——1日1000枚!? それも手作業となると大変ですね。
津田:そうですね。やはり想像だけでは限界があるので、この最終形に至るまで、とにかく作業場でいくつものパターンを作成してもらいました。そうしていく中で、「ただ透明なビーズを貼りつけるだけでは文字が読みにくいな」とか、「もっとシンプルなデザインならありだけど今回のとは合わないな」とか、次第に最終形が見えてきました。
津田:細かいところではラメのサイズや量を変えたりもしました。1mm角と2mm角を混ぜた時に1mm角を多めにしていますが、それだけだと弱いのです。しかし、2mm角だけだと、いろんなところを隠しすぎちゃってダメだとなりました。
そのうちに「もっと絵柄の方にビーズをつけよう」とか「タイトル周りに金を配置しよう」とか迷走してしまいました(笑)。
——なるほど。でも結果的に、この最終形のデザインはコロコロ編集部も大満足な仕上がりです!
津田:ありがとうございます。基本的には佐々木さんが想定してデザインしてくださった通りなのですが、今回のビーズ加工では相当な試行錯誤をしました…。
——その気持ちわかります。コロコロコミックでも表紙デザインを決めるときは色々試しますから。そうなると、やはり最初のテーマや方向性を決めるのは、難しいですよね?
津田:それこそ、小学館さんとかの出版社では編集会議とかすると思いますが、デザインのひきだしはそれがないんですよ。編集者がわたしだけなので、一人で企画を出します。だから、会議はわたしの脳内だけです。
—–ひとりで担当されているのですか!?
津田:はい。なので、かなり自由度を高くつくらせていただいています。
——なるほど。だから、クオリティが高いのですね。ちなみに、どれくらい「デザインのひきだし」は発行されていますか?
津田:ふろくや表紙の加工が特殊なので、「デザインのひきだし」は1万2000部の限定販売になっています(笑)
——書店さんで見かけたら、すぐに買わないと! 加工やデザイン技術を知らない人の目にも止まる魅力がありますから、すぐ売り切れてしまいそうですね。
津田:印刷加工に詳しい人だけの目に止まるような表紙ではダメだなって私は思っています。技術だけを求めても、知らない人からすれば「だから何?」となってしまう。
なので、詳しい人も、詳しくない人も「おっ?」と思ってもらえる表紙を作るように心がけているんです。
——津田さん、貴重なお話ありがとうございました!
津田:こちらこそ、ありがとうございました。
津田さんの熱い情熱と飽くなき探究心が、人を惹きつける「デザインのひきだし」の原動力になっていた!
「デザインのひきだし36」は明日2月12日発売するぞ! これは見逃せない!!
明日12日は「デザインのひきだし36」の表紙デザインをされた佐々木多利爾さんに特別インタビュー! どんな話が出てくるのか、乞うご期待!!
外部リンク
デザインのひきだし・制作日記:
https://dhikidashi.exblog.jp/