【カブトクワガタ日記】第148回 “漆黒の黄金”、発見される!

これはオウゴンなのか!?w

 ヘルクレスオオカブトやアトラスオオカブトが棲まう魅惑の巨木、“村のご神木”でのムシ探しが始まりました……と連日のようにお知らせしているわけですがね。

 前回の記事で書いた通り、この木に最後に来たのは半年前の2023年3月あたりなので、ほぼ手付かずもいいところ。よって、しばらくのあいだは、脚が6本のムシだったらなんでもかんでも捕獲してムシかごにブチ込んでおこうと決めたわけだ。

 ……と言っても、ゴキブリやらウデムシあたりの奇っ怪な連中にゾロゾロと出てこられても困っちゃうんだけど(いねえよ)、ひとまず難しいことは忘れて“数”を稼ぎ、レア遺伝子に至るまでのフラグを立ててしまおうと考えたのである。なので、まずは、

 セアカフタマタクワガタのザコ色相手でも拒否はせず、健気に戦っていた。ここから、

 「とりあえず、セアカフタマタクワガタにターゲットを絞っていこうかな」

 なんて思いが首をもたげてきたんだけど……!

 そこで現れたのが、↓こちらの尻であった。

 前回の記事の最後で書いた通り、パッと見たときはメスクワガタの尻だと思ったのよ。細く見えるし、黒いしね。よって、スルー推奨案件だと感じはしたが、

 「ま、これも何かのご縁だし……」

 ってことで詳細を確認してみたところ……!!

 そこに表示されたムシは……!! なんとなんと!!!

 黒~~~~~ん……w

 じつはここまで来ても、俺はまだ、

 「なんだww やっぱりメスじゃねえか^^;;;

 なんて呆けたことを言っていた。それくらい、“このムシがこの色であること”を脳が受け付けなかったのである。

 そんな、謎の時間が流れること……5秒くらい。

 まもなく、

 「……あれ?? メスにしては、大アゴが長くね??」

 ってことに思いが至り、ついに目の前の事象と脳の理解が邂逅を果たすのである。

 ……え?? こ、この形、この存在感は……。え?? で、でもこのムシって……! そもそも名前に色が入っているはずじゃ……!!?

 画面左上の名称を、二度見、三度見してしまった悲しき51歳。そこでついに、脳はこのムシの何たるかを認めたのである。

 覚えず、悲鳴が飛び出した。

 「えええええ!!? こここ、これ、オウゴンオニクワガタなのぉ!?! いや1ミリも黄金の部位がないやん!!!www なのにオウゴンオニクワガタって、誇大広告もいいところ!!!ww シッコクオニクワガタだろ!!!ww

 そうなんです……!! この、メスと見まがう真っ黒なムシは、オウゴンオニクワガタの別色だったのです!!!

 いやでも、俺が驚いたのも無理からぬことだと思うのよ。だってオウゴンオニクワガタって『カブトクワガタ』の図鑑で見ると、

 ↑こんなだよ。まさしく、黄金の名がふさわしい。

 ちなみに、その豪奢な色味が大人気のこのムシは、各地の昆虫展でも引っ張りだこだ。俺も先日、生体標本を見てきたけど、

 これこれ!! 『カブトクワガタ』の図鑑そのまんま!!! 金属の模型にしか見えないけど、これで生きてるってんだから生き物ってすばらしい!!ww

 となれば!!

 このオウゴンオニクワガタ改めシッコクオニクワガタを逃がすわけにはいかない。迷わず、

 バトルを選択し……!!!

 こいつを我がムシかごに迎え入れるための戦いが始まったのであった!!

 続く!

 

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

『カブトクワガタ』公式ツイッター:
https://twitter.com/kabukuwa_info

(C)2023 小学館・うえむらひろし