勢いを駆って
前回、俺が少年時代にリアルに憧れを抱いていたカブトムシ、
“赤カブ”こと、遺伝子“レッド”のノーマルカブトムシを手に入れた……と記事に書かせてもらった。
赤カブ、欲しかったんだよね~~~~~!
俺は昭和50年代に群馬の山奥で少年時代を過ごしたので、夏のレジャーと言えば川で泳ぐことと心霊スポット巡り、そしてカブトムシやクワガタの捕獲・育成だったのよ。同じ時代の田舎で暮らした人は、全員同じだと思うけどさ(ウソつけ)。
しかし、ノコギリクワガタやミヤマクワガタは本当にレアで、ソシャゲのガチャで表現すればレアリティー“SSR”クラス。オオクワガタに至っては小中学生時代の9年間で一度も野生のものを捕まえたことはないので、レアリティーはSSSR……どころか、それすら飛び越えた“レジェンダリー”という感じであった。
そこで、この最初のご神木で入手できる6種のムシを俺の審美眼でランク付けすると、
・レジェンダリー:オオクワガタ
・SSR:ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ
・SR:ヒラタクワガタ
・R:カブトムシ
・コモン:コクワガタ
こんな感じ。もしもメスも入れていいなら、コモンの下に“ザコ枠”として“メスカブト”を入れてもいいけど^^; まあ少なくとも昭和50年代の群馬(の
下仁田町近辺w)においては、こんなランク付けがなされていたのである。
そう考えると、ムシの“格”だけを見たらコクワガタはかな~~~り庶民的だと言える。
実際、日中の気温が上昇してきて、
「ぼちぼち、今年も夏がやってくるのかなぁ~~~……!」
なんて、少年らしいワクワクを募らせ始めたころに、“あの”カナブンとともに“夏の斥候”として現れるのは間違いなくコクワガタであり、その年の虫飼育箱に最初に収められることになるのである。
そう、格的には高くないコクワガタではあるが、俺は小さなアゴを「ガッ!!」といからせ、捕獲者につねに戦闘態勢で臨もうとする“最小戦士”が大好きで、ミヤマクワガタやノコギリクワガタ以上に愛情をこめて飼育したりしていた。大人になったいまでも、デジタルガジェット(ミュージックプレイヤーとかスマホとかね)を買うときは、
「なるべく小さくてかわいいものを……!!」
という思考で選定しちゃうんだけど、その源泉にはおそらく、子どものころに愛でてやまなかったコクワガタがいるような気がする。……ていうか、改めて考えてみて、
「そうか……! 俺は愛用するiPhone SE2に、大好きだったコクワガタの幻影を見ているのかもしれん……!!!」
と思い至り、ちょっと震えてしまっている。40年の時を経て、自分の趣味嗜好の傾向のナゾが解けた気がするわww
というわけで、3色の遺伝子を揃えたカブトムシに続いて、俺がターゲットに選んだのは↓こちらの……!
コクワガタ!! 図鑑を確認しないまま飛び出しちゃったので、いま何色の遺伝子を所有しているのかわからないんだけど(オイ)、
情け容赦なしにヘルクレスオオカブトを出しまして……!!
バトルスタート!!!ww 巨大戦艦に立ち向かう木っ端船……という風情を醸し出しているけど、
ドラマチックに木っ端船の大逆転勝利……ということにはもちろんならず、攻撃力94で粉砕^^;;; これにより、2本目の勝負をやるまでもなく、
我が軍の勝利!!!
ということになって……!
コクワガタの“つや”が軍門に下ったのであった!!
さあさあ、この調子で残る2色も集めるぞ!!
続く。
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『カブトクワガタ』公式ツイッター:
https://twitter.com/kabukuwa_info
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