デュエマ妄想構築録 vol.59-2 ～捨てると出るッチ！デカッチ・カンフー!!～

By まつがん

　アビス・レボリューション第1弾「双竜戦記」には、SRやVRのような光り物以外にも、デッキの基盤となるような基礎的な部分のスペックを、従来よりも大きく引き上げたようなカードも存在していた。

　《レーホウ・衛・デカッチ/「暴竜爵様のお出ましだッチ！」》。呪文側は火文明でありながら山札の上を4枚も見られる上に、アドバンテージを失うことなくその後のドローも固定できるということで、他の文明まで見渡しても類を見ないほど強力なサーチカードとなっている。

　とりわけ強力なのは、これ1枚でコンボパーツを2枚同時に探せるという部分にある。「ドラゴン」か「ファイアー・バード」がコンボパーツなら、それらを手札に加えつつもう1種が残り3枚にあれば山札の上に積むことで次のターンに引き込めるからだ。

　ならば、「ドラゴン」か「ファイアー・バード」がコンボパーツである2枚コンボを探せばいいということだ。

　まず思いつくのは《龍世界 〜龍の降臨する地〜》だろう。2ターン目に《レーホウ・衛・デカッチ/「暴竜爵様のお出ましだッチ！」》を唱えれば《龍世界 〜龍の降臨する地〜》を探しながら踏み倒し先のドラゴンを山札の2枚目に積んでおくことでSSR確定ガチャが引けるようになる。

　また、《レーホウ・衛・デカッチ/「暴竜爵様のお出ましだッチ！」》は4コストのクリーチャーを射出する《龍装05号 イヴィルヴィ/イーヴィル・フォース》や《「時空さえも突き抜けろ！」》とも相性が良い。射出先候補の《不吉の悪魔龍 テンザン》も探せるので、3ターン目の射出率アップに大きく貢献してくれるからだ。

　他方でこれらのコンボには、いわゆるメタクリーチャー耐性が低いという問題があった。

　《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》や《異端流し オニカマス》のような召喚以外を咎めるメタクリーチャーを出されると、《レーホウ・衛・デカッチ/「暴竜爵様のお出ましだッチ！」》で山札を固定してしまっていることもあり、回復不能なほどに減速させられてしまうのだ。

　また、自ターン中のクリーチャー踏み倒しは《流星のガイアッシュ・カイザー》が反応するので相手に反撃のチャンスを与えてしまうというのも問題だった。

　だが、こうした「メタクリーチャーに弱い」という問題を解決するとなると、「ドラゴン」か「ファイアー・バード」がコンボパーツである、メタクリーチャーに強い2枚コンボを探す必要が出てきてしまう。

　まさかそんなコンボが存在するはずも……あった。

　多くのメタクリーチャーには、S・トリガーを咎められないようにするために「相手のターン中」という制限がある。したがって相手にとっての自分のターン、つまりこちらにとっての相手のターン中に出すクリーチャーについては、ほとんどのメタクリーチャーの効果が及ばないのだ。

　つまり「ドラゴン」か「ファイアー・バード」がコンボパーツである、相手のターン中に決まる2枚コンボであれば問題ないということになる。

　では相手のターン中にクリーチャーを出すにはどうすればいいか？

　そのヒントは、上で挙げた《「時空さえも突き抜けろ！」》にあった。

　《レーホウ・衛・デカッチ/「暴竜爵様のお出ましだッチ！」》は、「ビビッドロー」コストが3マナのカードと相性が良い。

　そして《「時空さえも突き抜けろ！」》以外で、「ビビッドロー」コストが3マナのカードといえば。

　答えは明らかだろう……そう。

　《シーラ・カンフー》で相手のターン中にクリーチャーを出せばいいのでは？？？🤔🤔🤔

　《シーラ・カンフー》は相手のターン終わりに手札を強制的に捨てさせる能力を持っている。とはいえそのまま使うと自分から手札を爆散させる頭のおかしい人だが、そこで《斬隠蒼頭龍バイケン》のように「相手のターン中に手札から捨てたときに代わりに出せるクリーチャー」を手札を抱えておくことで、多くのメタクリーチャーをすり抜けてクリーチャーをタダ出しすることができるようになるのだ。

　《斬隠蒼頭龍バイケン》と同じく「捨てて出る」系の定番と言えば《翔竜提督ザークピッチ》で、《レーホウ・衛・デカッチ/「暴竜爵様のお出ましだッチ！」》とは相互に回収できる関係なのが嚙み合っている。

　また、こうした「捨てたら出る」系には最近新顔が登場していたのをご存知だろうか。「スタートWINデッキ 竜軍・オブ・ボルシャック」でデュエプレから逆輸入された《メテオキャノン・ドラゴン》は、《斬隠蒼頭龍バイケン》と同じくW・ブレイカーなのでタダ出しでクリーチャーを並べた後の一斉攻撃の際の打点として頼もしい。

　とはいえこれだけだと開き直られて全力攻撃されるだけで負けてしまう。そこで《トツゲキ戦車 バクゲットー》や《イルフィン・ザ・シルバー/メラメラ・チェイン》のように「手札を捨てられるトリガー」を入れておくことで、《斬隠蒼頭龍バイケン》でしのぐプランも作ることができる。

　ちなみに「多くのメタクリーチャーをかわせる」と書いたが、《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》《天翼 クリティブ-1》《ベイB セガーレ》などを出されると血涙を流しながら下唇を強く噛みしめて対戦相手が帰り道で4回くらい転ぶよう呪いをかけるしかやることがなくなるのでそのあたりは祈りで何とかするしかない。

　あと「ビビッドロー」で出した《シーラ・カンフー》を除去されたときに「では俺自身が《シーラ・カンフー》なのでエンド前に手札を捨てます」とゴリ押しできるようにあらかじめカンフー着のコスプレをしておくとスムーズに出禁になっていいだろう。

　というわけで、できあがったのがこちらの「デカッチ・カンフー」だ！

　『デカッチ・カンフー』

？？？「コラ！デュエマで呪いをかけるんじゃない‼」

　そ、その声は！？

　リアル・レボリューション・ラップ仙人、デッドマン！！(この後、後ろの棚を蹴り倒しそうになってチアリに「そこでその動きめちゃくちゃ怖いな！！！」と止められてました)

デッドマン「新カードとの邂逅が待ち遠しい研究仙人のために、また新しいカードを持ってきましたよ！」

　はたしてデッドマンが持ってきてくれたカードとは！？

　次回に続く！

ライター：まつがん                      
 
フリーライター。クソデッキビルダー。        
 
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。  
 
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている（が、上記のような理由で大体失敗する）。

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