デュエマ妄想構築録 vol.61-2 ~シェケダらない勇気!ケモノ・ガンマ!!~

By まつがん

 アビス・レボリューション第2弾「忍邪乱武」は、メカ・マジック・アビス・アーマード・ジャイアントという各種族のメクレイド戦略を大幅に強化した。

 なかでも単体のカードスペックでは群を抜いていると評判のカードがこれだ。

▲アビス・レボリューション 第2弾「忍邪乱武」収録、《忍鎖の聖沌 94nm4》

 《忍鎖の聖沌 94nm4》。シールド追加時というメクレイドのタイミングは少しマニアックだが、攻撃時に自前でシールドを追加できるので、毎ターン攻撃しながらシールド追加+山札から横展開ができるという3コストのクリーチャーにあるまじきポテンシャルを持っている。

 とはいえ、3ターン目にポン出しした《忍鎖の聖沌 94nm4》が無事生きてターンが返ってくる保証はない。

 ならば、《忍鎖の聖沌 94nm4》を出したターンにどうにかしてメクレイドを発動させられないだろうか?というのはごく普通の発想と言えるだろう。

▲双極篇 第1弾「轟快!! ジョラゴンGo Fight!!」収録、《スニーク戦車 オーリー/トゲ玉・キャノンボール》
▲超天篇 第3弾「零誕! 魔神おこせジョルネード1059!!」収録、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》

 これについてまず考えたのは「スピードアタッカーを持たせる」という方法だ。

 《スニーク戦車 オーリー/トゲ玉・キャノンボール》《U・S・A・NIKER》、さらには《瞬閃と疾駆と双撃の決断》なども使えば、3ターン目に出した《忍鎖の聖沌 94nm4》をそのまま走らせることはそれほど難しくはない。

 同じく3から5を出せる《BIRIBIRIII・ビリー》とは異なり、こうしたスピードアタッカー付与系のカードとシナジーが持てるのは《忍鎖の聖沌 94nm4》の強みの一つだ。

 ただ、この発想には一つ問題があった。それは、光火のビートダウンだと「マジボンバー・スクワット」以上のコンセプトにどう頑張ってもなりそうもないという点だ。

 それに、安易に文明を足すのは可能性を狭める行為でもある。

 ここはどうにかして光文明だけで3ターン目に《忍鎖の聖沌 94nm4》のメクレイドを発動させられないだろうか?

▲新3弾「気分J・O・E×2 メラ冒険!!」収録、《シンクロ・シールド》
▲アビス・レボリューション 第1弾「双竜戦記」収録、《聖沌忍法 b4ckd00r》

 2ターン目に光のクリーチャーを出してからの《シンクロ・シールド》を使うという手も考えたが、さすがにカードが単体で弱すぎるため没案となった。

 さらにそもそも《忍鎖の聖沌 94nm4》を使わず《聖沌忍法 b4ckd00r》なら3ターン目にメクレイド5できるのでは?というのも一案ではあるものの、それではただありきたりなメカデッキができるだけだ。

 何か……何かないのか。1ターン目か2ターン目の行動で、かつ3ターン目の《忍鎖の聖沌 94nm4》とシナジーがある光のカード。

 私は必死にカードを探し……そして、ついにたどり着いたのだ。

▲十王篇 第3弾「幻龍×凶襲 ゲンムエンペラー!!!」収録、《飛べない翼、それは堕ちたケモノ》
▲十王篇 第4弾「百王×邪王 鬼レヴォリューション!!!」収録、《千年の月のファラオ》

 そう、《飛べない翼、それは堕ちたケモノ》だ。これなら光文明だけで《忍鎖の聖沌 94nm4》を出したターンにメクレイドを発動させることができる。

 さらに《飛べない翼、それは堕ちたケモノ》は《忍鎖の聖沌 94nm4》を引かないとただ可愛いだけのペンギンに成り下がってしまうように見せかけて、《千年の月のファラオ》と組み合わせると無限攻撃ができるという地味に優秀なクリーチャーなので、《とこしえの超人》などでメクレイドが封じられた場合にも2軸目の勝ち手段を用意できる。

 ただ、この発想にもまだ問題があった。それは、《飛べない翼、それは堕ちたケモノ》に替えがきかなすぎるという点だ。

 《飛べない翼、それは堕ちたケモノ》と《忍鎖の聖沌 94nm4》にシナジーがあり、《飛べない翼、それは堕ちたケモノ》と《千年の月のファラオ》にもシナジーがあるが、《忍鎖の聖沌 94nm4》と《千年の月のファラオ》にはシナジーがない……こうした状況において必要なのは、《忍鎖の聖沌 94nm4》とも《千年の月のファラオ》ともシナジーがある《飛べない翼、それは堕ちたケモノ》の2枠目である。

 だが、3ターン目の《忍鎖の聖沌 94nm4》とシナジーができるように「攻撃時にシールドを置ける」という奇特な能力の持ち主が、《飛べない翼、それは堕ちたケモノ》と同じマナ域で……そんな奇跡のようなカードがまさか存在するはずも……。

 あった。

▲双極篇 第3弾「†ギラギラ†煌世主と終葬のQX!!」収録、《タイク・タイソンズ》
▲双極篇 第3弾「†ギラギラ†煌世主と終葬のQX!!」収録、《アゲアゲ・マイコー》

 《タイク・タイソンズ》から《アゲアゲ・マイコー》に「J・チェンジ」すればいいのでは???🤔🤔🤔

 これなら《飛べない翼、それは堕ちたケモノ》の場合と同様、《忍鎖の聖沌 94nm4》を出したターンにメクレイドすることができる。しかも《アゲアゲ・マイコー》も《千年の月のファラオ》との組み合わせで無限攻撃になるので、《飛べない翼、それは堕ちたケモノ》の2枠目という要件をギリギリほぼ完璧に満たすカードというわけだ。

 というわけであとはお楽しみの時間、「メカ・メクレイド5」から何を出すかを考えるだけだ。

▲ゴッド・オブ・アビス 第1弾 「伝説の邪神」収録、《シェケダン・ドメチアーレ》
▲アビス・レボリューション 第1弾「双竜戦記」収録、《ウィリデ・ゴルギーニ》

 やはり「メカ・メクレイド5」といえば最強のメカ、《シェケダン・ドメチアーレ》だろう。

 《シェケダン・ドメチアーレ》の軽減効果を生かすなら重めで強いメカをもう1枠入れたくなる。その点《ウィリデ・ゴルギーニ》は場持ちも良く、《忍鎖の聖沌 94nm4》とのシナジーもあってうってつけだ。

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『サンプルデッキ』

枚数
カード名
4 《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》
4 《タイク・タイソンズ》
4 《飛べない翼、それは堕ちたケモノ》
4 《忍鎖の聖沌 94nm4》
4 《アゲアゲ・マイコー》
4 《千年の月のファラオ》
4 《シェケダン・ドメチアーレ》
4 《ウィリデ・ゴルギーニ》
4 《ガガガン・ジョーカーズ》
1 《フェアリー・ギフト》
3 何か

 

 《シェケダン・ドメチアーレ》要るかこれ???🤔🤔🤔

 確かに「メカ・メクレイド5」で《シェケダン・ドメチアーレ》をめくるのは気持ちがいい。だが、それだけである。

 何せ光自然2色のこのデッキの場合、《シェケダン・ドメチアーレ》のドロー枚数もたかが知れている。さらに光のクリーチャー軽減も最大限には使いきれないことはもちろん、「シビルカウント」の達成も期待できない。

 つまり《シェケダン・ドメチアーレ》の強みを何一つ発揮できないのだ。

 そう、安易にシェケダるということは魂を殺すことと同義……だがだとしても、他に「メカ・メクレイド5」で出して強力なクリーチャーなんて……《パルフェル・トリセラティ》……《踊踊-グランデ》……みんな通過した……仕方ないんだ……カードプールの限界なんだ……。

 そう思われた。しかし。

 私は真理に到達したのだ。

 疑問に思わなかっただろうか?

 なぜ5マナのカードばかりにこだわっているのかと。

 そう……それこそが真理。メクレイド5だからといって、5マナのカードを出さなければならない必然性はどこにもないのだ。

 私が導き出した答えとは、すなわち。

▲革命編 第3章「禁断のドキンダムX」収録、《奇天烈 シャッフ》

 《奇天烈 シャッフ》が一番強いのでは???🤔🤔🤔

 「双竜戦記」の発売後すぐ、《奇天烈 シャッフ》だけをタッチした光単ゴルギーニがCSなどで活躍していたことは記憶に新しい。ということは光自然のこのデッキでも、《シェケダン・ドメチアーレ》の次点は依然《奇天烈 シャッフ》のはずだ。

 それにそもそも《忍鎖の聖沌 94nm4》は、ガンマ自身をめくって次ターン以降のメクレイド回数を増やせるのが強みでもある。

 ならばわかりやすい「当たり」を入れずとも、メクレイドという行動それ自体を安定させることでバリューは十分に確保できるはずなのだ。

 そう、取れるバリューは最大限取りたがってしまう人間の浅ましさ、欲深さ。それらを捨てることで、ついにネクストレベルの構築に到達することができたのである。

 つまりメクレイドの後ろの数字はウィザーズ開発部の罠であり、「メクレイド5は3をめくりにいっていい。メクレイド8は6をめくりにいっていい」というのが、今回得られた最も有用な知見というわけだ。

▲超天篇 第3弾「零誕! 魔神おこせジョルネード1059!!」収録、《葉鳴妖精ハキリ》
▲「スタートWINデッキ 聖沌・クノイチ・チェンジ」収録、《聖なる混沌 クノイチマントラ》

 《葉鳴妖精ハキリ》は水マナなしでも《奇天烈 シャッフ》を出せることはもちろん、《アゲアゲ・マイコー》だけ引いて《タイク・タイソンズ》を引かないパターンでも3ターン目に《忍鎖の聖沌 94nm4》+《アゲアゲ・マイコー》の展開からのメクレイドを可能にする点で唯一無二の役割を果たしてくれる。

 最後に埋まったスロットは《聖なる混沌 クノイチマントラ》。「メクレイドで出て嬉しいカード」という観点ではなく、「攻撃時効果を多用したい《忍鎖の聖沌 94nm4》と《奇天烈 シャッフ》を中心にしたコンセプトにおいて殴り返しを器用に防げそうだなと思ったカードがたまたま5マナで噛み合った」というニュアンスである。とはいえ、埋まってしまえばこれ以上に相応しいカードもない気がするから不思議なものだ。

 というわけで、できあがったのがこちらの「ケモノ・ガンマ」だ!

 『ケモノ・ガンマ』

枚数
カード名
4 《葉鳴妖精ハキリ》
4 《タイク・タイソンズ》
4 《飛べない翼、それは堕ちたケモノ》
4 《忍鎖の聖沌 94nm4》
4 《煙幕の聖沌 k3mur1/聖沌忍法 メカくしの術》
4 《アゲアゲ・マイコー》
4 《奇天烈 シャッフ》
4 《千年の月のファラオ》
4 《聖なる混沌 クノイチマントラ》
4 《ガガガン・ジョーカーズ》

 

???「でもメクレイド5とかメクレイド8とか書いてあったら5コストとか8コストのカードを使いたくなる、それが人情ってもんでしょ!」

 そ、その声は!?

 デュエ筋モリモリ、デッドマン!!(デュエチューブ筋肉回の布石がついに……?)

デッドマン「踏み倒しが大好きな研究仙人のために、また新しいカードを持ってきましたよ!」

 はたしてデッドマンが持ってきてくれたカードとは!?

 次回に続く!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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次回更新は8/4(金)更新!!