By まつがん
「デュエマを楽しんでいいのはオレだけ!お前はダメ!!!!」
前回生まれてしまった当連載の新たな合言葉。だが、よく考えてみるとカードゲームの本質を突いた言葉かもしれない。
「楽しんでいいのはオレだけ!」とはすなわち、相手が棒立ちのカカシなら気持ちよく4キルできるくらいの能動性を持つこと=「コンセプトを強く持つべし」ということを表している。
そして「お前はダメ!!!!」とは、相手もコンセプトを押し付けてくるのでそこを一手違いですれ違える手段をきちんと持つこと=「でも相手はカカシじゃないのできちんと妨害しよう」ということだ。
こう考えると、冒頭の妄言も実はすべてのカードゲームに通じる真理に見えてくる (?)。
では、早速この精神を体現したデッキを作っていこう。
今回使うのは先週発売した「必殺!!マキシマム・ザ・マスターパック」に収録されているマスター必殺技カードの一つ《ジョルネード・グランドライン》だ。
《ジョルネード・グランドライン》は《ジョリー・ザ・ジョルネード》の必殺技だが、「マスター必殺トルネード」で唱えればマナがかからないとはいえ相手のクリーチャーを1体手札に戻してGR召喚と、それにしては一見少しおとなしめの効果となっている。
だが、冒頭の妄言に照らし合わせればそれはむしろ必然と言えよう。《ジョリー・ザ・ジョルネード》は「楽しんでいいのはオレだけ!」の部分に相当する強力なコンセプトであるのに対し、《ジョルネード・グランドライン》はあくまでも「お前はダメ!!!!」に相当する妨害カードに過ぎないからだ。
では、《ジョルネード・グランドライン》を使ってどのようなデッキを組むべきか。まずは《ジョリー・ザ・ジョルネード》を組み合わせてみるのが王道だが、そうなるとvol.15-1とvol.15-2で作ったデッキに逆戻りである。
新たなコンセプトを生み出すためには、《ジョルネード・グランドライン》が出たことによって何か新しくできるようになったことを生かす必要がある。
そう考えたとき、《ジョルネード・グランドライン》が持つ《ジョリー・ザ・ジョルネード》と大きく異なるある特性に気づいた。
それは、このカードが「相手のターンに打てる呪文」であるということだ。
「相手のターンに打てる呪文」はこれまでS・トリガーのほか、《革命の水瓶》や《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》などがあった。だが、いずれも相手クリーチャーの攻撃に依存しており、相手のターン中に能動的に唱えられる呪文となると、これまではほとんどなかったのではないかと思う。
だが、「相手のターンに打てる呪文」だからといって何が起きるというのだろうか?
決まっている。
《Wave All ウェイボール》と《カエルB ジャック》だ。
これらのカードは能力の誘発条件が「1ターンに1回」であるため、たとえば相手のターン中にS・トリガーで呪文を唱えた場合にもGR召喚やドローができる。もし両方がいる状態で《ジョルネード・グランドライン》を唱えたなら、相手のクリーチャー1体を手札に戻し、GR召喚を2回しつつ1ドローという恐るべきビッグアクションが行われることになる。
相手のターンの終わりに盤面や手札の状況を激変させてしまうという意味では、実質デュエル・マスターズをマジック:ザ・ギャザリングへと変えたも同然 (?) と言えるだろう (デュエマの兄弟分であるMTGでは相手のターン中も多くのアクションができる)。
《Wave All ウェイボール》の弱点は、このカード自体の能力が唯一無二でありすぎるため、2マナのアクションをこれに絞るデッキ構築にせざるをえない点だった。
だが、《バブるーと》と《トムのゼリー》のパッケージを得たことで、2マナのムーブに択ができた。いや正確には、《Wave All ウェイボール》が最強の初動であることは変わらないものの、それに匹敵する第二のぶん回りパターンを獲得したのだ。
すなわち、《バブるーと》からのGR召喚は必ず4コスト以上のジョーカーズがめくれるため、その時点で《ジョルネード・グランドライン》がアクティブにできるという、マナコストとの関係では疑似Jチェンジ的な動きが可能となるのである。
あとは最近シータミッツァイルが隆盛していることもあり、「お前はダメ!!!!」の化身である《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》をフルでぶち込んでおくと、なんとなくデッキっぽい気配を醸し出してくれることだろう。
というわけでこれが今回のデッキ、「Wave Allグランドライン」だ!
『Wave Allグランドライン』
《トムのゼリー》 | |
《バブるーと》 | |
4 | 《Wave All ウェイボール》 |
《カエルB ジャック》 | |
《スゴ腕プロジューサー/りんご娘はさんにんっ娘》 | |
《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》 | |
4 | 《ジョリー・ザ・ジョルネード》 |
4 | 《ザババン・ジョーカーズ》 |
4 | 《知識と流転と時空の決断》 |
4 | 《ジョルネード・グランドライン》 |
超GRゾーン | |
2 | 《The ジョラゴン・ガンマスター》 |
2 | 《ゴッド・ガヨンダム》 |
2 | 《せんすいカンちゃん》 |
2 | 《バイナラシャッター》 |
2 | 《超Ω級 ダルタニックB》 |
2 | 《全能ゼンノー》 |
構造的にはvol.15-1で作った「Wave Allジョルネード」のジョーカーズ要素を強めたアレンジといった感じだが、ジョーカーズが24枚入っているためマナドライブや超天フィーバーも達成しやすく、GRのバリューをそこまで落とさずに済んでいるのが差別化のポイントだ。
《スゴ腕プロジューサー/りんご娘はさんにんっ娘》はせっかく水単色なのにマナが濁る要因になってしまっているが、カードがあまりにも強くかつデッキに噛み合っているので仕方がない。
そんなこんなで、「デュエマを楽しんでいいのはオレだけ!お前はダメ!!!!」を目指していたらなんとなく「強いカード×強いカード=強い!!!!」みたいなデッキになってしまった気がしないでもないが (しかもどちらかといえば「強い????」だが)、それもまたカードゲームにおける真理の一側面ではあるので、長い物には巻かれろの精神で程よく受け入れつつ、各自元気にカードゲームをやっていってもらいたい。
???「コラ!『お前はダメ』とかじゃなくて、デュエマはみんなで楽しむものでしょ!」
そ、その声は!?
誰よりもデュエマを楽しむ男、デッドマン!!(いわく「80年代」らしい……?)
デッドマン「カードゲームガチ勢すぎて気を抜くとすぐ楽しさより強さを優先してしまう研究仙人に初心を取り戻してもらうために、また新しいカードを持ってきましたよ!」
はたしてデッドマンが持ってきてくれたカードとは!?
次回に続く!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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