By まつがん
さて、前回は皆さんにカードの能力を予想してもらったわけだが、まずは正解を発表することとしよう。
それが、こちらのカードだ!
これ1枚で13枚も墓地が肥える……だと……?
4コストの魔導具としては明らかに破格な効果であり、新デッキの作り甲斐がありそうだ。
というわけで、2月18日(土) に発売予定の「ヒーローズ・ダークサイド・パック ~闇のキリフダたち~」に収録される新カード、《堕∞魔 ヴォゲンム》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。
それを考えるにあたっては、《堕∞魔 ヴォゲンム》の唯一無二性とどう立ち向かうかが課題となる。
仮に《堕∞魔 ヴォゲンム》をコンセプトにした何らかのデッキができたとしても、そのデッキは《堕∞魔 ヴォゲンム》を最大で4枚しか入れることができない。
そこで私は閃いたのだ。《堕∞魔 ヴォゲンム》の運命の双子の存在に。
そう、《不吉の悪魔龍 テンザン》だ。
これなら《堕∞魔 ヴォゲンム》をデッキに実質8枚積めるため、安定して動きを再現することが可能となる。
また、《堕∞魔 ヴォゲンム》も《不吉の悪魔龍 テンザン》も《龍装05号 イヴィルヴィ/イーヴィル・フォース》と《「時空さえも突き抜けろ!」》で1ターン早く出せるため、これにより《不吉の悪魔龍 テンザン》の側の動き出しの遅さを《堕∞魔 ヴォゲンム》と揃えることができる。
あとは《一なる部隊 イワシン》を絡めて《超神星DOOM・ドラゲリオン》から《水上第九院 シャコガイル》を着地させるお馴染みのギミックで特殊勝利を狙えばいい。
というわけで、できあがったのがこちらの「テンザン・ヴォゲンム」だ!
『テンザン・ヴォゲンム』
《禁断 ~封印されしX~》 | |
4 | 《一なる部隊 イワシン》 | 4 | 《龍装05号 イヴィルヴィ/イーヴィル・フォース》 | 4 | 《堕∞魔 ヴォゲンム》 | 4 | 《不吉の悪魔龍 テンザン》 | 1 | 《盗掘人形モールス》 | 3 | 《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》 | 3 | 《水上第九院 シャコガイル》 | 4 | 《超神星DOOM・ドラゲリオン》 | 4 | 《ブレイン・ストーム》 | 4 | 《ブレイン・ブック》 | 4 | 《「時空さえも突き抜けろ!」》 |
だが、完璧に見えたこのデッキには1つの重大な欠陥が存在していた。
山札の枚数を調節することが全くできんのだが???🤔🤔🤔
通常デュエマは初手5枚シールド5枚で山札30枚からゲームがスタートするわけだが、アドバンス・フォーマットで《禁断 ~封印されしX~》をデッキに入れれば23枚スタートとなる。ここで2ターン目に《ブレイン・ストーム》か《ブレイン・ブック》を挟んでから3ターン目に《堕∞魔 ヴォゲンム》か《不吉の悪魔龍 テンザン》で山札13枚を削る前提だと、先手なら残り山札7枚・後手なら6枚。4ターン目の通常ドローをカウントしてもまだ先手6枚・後手5枚だから、13枚削りで《一なる部隊 イワシン》が3~4枚落ちないと4ターン目の《超神星DOOM・ドラゲリオン》着地時点で山札が1枚にならないのだ。
おまけに《龍装05号 イヴィルヴィ/イーヴィル・フォース》からだったならば良いが《「時空さえも突き抜けろ!」》からの《堕∞魔 ヴォゲンム》や《不吉の悪魔龍 テンザン》だとこれらが次のターンにも普通にバトルゾーンに残ってしまうため、4ターン目をさらなる山札削りにあてる猶予すら残されておらず、なぜか自分の山札が勝手になくなって負けるセルフ紐なしバンジーデッキが爆誕してしまったことになる。というかそれはもうデッキ未満の紙束であると言わざるをえない。
しかしこの問題は「3ターン目13枚削りからの4ターン目《超神星DOOM・ドラゲリオン》勝ち」をコンセプトにする限り回避できないように思われた。つまり結局私は、《堕∞魔 ヴォゲンム》を使った全く新しい別のコンセプトを考え出すことを余儀なくされてしまったのであった。
振り出しに戻った私は、先ほどのデッキが失敗した原因について考えてみた。そして、本質的には自爆装置である《堕∞魔 ヴォゲンム》に安全装置を組み込めない限り、そのデッキは欠陥品になってしまうという結論に至ったのである。
つまり《堕∞魔 ヴォゲンム》を出すデッキは、その動きの中で必然的に自分の《堕∞魔 ヴォゲンム》を処理できなければならないのだ。
しかしそんなことが可能なのだろうか?
考え抜いた末に……私は、1つの答えにたどり着いた。
普通に魔導具デッキで使えばいいのでは???🤔🤔🤔
そう、「無月の門・絶」ならば自ターンもしくは相手ターン終了時のどちらでも、手札にあろうと墓地にあろうと宣言できるので、《堕∞魔 ヴォゲンム》を巻き込みつつドルスザクを召喚できる。
「13枚」という数字も、盤面の《堕∞魔 ヴォゲンム》と合わせれば「ドルスザク2枚・魔導具12枚」でぴったり2体召喚できるので、2~3ターン目に魔導具呪文を唱える前提なら、ドルスザクが数枚多く落ちても問題なく2体のドルスザクを立てることができるだろう。
ただこれだけだと仮に《「無月」の頂 $スザーク$》を2体立てたとしてもダイレクトアタック要員がいなくなってしまう。そこで魔導具兼追加アタッカーとして《堕魔 ジグス★ガルビ》を採用することで、ドルスザク召喚に使わなかった分を打点に変換することができるようになる。
また、《魅力医 ミョウオウ》が出ていると墓地の《「無月」の頂 $スザーク$》や《卍月 ガ・リュザーク 卍/卍・獄・殺》が魔導具になるので、《堕魔 ドゥベル》も追加の《堕魔 ジグス★ガルビ》のような働きを期待できる。
というわけで、できあがったのがこちらの「ヴォゲンム・ザーク」だ!
『ヴォゲンム・ザーク』
2 | 《堕魔 ドゥベル》 | 4 | 《魅力医 ミョウオウ》 | 4 | 《堕∞魔 ヴォゲンム》 | 4 | 《堕魔 ジグス★ガルビ》 | 4 | 《「無月」の頂 $スザーク$》 | 1 | 《卍 ギ・ルーギリン 卍/卍獄ブレイン》 | 1 | 《卍月 ガ・リュザーク 卍/卍・獄・殺》 | 4 | 《堕呪 バレッドゥ》 | 4 | 《堕呪 ゴンパドゥ》 | 4 | 《堕呪 ギャプドゥ》 | 4 | 《堕呪 カージグリ》 | 4 | 《堕呪 エアヴォ》 |
このデッキが実際にどんな動きをするのか気になる方は、以下の動画で確かめてみて欲しい。
さて、いかがだっただろうか。
《堕∞魔 ヴォゲンム》が収録されている「ヒーローズ・ダークサイド・パック ~闇のキリフダたち~」は、2月18日(土) に発売予定だ。
また、コロコロコミック3月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。