ここからは自由に書いていく!
前回、ひとまず『カブトクワガタ』のエンディングまでを書き上げ、衝撃のスタッフロールの斬新仕様を紹介させてもらった。
これで、とりあえずメインストーリーを追う記事はひと段落したので、これからは最大サイズを追い求めたり、レア色の虫を作り出すことに精力を注いだりと、自由な視点で『カブトクワガタ』に向き合おうと考えていた。
そんな、ある日のこと--。
我が『あつ森』日記でおなじみ、同僚のたっちー先生からつぎのような連絡があった。
「おい! ここんとこ、コロコロ関連の雑誌に『カブトクワガタ』のコードやら付録が付いてきたりしているらしいやん! こういうの、ちゃんともらってるんけ??」
俺は、目の前にいない相手にプルプルと首を振りながら、つぎのように返事をした。
「いや、残念ながらそういうのはもらっていないねえ。なのでけっこう、見逃しちゃってると思うわ」
ネットの向こうで、たっちー先生が「むむむ……!」と唸ったのが何となくわかった。彼女が続ける。
「もったいないなあ。そういうの、おもしろいネタになるのに……。……じゃあ、わかった! 今後はネタになりそうなモノを見つけたら速攻で買って、君に届けるようにするわ!! 記事に使ってくれ!!」
ありがたいのは、気の置けない仲間だなぁ……(シミジミ)。ここんとこいろいろあって、掛け値なしに信頼できる同僚の貴重さを再認識しているんだよねぇ……w
そんな、メールでのやり取りがあった数日後。
さっそくひとつの封書が俺の元に送られてきた。差出人はもちろん、前出のたっちー先生である。
「なんだなんだ」
と開けてみると……! そこにはッ!!
こ、この……!
大量の付属品が付いているせいで輪ゴムでがんじがらめにシュリンクせざるを得ない、付録大好き小学生にとって憧憬と欲情の対象は!! あ、あの!!!
現在、大好評発売中!! 我らが小学館発行の『月刊コロコロイチバン!』7月号ではないか!! ずっと週刊ファミ通を作っていた人間なので雑誌にゃ慣れてるんだけど……こういう、やたらと付属物が付いた雑誌って作ったことないので、手にしただけでワクワクするなあオイwww
そんな、コロコロイチバン!7月号を、わざわざ自腹で(角満事務所の金だけど)購入してまで、たっちー先生は何を見せたかったのか? 送り状にはひと言、
「キサマがプレイ日記でずっと書いてた、ヘルクレスオオカブトとやらが付録らしいで!! 『カブトクワガタ』との連動付録や!!」
と書かれている。
さすがに、ワニワニと動く生きたヘルクレスオオカブトが付録になるわけがないので、「まさか、そんな^^;」といぶかしみながらも、俺は若干高揚する気持ちを抑えながらコロコロイチバン!7月号の表紙をしげしげと眺めてみたのだ。
すると……!! そこには確かに、ヘルクレスオオカブトが!!!
なんとなんと、この号にはだな……!
なるほどーーー!!ww ヘルクレスオオカブトの……ペーパークラフトがついてきてるのね!!ww それも、あえて、
“リアルペーパークラフト”
と銘打つくらい、細部が作りこまれたリアル志向のモノが!!
さあたいへんだ。こうしちゃいれらないぞ。
ペーパークラフトを作るなんて……果たしていつ以来だろう。
2018年に、段ボールクラフトとゲームがドッキングした『Nintedo Labo』がNintendo Switch用ソフトとして発売されたけど、あれに夢中になったのが最後かもしれない。そう考えると、かな~り久々だなあ!
とはいえ俺は、趣味のレザークラフトでサイフやカバンを作ったり、もひとつ趣味で自作キーボードを作るためにはんだ付けなんかもこなす“モノ作り大好き男”でもある。小学生がメインターゲット層と思われるコロコロイチバン!に付いてくるペーパークラフトくらいだったら……きっとアッと言う間に完成させられるに違いないぞ!!
というわけでさっそく本誌をめくり、中に閉じてあるペーパークラフトを見てみると……!
虫の腹~~~ん……www
お、おおう……((゚Д゚;)) さすが“リアル”を謳っているだけあって、めちゃくちゃムシムシしい(?)脚や腹が並んでいるな((゚Д゚;))
ペーパークラフトは、見開きページにわたって部品が掲載されている。この部分だけ厚紙仕様になっていて、切り取り線にそってピリピリと本誌から切り離すことが可能だ。
ちなみに、俺のように長年雑誌を作ってきた人間からすると、この切り取り線の深さと幅が絶妙で、じつに小気味よく取り外せることに感動してしまうw これなら子どもでもキレイに切り離せるし、ちょっとした負荷くらいでは取れちゃわないので、書店の人も安心だろうなぁ。さすが、付録慣れしている小学館は違うな!!
取り外せしたペーパークラフトを床に広げ、
「さすが小学館。さすがコロコロ」
と、妙なところに感心していると……!
ぬwww
虫の香りに誘われたのか、飼いネコのるーさんがヘルクレスオオカブトに興味津々……w しばらくこの上に居座って、ペーパークラフトをほかほかにしてくれたわ……w
では気を取り直して、本誌218ページに載っている“作り方”を開きまして……!
……なんか、意外と複雑??
作り方の番号に従い、まずは脚の部分を台紙から取り外していくんだけど……!
ペリペリペリ……。
て、手が震える((゚Д゚;))((゚Д゚;))
まるで虫みたいな細い脚(虫だけど)が儚くて、力加減に緊張が走る……!!((゚Д゚;))
それでも、なんとか取り外した1本目の脚を机に置くと……!
……完全に、リアル虫の忘れ物って風情なんだけど^^;;; いやあ、これはおもしろいことになりそうだぞ!!
続く。
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『カブトクワガタ』公式ツイッター:
https://twitter.com/kabukuwa_info
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