By まつがん
さて、前回は皆さんにカードの能力を予想してもらったわけだが、まずは正解を発表することとしよう。
それが、こちらのカードだ!
呪文やタマシードを使うたびに手札入れ替えだと……?
9月17日(土) に発売予定のゴッド・オブ・アビス第1弾「伝説の邪神」に収録される新カード、《電脳の海を彷徨うエレキギター》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。
それを考える前にまず念頭に置いておくべきは、《電脳の海を彷徨うエレキギター》自体は決してアドバンテージを生むカードではないという点だ。
なぜなら、「1枚引いて1枚捨てる」という行為自体は何回繰り返しても手札の総数を変えることがない。それゆえに、《電脳の海を彷徨うエレキギター》を設置した1枚分の手札を回収することができないからである。
こうした「リソースを費消する代わりにゾーン間のカード移動を加速させるカード」については、費消したリソースを何らかの形で必ず回収する必要がある。
では、リソースの回収にはどのような手段が考えられるだろうか?
ここで私がまず着目したのは、《電脳の海を彷徨うエレキギター》を設置して呪文を唱えまくれば墓地が大量に肥えるという点だった。
そう、すなわち。
《魔導管理室 カリヤドネ/ハーミット・サークル》だ。
ほぼデッキ全体が呪文のみで構成されており、《ブラッディ・クロス》などの軽い呪文も豊富に搭載したこのデッキならば、《電脳の海を彷徨うエレキギター》が持つポテンシャルを最大限引き出せるのではないか。
だが、デッキを組んでみた私はすぐに失望することになる。
問題点は明らかだった。墓地肥やしの過程で《電脳の海を彷徨うエレキギター》自体が墓地に落ちてしまい、《魔導管理室 カリヤドネ/ハーミット・サークル》着地のスピードを殺してしまうのだ。
また、《電脳の海を彷徨うエレキギター》を設置するためのマナや手札の余裕があるなら《ブラッディ・タイフーン》を唱えた方が話が早いというのもあった。
山札上に積んだ《魔導管理室 カリヤドネ/ハーミット・サークル》をすぐ引き込めるようになるので《ロスト・ウォーターゲイト》との相性は悪くないとはいえ、デッキ自体に《電脳の海を彷徨うエレキギター》というノイズが入ることを許容できるアーキタイプでなければこのカードのポテンシャルは引き出せない、というのが私の結論だった。
では《魔導管理室 カリヤドネ/ハーミット・サークル》は諦めるとして、他にどのようなリソース回収の手段が考えられるだろうか?
「引いて捨てる」というアクションによって手札の総数が変わらない以上、《電脳の海を彷徨うエレキギター》の効果を積み重ねることによって明確な変化があるとすればそれは墓地の枚数に他ならない。だから墓地を使うというアプローチ自体は間違っていないはずだ。
ここで私は《一なる部隊 イワシン》に着目した。このカードを捨てれば《電脳の海を彷徨うエレキギター》の効果が実質もう1回使える。ならば「墓地ソース」か?
いや、ダメだ。「《電脳の海を彷徨うエレキギター》が邪魔になる」という《魔導管理室 カリヤドネ/ハーミット・サークル》の問題を解決できていない。
しかし《一なる部隊 イワシン》という着想を得たことで、私はようやく答えにたどり着くことができた。
「引いて捨てる」ということは、捨てるカードを選べるということだ。
ならば重要なのは墓地の枚数ではない。捨てることによってバリューがあるカードを使えばいいのだと。
そう、すなわち。
《夜露死苦 キャロル》を使えば「引いて捨てる」が全部タダ得のドローになるのでは???🤔🤔🤔
《夜露死苦 キャロル》はマナに水と火が揃ってさえいればどこから墓地に落ちても手札に戻ってくる能力を持っている。
つまりマナに水と火があって《夜露死苦 キャロル》を手札に抱えている限り、《電脳の海を彷徨うエレキギター》のテキストはこう読み替えることができるということだ。
「呪文か他のタマシードを使った時、カードを1枚引く。」
2コストでかつ除去されにくいタマシードということまで考えると、《歩く賄賂 コバンザ》もびっくりの激ヤバテキストの爆誕である。
しかもここで私は気がついてしまった。
「ギター」であり「ゴキゲンシャウト」……つまり《電脳の海を彷徨うエレキギター》は、「ライブを開催せよ」というウィザーズからのメッセージ (?) だったのだ!!!
というわけで、あとは脇を埋めるカードを探していくだけだ。
《夜露死苦 キャロル》を入れる以上、《電脳の海を彷徨うエレキギター》を引けない場合でも機能するようにデッキを構築する方が自然である。そして《夜露死苦 キャロル》だけを引いているなら、《電脳の海を彷徨うエレキギター》を引きに行きたいことから、「引いて捨てる」を実行する呪文が入っていると都合が良い。
《ザババン・ジョーカーズ》と《ジョラゴン・リロード》は最軽量でそれを満たすカードで、しかも後述の都合でジョーカーズの「マナドライブ」も達成したいのでうってつけだ。
「引いて捨てる」呪文を唱え、《電脳の海を彷徨うエレキギター》の能力も解決すると、それだけでそのターン中2枚のカードを捨てていることになる。ならば、《”魔神轟怒”万軍投》は早くも1マナのカードに変貌する。
しかも、コストとして捨てるカードは《夜露死苦 キャロル》で構わないというのだから相性はバッチリだ。
あとは「火水ジョーカーズミッツァイル」的な感じで呪文を連鎖させていき、《次元の嵐 スコーラー》にたどり着けばほぼ確実に勝利できるだろう。
超GRはジョーカーズに統一することで、《パッパラパーリ騎士》でさらなる《”魔神轟怒”万軍投》のためのマナを作ったり、《夢のジョー星》をタダで唱えて《電脳の海を彷徨うエレキギター》の能力をさらに発動させることも可能だ。
《”魔神轟怒”万軍投》や《電脳の海を彷徨うエレキギター》の能力を連打していると、簡単に山札を掘りきることが可能となる。そこで超GRに《無限合体 ダンダルダBB》を1枚入れておきつつ、デッキ内に《神の試練》を1枚差ししておくことで、《次元の嵐 スコーラー》の追加ターンだけでなく追加2ターン目も獲得できるようになる。
「人は追加ターンを取ると脳汁が出る」と相場が決まっている。ならば追加2ターンを取るとどうなるか?答えは脳二郎が出るのである。ニンニクヤサイアブラカラメを脳細胞に食わせて幸せホルモンを分泌させていけ。
というわけで、できあがったのがこちらの「ゴキゲン・ギター」だ!
『ゴキゲン・ギター』
4 | 《花美師ハナコ》 | 4 | 《夜露死苦 キャロル》 | 1 | 《超宮兵 マノミ》 | 1 | 《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》 | 4 | 《カツラデランス/「アフロ行きま~す!!」》 | 1 | 《BAKUOOON・ミッツァイル》 | 2 | 《次元の嵐 スコーラー》 | 4 | 《ザババン・ジョーカーズ》 | 4 | 《メラメラ・ジョーカーズ》 | 3 | 《ジョラゴン・リロード》 | 1 | 《セイレーン・コンチェルト》 | 2 | 《夢のジョー星》 | 1 | 《神の試練》 | 4 | 《”魔神轟怒”万軍投》 | 4 | 《電脳の海を彷徨うエレキギター》 |
2 | 《全能ゼンノー》 | 2 | 《パッパラパーリ騎士》 | 2 | 《ゴッド・ガヨンダム》 | 2 | 《ツタンメカーネン》 | 1 | 《オレちんレンジ》 | 1 | 《Mt.富士山ックスMAX》 | 1 | 《ジェイ-SHOCKER》 | 1 | 《無限合体 ダンダルダBB》 |
このデッキが実際にどんな動きをするのか気になる方は、以下の動画で……え?何?
クイズ仙人「まつがんさん……大変申し上げにくいのですが、捨てるのを《夜露死苦 キャロル》で置換してしまうと《”魔神轟怒”万軍投》の『捨てた自分の手札』にカウントできない裁定なんですよ」
……。
…………。
じゃあこのデッキ破綻してるじゃねーか!!!
もちろんこれによって《電脳の海を彷徨うエレキギター》のカードパワーに疑義が生じるわけでは全くない……が、ルールはちゃんと確認しよう (※動画は没になりました)。
さて、いかがだっただろうか。
《電脳の海を彷徨うエレキギター》が収録されているゴッド・オブ・アビス第1弾「伝説の邪神」は、9月17日(土) に発売予定だ。
また、コロコロコミック10月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。