど。

じーざす あ、ホントに?(笑)

マイナス うん。リズムとかメロディーもキャッチーだし、「ここは刺さるだろうなあ!」と思いながら作っていました。

▲“プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 2nd – Will -”やコネクトライブなど、多くのステージで披露されている本楽曲。そのたびに元気と笑顔があふれるパフォーマンスが展開され、たくさんのにっこりを見ている人に届けてくれている。

--この流れでぜひお聞きしたいのが、この曲の聴きどころです。どんなところにポイントが?

じーざす 「なんてね♪」のところに戻るんですけど、ぜひバーチャル・シンガーver.と、セカイver.を聴き比べてほしいです。

--リンちゃんとえむちゃんで、また違った印象になってますよね!

マイナス 僕は、やっぱりリズムゲームに収録されることが前提だったので、いろんなリズムが曲の節々に出てくるところに注目してほしいです。そこは、本当にこだわっているので。意識して聴いてもらえるとうれしいかなと。

--『にっこり^^調査隊のテーマ』って、リズムゲームでの難度が高いじゃないですか。MASTERだとLv.31になります。 

マイナス らしいですね!!

--おふたりは、プレイはされてみましたか?

じーざす 私は……ハードでいっぱいいっぱいです!

マイナス 自分も……同じくらいですね……(苦笑)。

じーざす でも、譜面もすごく楽しいじゃないですか! にっこりのマークが流れてきたりとか。それを見ているうちにミスして終わります(笑)。そもそも音ゲーって苦手なので。

マイナス じつは僕も、音ゲーってダメなんです。難易度によって、押しどころがドラムのタイミングだったり、裏メロのタイミングだったりするじゃないですか。そこが、頭の中で切り替えられないんですよ! 「あれ? さっきこっちだったのに……!」と混乱して……。これ、自分で曲を作った人にありがちな“あるある”だと思います。音ゲーが苦手なボカロPって、多いと思うんだよなーーー。

--ボカロPインタビューが100人くらいに達したら、「得意ですか? 苦手ですか?」って集計取ってみようかなあ。

じーざす それおもしろいですね! ぜひやってみてください(笑)。

--わかりました(笑)。で、『にっこり^^調査隊のテーマ』なんですが、すごくこだわりの作りなので制作期間はかなりのものになったんじゃないかと思うんですけど、いかがでしたか?

じーざす 「にっこり調査隊」という言葉が出てからは、すごく早かったと思います。さっきも言ったようにキャラクターたちをしゃべらせて、それを構築して。1ヵ月くらいですかね、完成まで。

マイナス そうだね。アレンジもいつも通りな感じで、ギターとベースとドラムとで賑やかな雰囲気にすることは、僕らの得意とするところだったので。なので、「スラスラと」って言ってしまっていいくらい、順調に進められたと思います。

--ではその「にっこり調査隊」というキーワードが降りてくるまではどうだったんですか?

じーざす 悩んだ……という記憶がないんですよね。「笑顔は……にっこり! それを調査!」という感じで繋がっていったんじゃないかなと。

マイナス バチャシンやワンダショの子たちが歌って似合う曲……となると、その団体みたいなのに名前というか、チーム名があるのがいいよね、と話したことを覚えています。「調査隊、っていいよね」みたいな。そこを起点にふたりで話し合っていくうちに、「笑顔の調査隊」っていう言葉が浮かんで、そこから膨らませていった記憶があります。ほかにもいくつか候補があって、最終的に「にっこり調査隊」に落ち着くまでに悩んだかもしれませんけど……ほんのちょっとですね。

じーざす 私が覚えているのは、“記号を入れるかどうか”です。

--あー! にっこりの顔文字!

マイナス そうだそうだ! あと、「のテーマ」を付けるかどうか!

--なるほど! 『にっこり^^調査隊のテーマ』なのか、『にっこり調査隊』でシンプルにまとめるのか、と!

マイナス そうですそうです。細かいことなんですけどね。

※MV画面はバーチャル・シンガーver.のものです。

--わかりました! では、ゲームに実装されてからいろいろな反響があったと思うんですけど、印象に残っていることは?

じーざす 知り合いから「TikTokでめっちゃ流行ってるよ!」って聞いたんです。でも私、そこまでチェックしていなかったので「へー、そうなんだ」ってくらいに思っていたんですけど、今度はテレビで芸能人の方が『にっこり^^調査隊のテーマ』に合わせて踊っているのを見まして。さすがにそれは「ええ!?」ってビックリしましたねー。

--そう、TikTokでバズりまくったんですよね、この楽曲。

じーざす らしいですね!

マイナス そのときにTikTokをインストールしましたもん(笑)。

じーざす 私、だいぶ後になってからですけど振付覚えて踊れるようになりましたよ(笑)。

--えー!! それはスゴい!

マイナス 僕も同じ答えになるんですけど、有名な方が『にっこり^^調査隊のテーマ』に乗せて踊っているのを見て、「これが……バズるということか!」って思いました。

--その大バズりも影響しているのかもしれませんが、プロセカの3DMVの中でもっとも再生されている曲だと思います(※11月19日現在)。1800万再生を超えて……!

じーざす あーーー! そうかもしれないですね! でも、振付もかわいいし、映像もかわいいので、本当にありがたいなって思いました。

マイナス 声優さんの力も大きいよね。レコーディングに立ち会ったんですけど、いい表現をたくさんしてくれて。

--この曲って、速いじゃないですか。セリフも、展開も。それをキチンと歌っている声優さん凄いな……! って、聴くたびに思います。

じーざす ね!! ……って、作っておいてなんですけど(笑)。たいへんな箇所がいくつもあるんですけど、果敢にチャレンジして歌い上げてくれています。

--反響……ということでリスナーのコメントを追っていったんですけど、その中に、「1000万人をにっこりさせた神曲」ってのがあって、「まさに!!」と膝を叩いてしまいました。

じーざす なるほど!! いいですね! みんなが笑顔になってくれているのが目に浮かぶ感じで。

--他のコメントも、なんだか弾むような明るいものばかりなのが印象的でした。

マイナス 確かに、そうかもしれないですね! ファンの方と直接お話する機会があると、たいてい、「では、引き続き調査をがんばります!」って言ってくれたりするんです。「いってらっしゃい!」って送り出します(笑)

--うわ、めっちゃいいですねそれ……。鳥肌立った!

じーざす 「今日も調査して参りました!」とかね(笑)。みんな、楽しんでくれててうれしいな。

--そんなファンに向けて、ひと言お願いします!

じーざす これからもたくさん、にっこりを調査してきてください!

マイナス じゃあ僕からは……キミも隊員にならないか!? ですかね(笑)。隊員募集中です!!

--ありがとうございます! ではここから、将来の夢として「ボカロPになりたい!」と思っている人たちのために用意した質問にお答え願えればなと……! まずは……おふたりがボカロPになられたきっかけを教えてください!

じーざす 私は、ニコニコ動画を見ていたときにボーカロイドというものの存在を知って、その瞬間に「やってみたい!」と思って始めた……という感じでしょうか。

--じーざすさんはそれ以前に、音楽の経験が?

じーざす ありました! なので「できるかも」となって、「思い立ったが吉日だよね」ということで、すぐに購入したんです。

--では、マイナスさんは?

マイナス 僕ももともと音楽をやっていて、その流れで「ボカロというものが流行っているらしい」と聞いて興味を持ったのがきっかけです。すぐに電気屋さんに行ってソフトを買い、パソコンにインストールして、自分の曲を歌わせてみたのが始まりかなと。そして使っていくうちに、「俺も神になるぞ!」って思いました。

--はいはい! “神”と讃えられるクリエイター、いますもんね。

マイナス そうなんです。僕が初めて見たのはcosMo@暴走Pさん(※『初音ミクの暴走』、『初音ミクの消失』などを作られた、初期のころから活躍するボカロP)だったんですけど、「俺もcosMo@暴走Pさんみたいな神になりたい!!」って思ったんですよね。

--おふたりは2009年から活動をされているんですよね。『初音ミク』が発売されたのが2007年ですから、かなり早いうちから活動をされているボカロPになるかと思うのですが。

じーざす はい、そうですね。

マイナス うん、早いほうかもしれないですね。当時は皆、動画制作も拙い感じでしたし。

--おふたりがユニットとして活動を始めるのも、2009年からですか?

マイナス そうですね。

じーざす 私がマイナスさんを誘ったんですね。で、CDを作ってイベントに出ることを目標に活動を始めたんですけど、そのときに「サークル名がないとお話にならない」ということで“ワンダフル☆オポチュニティ!”と付けて……。そこから、「曲ができたらCDだけじゃなく、投稿もしてみよう」となって、現在に至る感じでしょうか。ですので質問の答えとしては、「最初からふたりで活動をしていた」となりますね。

--ありがとうございます! そんなベテランのおふたりにぜひ聞きたいのが、ボカロPになるために必要なスキルです。何か、ヒントを教えていただけるとたいへん助かります……!

マイナス 僕がつねづね思うのが、楽譜とか楽器とか、読めたり弾けたりできるに越したことはないんですが、ぶっちゃけそのスキルは“なくても大丈夫”ってことです。というのも、だいたいパソコンで作るじゃないですか。とくに最近はAIの機能がすごくて、「こういう雰囲気の曲を」って選択していけば、ボタンひとつでそれっぽいものを出してくれたりもするんです。それを踏まえて、「パソコンとは仲良くしておいたほうがいいかも」と伝えたいですね。

--おお……!

マイナス 楽器よりもパソコンと、仲良くしゃべれるくらいの友だちになっておいたほうがいいと思います。加えてスマホでも作曲はできますから、小さいころからデジタル機器に触れておくのは、将来こういう道を目指したときに役立つんじゃないかなと。

--では、じーざすさんはいかがですか?

じーざす 私が伝えたいのは、音楽だけじゃなく、自分の趣味とか興味のあるものに触れていくことはもちろんなんですけど、修学旅行を始めとするさまざまな行事や、身の回りにある楽しいことをキチンと思い出として残しておいてほしいな、ってことなんです。その過程で、最初に言いましたけどコロコロコミックを始めとするマンガ、小説などなどいろいろなコンテンツに触れて、あらゆることを吸収しておくといいと思います。

--うんうん……!

じーざす そして曲を作って投稿するようになっても、最初は再生数も伸びないし、挫折しそうになることが多々あると思うんです。でも、それであきらめず、志はつねに高いままで、長く続けてほしいな~~~って。そうやって腐らずに活動を続けていけば、いつか報われる日がくると思います!

マイナス 再生数って考えようによっては、たったの1再生だったとしても、「ひとりは聴いてくれた」ってことですからね。そう考えられれば、いろんな困難も乗り切れるんじゃないかと思います。

--そうか……! 自分以外の誰かが聴いてくれている……という事実の数字ですもんね。

マイナス そうですそうです! 僕、ボカロPになる瞬間って、じつはここなんじゃないかなって感じていて。“1再生を達成した瞬間”。この、1再生に感謝を感じることって、けっこう大事なスキルなんじゃないかなと思います。

--ありがとうございます……! めちゃくちゃいいヒントになると思います! そしてもうひとつ、ボカロPになってよかった……と感じること、何かありますかね?

じーざす 私は、世界中に友だちができました! いろんな国の方がイベントに来てくれて、それをきっかけにその方の国に行って催しに出たり。ボカロPになって、世界が広がりました。

マイナス 僕は、ボカロってメチャクチャなメロディーでも歌ってくれる文句を言わないアーティストなので、そんな人と出会えてよかったな、って思います。「もっと歌いやすいキーで作ってください!」とか、何ひとつ言わないじゃないですか(笑)。

--なるほど!(笑) そういう考え方もありますね!

マイナス あと、ボカロは歳を取りませんから。つねにコンディションが一定で、ずっと同じ声で歌ってくれるすばらしいアーティストです!

--それは新しい切り口だなあ(笑)。人間のアーティストだと、「夕べ、ちょっと飲み過ぎちゃって……」とかありそうだし。

マイナス そうそうそう(笑)。「楽屋に加湿器がないから歌えない」とか。

じーざす 加えて、ボカロはスキャンダルもないですし。

一同 (爆笑)

--わかりました! では……ボカロPを目指す子どもたちに向けて、先達としてぜひメッセージをお願いいたします!

じーざす 夢のある仕事なので、迷ったら、まずやってみてください!

--ありがとうございます! では、マイナスさん。

マイナス さっきも言いましたけど、いまはスマホでも曲が作れる時代。作曲も投稿も、すごくハードルが低くなりました。ですのでぜひ、いっしょにボカロシーンを盛り上げる仲間……調査隊になってください。でも……僕より先に神になるのはやめてね(笑)。

--では最後に、プロセカにもぜひひと言お願いします!

じーざす マイナスさんが、言いたいことがあるらしいです。

--お! ぜひお願いします!

マイナス 僕にも書き下ろしの依頼をください!!

一同 (笑)

--これは強調文字で書いておかないと……。

マイナス いやでも、改めてステキなストーリーをこれからも楽しみにしているので、開発の皆さんもがんばってください!

じーざす そうですね! ワンダショのみんなを、いつも応援しています!

--わかりました! 本日はお忙しい中、にっこりなお話をありがとうございましたー!!

ワンダフル☆オポチュニティ!

WONDERFUL★OPPORTUNITY!

2009年からじーざす、マイナスの二人でボカロPサークルとして活動開始。
持ち味のPOPなサウンドにコミカルな歌詞を合わせた楽曲で、国内外から支持を集める。
ゲーム、アーティストなど楽曲提供も行う。

代表曲:「リモコン」「しんでしまうとはなさけない!」「ぼうけんのしょがきえました!」「にっこり^^調査隊のテーマ」等

OFFICIAL WEB:https://www.wan-opo.com/
X:https://twitter.com/WAN_OPO

 

『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』の関連記事こちらをチェック!!

ボカロPインタビュー連載

 

 

1周年ボカロPインタビュー

 

 

タイトル概要

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

■対応OS:iOS/Android

■App Store URL:https://itunes.apple.com/app/id1489932710

■Google Play URL:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sega.pjsekai

■配信開始日:配信中(2020年9月30日(水)配信)

■価格:基本無料(アイテム課金あり)

■ジャンル:リズム&アドベンチャー

■メーカー:セガ/ Colorful Palette

■公式Twitter:https://twitter.com/pj_sekai