By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは先々週発売したコロコロコミック5月号はもう入手されただろうか?
デュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
いよいよ始まった新たなるシリーズ、王来MAX。その皮切りとなった4月9日発売の「キングマスタースタートデッキ アバクの鬼レクスターズ」には、驚くべきポテンシャルを持ったカードが存在していた。
そのカードとは、これだ。
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《シラズ死鬼の封》。4コストのS・トリガー持ちのタマシードで、墓地から4コスト分のクリーチャーを蘇生できる能力を持っている。
ただ、これだけ聞くと「4マナで4マナ分のクリーチャーを蘇生できるんだから適正コストでは???」と思われるかもしれない。
だが、よく読んでみるとこのカードのテキストには重大なバグが隠されていたのだ。
そう、それは「好きな数」という点だ。
しかし「好きな数」とはいっても合計が4であることに変わりはないから、組み合わせは「1+1+1+1」「1+1+2」「1+3」「2+2」「4」の5パターンしか存在しないのではないか。
否。そこには実は抜け道が存在していたのである。
しかして、その抜け道とは。
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0コストのクリーチャーを大量に蘇生できるのでは???🤔🤔🤔
《ゾンビポンの助》と《夢幻なる零龍》は、デュエル・マスターズにおいて現状唯一無二の0コストクリーチャーである。0コストゆえにパワーも0でバトルゾーンに残すことはできないが、それでも《シラズ死鬼の封》で一度に墓地から蘇生することにより大量に出て即破壊されるといった事象は起こせるため、あとは破壊によるシナジーさえ見つかれば、かなり面白い動きが期待できる。
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となると0コストクリーチャーを墓地に送り込む手段が必要だが、3種12枚の《戦略のD・H アツト》系クリーチャーがいれば、《シラズ死鬼の封》を探しながら0コストクリーチャーを問題なく墓地に送り込める。
そして破壊シナジー持ちは、「こんなやついたっけ?」となりそうな《毘盛伽 ジョウ骨キ》。「レインボーナス」でクリーチャーの破壊時に1ドローができるようになる能力を持っているので、3種12枚の《戦略のD・H アツト》系クリーチャーとの相性も抜群だ。
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あとは《毘盛伽 ジョウ骨キ》で大量に増えた手札と盤面の《戦略のD・H アツト》などを破壊して《闇王ゼーロ》を唱えれば、4ターン目に《偽槍縫合 ヴィルジャベリン》を着地させることが可能となる。
というわけで、できあがったのがこちらの「シラズ・ゼーロ」だ!
『シラズ・ゼーロ』
《滅亡の起源 零無》 | |
4 | 《ゾンビポンの助》 |
《夢幻なる零龍》 | |
4 | 《戦略のD・H アツト》 |
《【問2】 ノロン⤴》 | |
4 | 《戯具 ドゥゲンダ》 |
4 | 《毘盛伽 ジョウ骨キ》 |
4 | 《一なる部隊 イワシン》 |
4 | 《シラズ死鬼の封》 |
4 | 《闇王ゼーロ》 |
4 | 《偽槍縫合 ヴィルジャベリン》 |
省略 |
デッキじゃない。
一見理に適っているように見えて、一人回しして発覚した《毘盛伽 ジョウ骨キ》と《シラズ死鬼の封》への意味不明な依存度の高さもさることながら、序盤にアツト/ノロンでなるべく多くの0コストクリーチャーを墓地に落としておきたいのに0コストクリーチャーを引きすぎるとアツト/ノロンが出せずに憤死するといった構造上の欠陥も浮き彫りになり、「これなら普通に《罪無 ターボ兆》とか使って《闇王ゼーロ》唱えた方が早くね???」という当然の結論に至ってしまったのであった。
そしてその後も、《シラズ死鬼の封》を作ったデッキ作りは難航した。
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《シラズ死鬼の封》を《有象夢造》の5~8枚目に見立て、《爆走戦鬼レッド・ライダーズ》を墓地から蘇生しまくるデッキを考えたが、バトルゾーンに出た《爆走戦鬼レッド・ライダーズ》を破壊する動きの要求値が高くて挫折。
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《夢幻なる零龍》が蘇生できるということは……?と考えてたどり着いた《リップ・ウォッピー》と《アクア鳥人 ロココ》による無限ドローループと組み合わせようとしたが、1種類4枚ずつの3枚コンボをさらに墓地に落として揃えようとするのが正気の沙汰ではなく挫折。
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ならばと《シラズ死鬼の封》がS・トリガーであることに目を付け、1コストの《転々のサトリ ラシャ》と3コストの《終末の時計 ザ・クロック》を同時に蘇生して確定カウンターをするコンセプトも考えたが、そもそもそんなことする必要が全くなくて挫折。
こうした失敗を踏まえて私は、「《シラズ死鬼の封》の最も強い使い方は何なのか?」という根本的な問いから改めて見つめ直すことにした。
0コストを蘇生するのはデッキにならなかった。「2+2」も有望ではあるものの既存の枠組みを出るものではない。また合計4コストという制約上、3コストを軸にしたデッキで運用するのは効率が悪い。4コストを出すなら手札から出した方が話が早いに決まっている。
ならばもっとシンプルに。「1コスト」を活用するべきではないか。
つまり、そう。
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1コストのクリーチャーを4体蘇生する方が強いのでは???🤔🤔🤔
そもそも《シラズ死鬼の封》は4コストで「1+1+1+1」の蘇生ができるカードというだけで十分に革新的なのである。加えて「進化でない」とも書いていないので、《死神術士デスマーチ》や《ジャリ <デスマ.Star>》といった1コストとは思えないスペックを持つ進化クリーチャーであっても、構わず1コスト計算で蘇生ができる。
ならばこうした1コストだけれども1コスト以上のスペックを持っているクリーチャーで「1+1+1+1」を構成することで、さらなるバリューを引き出すことができるはずだ。
そう……0コストのクリーチャーを蘇生するのに比べるとインパクトは少ないかもしれないが、「1+1+1+1」こそが、《シラズ死鬼の封》の性能を最もうまく引き出せるコンセプトだったのだ。
「1+1+1+1」は当然に「1ターン目に1→2ターン目に1+1」という展開ができることを前提にするので、必然的に単色となる。ということで、《シラズ死鬼の封》と同じ闇文明で「1+1+1+1」を構成するカードを探していくだけだ。
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《死神術士デスマーチ》の「墓地進化」をサポートするには墓地肥やしが不可欠だが、闇の1マナのクリーチャーで墓地肥やしが可能かつプレイアブルなスペックを持っているものといえば、《不蠍虫ガタドコサ・ワーム》と《不死帝の黒玉 ジェット》が挙げられる。
これらは単体では攻撃しにいくことができないが、《ジャリ <デスマ.Star>》の進化元として運用すれば問題はない。
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「1+1+1+1」がデッキコンセプトになっているならば、《無限皇帝の顕現》はたった2コストで2体のクリーチャーを並べられる最強の呪文へと変貌する。
《終端の闇 ウゴカ・ザルコ/再誕の輝き》は2コストなので「1+1+1+1」にはならないが、W・ブレイカーが強力なだけでなく、墓地にクリーチャーを落として「墓地進化」の準備をしたり《シラズ死鬼の封》のS・トリガーに備える動きも可能だ。
というわけで、できあがったのがこちらの「シラズ・マーチ」だ!
『シラズ・マーチ』
《滅亡の起源 零無》 | |
4 | 《闇戦士ザビ・クロー》 |
《不蠍虫ガタドコサ・ワーム》 | |
4 | 《不死帝の黒玉 ジェット》 |
《死神術士デスマーチ》 | |
4 | 《ジャリ <デスマ.Star>》 |
4 | 《堕魔 ドゥグラス》 |
4 | 《終端の闇 ウゴカ・ザルコ/再誕の輝き》 |
3 | 《鬼面妖蟲ワーム・ゴワルスキー》 |
4 | 《無限皇帝の顕現》 |
4 | 《シラズ死鬼の封》 |
1 | 《”轟轟轟”ブランド》 |
2 | 《全能ゼンノー》 |
2 | 《バツトラの父》 |
2 | 《超衛の意志 エイキャ》 |
2 | 《ロッキーロック》 |
2 | 《モウドク 乙-一式》 |
2 | 《オーマ 丙-二式》 |
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デッドマン「このデッキは《奇天烈 シャッフ》を出されたらどうなってしまうんですか?」
まつがん「対戦相手の幼少時の黒歴史をことごとく調べ上げてインターネットの海に放流することになるね」
デッドマン「もしもーし!おまわりさーん!!ここに危ない人がいますよ!!」
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まつがん「(あっ、死んだわ……)」
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。