2003年にニンテンドーゲームキューブ(以下、GC)で発売された名作アクションRPG『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』(FFCC)のリマスターが、2020年8月27日にやってくる!
そして本日8月8日は、オリジナル版『FFCC』が発売された17回目の記念日だ!!
「“マルチプレイが楽しい作品”といえば『FFCC』でしょ!」
というファンの声が聞こえてくるくらい、本作はマルチプレイの要素を推せるタイトルだ。
ただ、当時画期的なシステムで最高のマルチプレイ体験を味わえた『FFCC』だが、とある事情によってその楽しさを100%享受できたプレイヤーが少しばかり限られていた面があった。
そのため、隠れた名作ともいえる本作の魅力を、まだまだ知らない人も多いのでは?
ということで、記念すべき今日この日に加え、リマスター版発売が迫るこの機会により多くの人に『FFCC』の良さを知っていただこう!
没入感の高い
美しくも過酷な世界観!!
まずは概要の説明から。
“マルチプレイが楽しい”と冒頭で叫んだところだが、それはあくまでも本作が最高の世界観の上に成り立っているからこそ。それどころか、『FFCC』の素晴らしいポイントのひとつとして、世界設定とゲームシステムがとてもよくマッチしている点をあげたい。
本作の舞台は民族調のBGMも相まって牧歌的な雰囲気で、和やかに感じられるが、その実とても過酷な世界。クリスタルなしでは生きることができず、その力を維持するために若者たちは危険な旅に身を投じなければならない。
※本記事の画像は全てGC版のものです。
ストーリー
〝世界は瘴気に包まれた。
ひとたび触れると、もはや生命を保つ事が不可能な瘴気。
しかし、人々はその瘴気から逃れる術を得ていた。
クリスタル——————。
その存在は、人々を瘴気から守る存在であった。
しかし、クリスタルの力も永遠ではない。
人々はその力を維持するために、年に一度ミルラの雫でクリスタルを清めなければならなかった。
そのため人々は毎年、それぞれの村からクリスタル・キャラバンと呼ばれる若者たちを送り出し、ミルラの雫を得る事を続けてきたのだ。
この物語は、そうしたとある辺境の村の、若者たちの物語である。〟
(『FFCC』公式サイトより引用)
上で書かれている通り、過酷な世界が舞台となっているのだが、そこで本作が描いているものは“助け合い”や“支え合い”といった部分だ。大変だからこそ、“人との繋がり”は大切なのだと実感させられる。
そしてそれは、物語から伝わってくる部分もあれば、ゲームをプレイする流れそのものからも大いに伝わってくる。
プレイヤーは“ミルラの雫”を集めるクリスタル・キャラバンの一員となる。しかし、ひとりで生き抜くのはあまりに困難な道のり……と、“マルチプレイ”はただのシステムとしての要素ではなく、ロールプレイ上での必然性のようなものとして存在している。
言葉にするなら「協力しないと生きていけない感」がスゴイのだ。
ダンジョンを進むのにも、蔓延る瘴気から身を守るために誰かがクリスタルケージを持ち運ぶ必要があるのは、その最たる例だ。
キャラバンの冒険は
まさに一蓮托生!
ここから、少し個人的な“思い出”の話になる。
実は、自分と『FFCC』の出会いは発売後すぐではなく、また能動的なものではなかった。まだ小学生だったある日、親しかった友人の家で勧められて一緒にプレイしたのがきっかけで『FFCC』の世界に飛び込んだのだった。
さっそくキャラクターをつくり、冒険を始めて感じたのは、その没入感の高さ。
プレイヤーキャラクターは4つの種族の中から選び、かつ親の職業なども設定する。あくまでも村の中のひとりの若者といった立場なのが特徴で、本当に自分がそのキャラクターになった気になれる。RPGとしての没入感が高く、旅の雰囲気に浸りやすい!
※ “ミルラの雫”を求めて挑んだダンジョンのクリア後には、家族(ほかのキャラクターのことも)から手紙が届くことがある。手紙は返信もでき、アイテムを送りあえる。遠くにいても支え合っているのがわかる嬉しいシステムだった。
そして、なによりマルチプレイの楽しさを実感した。
そのときのキャラバンのメンバーは友人A(誘ってくれた人)、友人B、そして友人Aの兄(ゲームの持ち主)、そして自分。
戦闘はほかのFFシリーズに多く見られるATB(アクティムタイムバトル)ではなく、複数人が動き回るマルチプレイの特性を生かしたアクション性の高いシステムになっている。
マジックパイル(合体魔法)が決まったときの爽快感や、ダンジョン毎に役割分担を相談しながら進めていくときの一体感は同じキャラバンで旅をしている仲間ということを強く意識でき、プレイ中、ずっと盛り上がりながら遊ぶことができた。
そしてやはりクリスタルケージが持つ意味合いは強く、これがあることでパーティの“一蓮托生”感が跳ね上がる。誰かが持つ役割を担わないとダンジョンを進めることができず、またケージを持っている間、そのプレイヤーは攻撃ができないというプレイ上の制約が、プレイヤー間の“支え合い”を大きく意識させる要素となっていた。
「お前に一番重要な役割を与える!」
なんて口車で、最初は唯一未プレイだった自分にクリスタルケージ役が回ってきたものだけど、段々と仲間意識が芽生えてきたのか、
「じゃあ今回はオレがケージを持つよ」「ケアル役お願い!」
というような会話に変わってきたことが印象に残っている。
それにしても、画面分割の4人プレイではなく、クリスタルケージがあることで4人が同じ画面を見ている(カメラは常にクリスタルケージを中心に移動するため、全員がカメラずっと収まっている)状況が、なんとなく“一緒に冒険をしている”感じがして、ゲームシステムの妙を感じる部分でもある。
そんな、マルチプレイが最高に楽しい『FFCC』だが、冒頭に触れた“とある事情”とは? 続きは次のページへ!!