By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
まず最初に、MTGアリーナ正式ローンチおめでとう!!
先週末、紙の世界に先駆けて『エルドレインの王権』が実装されたとともに、MTGアリーナがついに正式にローンチされました。オープンβテスト開始から1年、日本語版に対応してくれたり、ミシックチャンピオンシップが開催されたりと長かったような短かったような……
というわけでみなさんもMTGアリーナをプレイしましょう。丁寧なチュートリアルもあるので、マジックのルールをよく分かっていないという方にとっても安心。無料でもびっくりするくらい遊べますよ!
そして先述の通り、デジタルの世界ではすでに『エルドレインの王権』がリリースされています。特に世界最強の32名のプロ、MPLプレイヤーのリーグ戦である「ELDRAINE SPLIT SAPPHIRE DIVISION」に参加する8名のデッキリストも公開されており、まずは環境の「初期メンバー」といえるデッキの概形が見られました。中には新ギミックを大量に搭載したユニークなデッキもあります。
さっそく、今回はこの「ELDRAINE SPLIT SAPPHIRE DIVISION」のデッキリストの中から、注目のデッキを見ていきましょう!
ELDRAINE SPLIT SAPPHIRE DIVISION
このSAPPHIRE DIVISIONでは日本人のトッププロの一人、佐藤 レイ選手も参加しています。アグロデッキのプレイを得意とする佐藤選手ですが、本イベントで持ち込んだのは「バントゴロスランプ」です。
ランプとはマナ加速を利用して(マナ基盤を「強化/Ramp Up」して)大型クリーチャーや強力な呪文を唱えるデッキです。アグロとはある意味対極をなすデッキですが、一体『エルドレインの王権』環境のランプデッキはどのような形なのでしょうか? さっそくリストを見ていきましょう!
※赤字は『エルドレインの王権』の新カード。
バントゴロスランプ(使用者:佐藤 レイ選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
1 | 《アゾリウスのギルド門》 |
1 | 《イゼットのギルド門》 |
1 | 《ゴルガリのギルド門》 |
1 | 《セレズニアのギルド門》 |
1 | 《平穏な入り江》 |
1 | 《神聖なる泉》 |
1 | 《ボロスのギルド門》 |
2 | 《神秘の神殿》 |
2 | 《寺院の庭》 |
1 | 《調和の公有地》 |
1 | 《疾病の神殿》 |
1 | 《平地》 |
2 | 《島》 |
2 | 《森》 |
4 | 《死者の原野》 |
2 | 《繁殖池》 |
2 | 《寓話の小道》 |
1 | 《茨森の滝》 |
1 | 《シミックのギルド門》 |
1 | 《花咲く砂地》 |
2 | 《ハイドロイド混成体》 |
2 | 《裏切りの工作員》 |
4 | 《不屈の巡礼者、ゴロス》 |
1 | 《王国まといの巨人》 |
1 | 《樹上の草食獣》 |
4 | 《豆の木の巨人》 |
4 | 《時を解す者、テフェリー》 |
4 | 《迂回路》 |
2 | 《時の一掃》 |
3 | 《むかしむかし》 |
4 | 《成長のらせん》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
1 | 《裏切りの工作員》 |
1 | 《王国まといの巨人》 |
1 | 《樹上の草食獣》 |
1 | 《夏の帳》 |
2 | 《ガラスの棺》 |
3 | 《神秘の論争》 |
2 | 《夢を引き裂く者、アショク》 |
2 | 《狼の友、トルシミール》 |
2 | 《敬虔な命令》 |
ピンチに陥っても大逆転の切り札(デカブツ)でひっくり返すような大味なゲームが可能なランプデッキは、いつの世も男子の憧れと言えるデッキです。
そんなこのデッキのフィニッシャーはデッキ名にその名を関する《不屈の巡礼者、ゴロス》です。
戦場に出たときについでのようにマナ加速をしつつ、その強力無比な起動型能力によってゲームを決定づける、というこのカードの役割はまさにランプデッキにぴったりの存在と言えるでしょう。
《ゴロス》の能力起動には5色を含む7マナが必要ですが、デッキには緑・白・青の3色を中心に、赤と黒の2色も添えられています。これらの色マナを《ゴロス》自身の能力で揃えたり、《迂回路》のようなカードで調達したりすることで起動を可能にしているようです。
同様に《豆の木の巨人》もデッキにフィットした1枚です。新メカニズムである「出来事」能力を持ち、序盤はマナ加速、終盤はフィニッシャーとして機能してくれます。
ランプデッキの弱点として、「マナを加速するためのカード」と「マナ・コストが重いカード」の引きがちぐはぐになってしまい、序盤に重いカードばかり引いたり、終盤にマナ加速カードばかり引いたりすることがある、という点が挙げられます。しかし、この《豆の木の巨人》はそうした弱点を1枚で補完しています。
デッキに含まれる巨人はそれだけではありません。《王国まといの巨人》はランプデッキの苦手とするアグロ系のデッキに対して強い1枚で、対戦相手がクリーチャーを大量に並べてくる中盤には《神の怒り》系の全体除去として機能してくれる上、《ゴロス》でめくれた際には7/7警戒という強烈なサイズで盤面に蓋をしてくれます。
他にもvol.21でご紹介した「スケープシフト」のフィニッシャーである《死者の原野》など、マナ加速を中心とした戦略に合致した強力なカードが採用されています。
マナ加速呪文もフィニッシャーも揃っており、それらの戦略を補完するカードも選択肢が残されている……『エルドレインの王権』はわりとランプデッキにとっては恵まれた環境と言えるでしょう。10月18~20日にはミシックチャンピオンシップも開催されますが、ここでもランプデッキが活躍するかもしれませんね。
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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